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    57ワンドロライ 第47試合『パンケーキパンケーキ〜pancake〜』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi

     卵と小麦粉と牛乳があれば色々作れる。それはチチが彼に教えたことだ。

     悟空は健啖家なので寝起きからがっつり大量の肉料理も食せるが、チチはどちらかといえば朝食は軽く済ませる方だ。というか、そのころはまだ悟空ほどではなかったもののサイヤ人の血を引く悟飯もよく食べる子だったので、朝からボリュームのあるものを作っているうちに空腹感は薄れてしまっていたという方が正しい。
     あとこれは個人的な差もあると思うが、自分が作ったものに食指が伸びないこともある。
     
     セルゲーム前の夫婦ふたりだけのとある朝、それをチチが零すと夫が「じゃあオラが作る」と金色の髪と翠の眼でにっかりと笑って言った。

     そして、文頭となる。
     ストックがされている小麦粉、卵、牛乳を使って簡単な調理ならできる悟空が作れるものということでパンケーキとなった。
     甘いパンケーキはおやつという印象が強いが、ソーセージや卵を添えることで主食になる。

     少し焦げたり、火の通りが甘いものが最初作られたが、焦げは落として生焼けはもう少し焼いて、と失敗も夫婦ふたりで笑いながら手を加えて食した。
     少しだけほろ苦いパンケーキにたっぷりのメープルシロップをかけて食べたあの味は、その後もう味わえることはない。
     
     なぜならば………。

    「悟空さ、パンケーキ焼くのうまくなっただなぁ」
    「チチから受けた修行の成果だな。もう一枚食うか?」

     再び家族で、夫婦で迎えられる朝に時折作られるパンケーキはもう焦げることがなかったからである。
     
     
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    eastdragon_DB

    TRAINING悟チチ版ワンドロワンライ『天下一悟チチ武道会』
    第6試合 お題『アイス〜ICE〜』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi
    孫家の日常は多分どちらかといえば慌ただしいイメージかもしれない。

     それは確かに事実でもある。
     なにせ、パオズ山は緑豊かといえば聞こえはいいが、実際は大型肉食獣も住まう辺境という言葉が相応しく、人が住む場所といえば限られていて村と呼べる存在は山の麓の方にあり、そこから町、都会へとなるとずっと遠くなりそれなりの移動手段が必要だ。

     そんな場所で暮らしているものだから、ハイスクールへの登校にも時間がかかってしまう。孫家の長男、悟飯は時間にルーズではないがやはり朝はばたばたしがちだし、悟飯や悟天の父親である孫悟空が現世の人として戻ってきたため家事(主に食事面)が増えたため子供達の母であり、悟空の妻であるチチも所々は慌ただしい。
     しかしながら、子供達が成長すれば各々時間の使い方はうまくなっていくし、悟空に至っては修行に出てしまえば家を不在にする時間も長くなり心配はするものの家事の負担は減る。

     あと、これは知るものは孫家の面々くらいだが、農作業が終わり昼食も終わったあとの孫家は意外とのんびりとした時間が流れる。

     茶を淹れて、ゆっくりと飲む時間。
     それはチチがひとりで家を支えてい 2050

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    TRAINING悟チチ版ワンドロワンライ『天下一悟チチ武道会』
    第1試合 『空』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge
    #悟チチ #Gochichi
    チチは亀仙流の使い手であり、その武は亀仙人も認める達人の域であった。
     まぁ今は孫もいる身であり、全盛期と比べればゆるやかに力量は落ちてはいるがちょっとした暴漢をこらしめるくらいは未だに朝飯前のことだ。

     とはいえ、チチは気は読めないし、気弾も打てない。夫や子供達が得意とするかめはめ波も打てないし、舞空術も使えない。

     舞空術については、悟飯からそれを学ぶ際に一緒にできるようになろうとねだらた。それよりもっと前には、悟天が生まれて少し落ち着いたころによければと、悟飯からも舞空術が使えるようになることを勧められたこともある。
     だがチチは穏やかに辞退した。
     舞空術は確かに身に着けることができれば便利だろうが、気を感じる、気を読むなどのセンスはどうも自分にはないと思ったし、夫が遺した筋斗雲があればチチだって空を移動できる。

     子供達はチチのそれに少し残念そうであったけど納得もしてくれたことがありがたかった。

     筋斗雲に乗って、空を行く。
     朝はまだ少しひんやりした空気の中。昼は、眩しい陽射しの中。夜は満点の空を見られる。
     それが自分の身ひとつでできれば、解放感はひとしおかもしれ 1609

    eastdragon_DB

    TRAINING悟チチ版ワンドロワンライ『天下一悟チチ武道会』
    第7試合 お題『ピアス』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi
    「ピアスを開けたい? いいんでねぇか」
    「…………」
    「悟天、何か言いたいなら言うだよ」
    「あ、えっとさ。あっさりOKされるとは思わなかったから」
    「ファッションのひとつだし、おめぇも年頃だからな。親のおらがしてるものを頭ごなしにダメっていうほど気も張ってねぇだよ」

