紫焔・ピアス編 ようやく想いが通じ合って、実休さんに抱かれた夜。抱かれるのは久しぶりだったのに、前よりもずっと気持ちが良くて、福島さんが『あれはすごくいいものだ』と言った理由が、実感できた。
抱き合って、満たされて――身体は疲れているけれど、この余韻をもう少し味わっていたい。
僕たちは裸の肌を触れ合わせたまま、密やかに言葉を交わしていた。
実休さんの手が愛しげに僕の髪に指を通して撫で、頭に頬擦りしてくる。そうして可愛がられて甘えられていると、本当に僕のことが好きなんだな、と感じられて心底幸せだった。
左の耳朶を指で挟んですりすりと撫でられる。実休さんの熱い指が心地いい。
「ここに……穴を、開けたいな」
耳朶の中心に軽く爪を立てられる。
1208