     ソファに座ってのんびりと茶を飲んでいる母に話しかけるタイミングと彼女の期限をかなり慎重に窺って挑んだだけに、悟天の方が拍子抜けしてしまった。
     桃色が主体の旗袍に髪を短くした母親の耳元には確かにピアスがされていて、小さく球が揺れている。

     ピアスといえばやはり女性ものというイメージがあるし、実際母に話すより前に隣に住む兄に相談してみると「彼女へのプレゼントじゃなくて?」と首を傾げられたこともあった。まぁ悟天とて女の子がつけて可愛い装飾が多いものは興味はないが、小さな銀や金のスタイリッシュなものには憧れる。
     耳といういつも露出している部位に身に着けるものだから、やはり一緒に住んでいる家族に黙ってやるのはいかがなものかということと、素行には厳しい母親であるということで話すタイミングを数日前から考えて見計らって挑んだ結果 1737

    eastdragon_DB

    TRAINING第18試合『手紙〜Letter〜』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi
     掃除、洗濯、夕食の下ごしらえ、他のこまごました家事が終わると、チチのちょっとした自由時間となる。
     自由時間といっても大概は針仕事や近隣(と、言っても孫家からかなりの距離はあるのだが)への用事事や畑の様子などを見にいくことも多いが、まれに本当にぽっかりとそれらもない自由時間がある。

     そうなるとチチはお茶を淹れて雑誌を読んだりテレビを見たり、時々午睡をしたりとして過ごすが、気が向くとリビングのとある収納の引き出しを引く。

    「ああ、そろそろこの便箋もなくなってきてるだなぁ」

     言いながら取り出したのは、淡い緑色で揃えられているレターセットだ。共に万年筆も出して、ダイニングテーブルに座る。
     
    「さて、と」

     便箋をめくり、チチは慣れた様子で万年筆にインクを補充すると、その切っ先を紙面へと滑らせ始めた。
     出だしはいつも決まっていて、「悟空さへ」 である。

     
     書くことは基本とりとめもなく。
     自分がその日思っていること、伝えたいことをつらつらを書いていく。満足するまで書いたあとは便箋を折り封筒に入れて封をして、便箋をしまっている同じ引き出しに手紙をしまう。
     この手紙は決し 1450

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    TRAINING悟チチ版ワンドロワンライ『天下一悟チチ武道会』
    第2回戦 お題『マフラー』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi
    年齢を重ねてきたことで、ようやく見えてきたことがある。
     自分の中に流れる戦闘本能については純血のサイヤ人のそれということでどうしようもないとしても、闘いがない日常でもそれなりに生きていけて、それを悪くないと思えるのは「地球人」としての自分の一面で、近しい者に危害が加わることは良しとはしないあたり、色濃いことだ。

     穏やかな昼下がり。
     最近自分から望んでやるようになった農作業も終えての、自由時間。悟空には瞬間移動があるので西の都にでも行ってベジータと組手などすることも多いのだが、この日はパオズ山の自宅に居る。

    「ん。大丈夫だべ、ビーデルさ。ちゃあんと出来てるだよ」
    「本当ですか…?」
    「んだ。やり始めたばかりのおらよりも、ずうっと上手だ」

     この時間は窓から入ってくる陽光で陽だまりになるソファに、ビーデルとチチが並んで座っている。
     ビーデルの手には鈎針が握られていて、彼女はいつもは勝気な眉を少しばかりハの字にしながら手を動かし、ソファ前のテーブルの上に乗せられた籠の中の紫の毛糸玉がゆっくりと回る。編み物をしているのだ。

     ビーデルは悟飯のハイスクールのクラスメイトだが、それ 1835

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    TRAINING悟チチ版ワンドロワンライ『天下一悟チチ武道会』
    第3試合 『春 〜Spring〜』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge
    #悟チチ #Gochichi
    茄子に胡瓜にトマト。アスパラ、カブ、ピーマン、春菊―――。

     春に種まき、ないしは苗植えを行う作物のことを考えながら、チチは起こされて湿り気を含んだ独特の匂いのする土の香りを胸いっぱいに吸い込んだ。 

     トラクターで掘り起こされた土は黒々としていて、春の陽射しをぐんぐんと吸いこんでいるのが分かる。この、畑の「目覚める」様子がチチはとても好きだ。
     もちろん冬にも幾つか作物は育てていたが、やはり秋までに比べれば幾分縮小させていたし、この春に備えて手入れをし、休ませていた畑もある。

     雑草などで作った堆肥を含んだ土に器具を入れてひっくり返すときにわくわくすると言うと夫である悟空に笑われてしまったが、それはマイナスな意味ではなく「チチらしい」という明るくてどこか嬉しそうなそれであった。
     
     もう二度と会うことは叶わないと思っていた夫が現世の人となり、チチが生業として選んだ「農業」に加わったことで、孫家の農業はぐんと幅を広げた。
     トラクターなどを使って畑を耕していたとはいえ、パオズ山の土地はその内に大小様々な土をはらんでいることも多いし、また土も農作物を育てるにはまず土を育てて整えて 1425

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    TRAINING悟チチ版ワンドロワンライ『天下一悟チチ武道会』
    第6試合 お題『アイス〜ICE〜』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi
    孫家の日常は多分どちらかといえば慌ただしいイメージかもしれない。

     それは確かに事実でもある。
     なにせ、パオズ山は緑豊かといえば聞こえはいいが、実際は大型肉食獣も住まう辺境という言葉が相応しく、人が住む場所といえば限られていて村と呼べる存在は山の麓の方にあり、そこから町、都会へとなるとずっと遠くなりそれなりの移動手段が必要だ。

     そんな場所で暮らしているものだから、ハイスクールへの登校にも時間がかかってしまう。孫家の長男、悟飯は時間にルーズではないがやはり朝はばたばたしがちだし、悟飯や悟天の父親である孫悟空が現世の人として戻ってきたため家事(主に食事面)が増えたため子供達の母であり、悟空の妻であるチチも所々は慌ただしい。
     しかしながら、子供達が成長すれば各々時間の使い方はうまくなっていくし、悟空に至っては修行に出てしまえば家を不在にする時間も長くなり心配はするものの家事の負担は減る。

     あと、これは知るものは孫家の面々くらいだが、農作業が終わり昼食も終わったあとの孫家は意外とのんびりとした時間が流れる。

     茶を淹れて、ゆっくりと飲む時間。
     それはチチがひとりで家を支えてい 2050

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    TRAINING第15試合『眼鏡』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi
     チチの武は亀仙流であり、師は父である牛魔王だ。
     夫である悟空を始めとする他の亀仙流の使い手達は自身の特色を含ませて発展させていったが、チチのそれはほぼ純粋なるものだ。

     天下一武道会の武舞台に上がったときと比べるとさすがに力やスピードは落ちたが、その代わり受け流しなどのスキルは今の方が磨きがかかったと思う。それは亀仙人のお隅付きだ。

    「悟天に武を教えたい。だがそれに値する状態かどうか確かめてくれと筋斗雲に乗ってわしのところまで来たときは結構たまげたもんじゃ」
    「武天老師さま、おくちあんぐりしてたべ。悟天のことも悟飯のときみたいにお勉強漬けにするもんだと思われてたんならまぁ仕方ねぇと思いますだ」
    「いやいや、そりゃちぃっとは思って驚いたのは確かだがの。わしはな、悟天があんまりにも悟空に似て生まれてきよったから、そこに武をつけさせればますます悟空のやつに似てしまいお前さんが辛くなるんじゃないかのうと心配したんじゃ」

     言いながらのんびりと茶を啜る武天老師は比較的近しい過去の出来ことを思い返し、ほっほと笑う。
     本日は定期的に行われるブルマ主催のカプセルコーポレーションでのお茶会だ 1494

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    TRAINING第18試合『手紙〜Letter〜』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi
     掃除、洗濯、夕食の下ごしらえ、他のこまごました家事が終わると、チチのちょっとした自由時間となる。
     自由時間といっても大概は針仕事や近隣(と、言っても孫家からかなりの距離はあるのだが)への用事事や畑の様子などを見にいくことも多いが、まれに本当にぽっかりとそれらもない自由時間がある。

     そうなるとチチはお茶を淹れて雑誌を読んだりテレビを見たり、時々午睡をしたりとして過ごすが、気が向くとリビングのとある収納の引き出しを引く。

    「ああ、そろそろこの便箋もなくなってきてるだなぁ」

     言いながら取り出したのは、淡い緑色で揃えられているレターセットだ。共に万年筆も出して、ダイニングテーブルに座る。
     
    「さて、と」

     便箋をめくり、チチは慣れた様子で万年筆にインクを補充すると、その切っ先を紙面へと滑らせ始めた。
     出だしはいつも決まっていて、「悟空さへ」 である。

     
     書くことは基本とりとめもなく。
     自分がその日思っていること、伝えたいことをつらつらを書いていく。満足するまで書いたあとは便箋を折り封筒に入れて封をして、便箋をしまっている同じ引き出しに手紙をしまう。
     この手紙は決し 1450