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    mya_kon

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    満員電車で出会う夏と尾のシリーズ(?)1本目です。まずは満員電車で具合が悪くなる尾と、それに気づく夏です

    #夏尾
    natsuo

    満員電車の夏尾の1本目 今日も今日とて電車のドアと知らない人に挟まれる。毎朝のことだけどどうしても慣れない。ぎゅうぎゅうに潰して、俺たちのことを早食いするつもりか! ホットドッグみたいに! 噛まずに飲み込んで! 早食い対決するのか! あんまり俺はおいしくないと思うぞ!
     なんてことを考えながら窓の外を見た。こっち側のドアは俺が降りる駅まで開かないので、安心して挟まっていられる。とはいえ、これ以上どうしようもないぐらい潰されるのに変わりはないわけだけど。
     ドアにべったりくっつく俺の隣で、同じくドアに貼りつけられてるお兄さんをチラッと見る。同じ駅で降りるお馴染みのお兄さん。何人か「見覚えがある」人はいるけど、この人は少し特別だ。
     というのも、電車からところてんのように押し出された人たちは一目散に改札へ向かったり、乗り換えのために別のホームに向かったりと忙しい。そりゃたまにスマホをいじりながら歩いてて、のんびりしてる人もいるけどそれはごくごく少数だ。歩きスマホは危ないからやめてほしい。
     この前は動画を見ながら階段を降りていた人が、突然視界から消えたので怖かった。マジで! 歩きスマホは! 危険だから!
     不幸中の幸いはその人が綺麗に落ちたことだよな。前のめりになるわけじゃなくて、スコココンと滑り落ちてた。それと歩くのが遅かったおかげで、前の人と距離があったから誰のことも巻き込まなかったこと。いやー、隣を歩いていた人が急にいなくなるってこういうことなんだなって。いつまでも隣にいると思っちゃいけないよな。
     まあそんなことはどうでもよくて。
     このお兄さんは改札や別のホームに急いで向かう訳ではない。後ろの人からどつかれるように電車から押し出されて、よろよろしながらホームのベンチに座る。青い顔をしているのを何回も見た。
     俺も授業があるからあまり見ていられないんだけど、それにしたって心配になる。感覚でいうと、八割ぐったり、一割改札、一割出会わない。こんな大変なことになりながら働かないといけないなんて、嫌だなぁ。できたら始業時間が少し遅いか、職場近くに住むかしたいなぁ。
     そんなことを考えていたら、電車が止まった。次の次で降車駅に着く。ほんの少しだけ人が降りて、どわっと人が乗る。バランスが悪いんだよなぁ。人がたくさん乗るなら、その前にたくさん降りないとさぁ。そう思う俺もまだ降りない組なんだけど。
    「お、降ります……」
     弱々しい声が隣から聞こえた。
     見ると、真っ青な顔をしたお兄さんがドアからどうにか体を剥がそうとしている。しかし声が小さいのと、人が多過ぎるのとで状況が一ミリも変化していない。首を回せば、真後ろに立っていた人の顔がすぐそこにある。反対側のドアは人の頭や肩や背中が邪魔で見えない。
    「降ります! 通してください!」
     俺はそう声を出して、お兄さんの手を掴む。詰める場所なんてないはずなのに、どうにか道を作ってくれる人たちに感謝しながら、なんとか三メートルに満たない川を渡りきる。電車の外に出ると、お兄さんは足から力が抜けたようで俺にもたれかかってきた。
    「大丈夫ですか? ベンチまで動きますよ?」
     返事はないが、このままホームで座り込むわけにはいかない。俺はお兄さんを引きずりながらベンチを目指した。
     とりあえず座ってもらって、うーん、具合悪いときって服をゆるめたいけど、どこまで手を出していいのかな。ネクタイ外して、シャツのボタンを一、二個開けるのはセーフ? さすがにベルトを外すのはアウトだよなぁ。
     俺は自販機で水を二本買いながら考える。ベンチに戻ると、限りなく限界まで体を倒したお兄さんがいて、俺は慌ててその隣に座る。お兄さんの頭と硬い座面の間に俺の太ももを置いた。軽くお兄さんの肩を叩いて「寝ても大丈夫ですよ」と声を掛ける。
     小さいうめき声を漏らして、お兄さんの頭が俺の太ももに乗せられた。改めて見るけど、お兄さんの顔、真っ青だな。青いっていうか、白いっていうか、血の気がない。あのまま電車の中にいたら倒れていたんだろうなぁ。倒れるほどの隙間があったかと聞かれると困るんだけどさ。立ったまま気を失うとか嫌でしょ。
    「水、飲みますか? ネクタイ外して、シャツのボタン開けますよ?」
     返事はないが、緊急事態だ。失礼します、と小さく続けて、俺はお兄さんの首回りを緩めた。それから二本買ったうちのペットボトルの一本をお兄さんの目の前に置く。少しでも楽になるといいんだけど。
     俺はそう思いながらもう一本の水を飲む。冷えた水が喉を通って気持ちいい。あー、授業。まあいっか。亀蔵に連絡入れとこう。俺も満員電車で潰されて気持ち悪かったし。うんうん、そんな気がしてきたから、そうだったんだろうな。
     何本電車を見送ったか分からないが、だんだんと人の数が減ってきた。そういえばお兄さんは会社へ連絡しなくて大丈夫なんだろうか。俺は水を飲み干してお兄さんを見る。顔色はだいぶ戻ってきていて、呼吸も落ち着いているようだ。てかこれ、すやすや寝てない? お兄さん寝不足だったの?
     まぁ、寝れてんならいいか。いいのかな。俺はお兄さんの顔を見ながら考える。どこかからスマホのバイブ音が聞こえたけど、俺は放っておいた。スマホを見つけたところで代わりに出るわけにはいかないし、お兄さんを無理やり起こすのも悪いし。
     天気がよくてよかったなぁ。そよ風に頬を撫でられながらそう思った。俺も眠たくなってきたけど、どうにか耐える。荷物があるから……寝ちゃダメだ……。貴重品が……。
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    mya_kon

    DONE「吸血鬼が生きる世界には、マッチョが血液を提供するバーがあるのでは?」というフォロワーさんの呟きに反応して、爆発した結果のものです。夏太郎が吸血鬼、尾形がマッチョバー店員やってます
    もっといっぱいください!「へー、血液パックの宅配もやってんだ……」
     俺がスマホでぽちぽち見てるのは亀蔵に勧められた「マッチョバー」の公式サイトだ。何でもそこで働いているのは筋肉隆々のマッチョたちで、店ではその人たちの血液を提供しているらしい。
     男の人しかいないかと思ったけど、女の人もいるんだな。前からマッチョの血液は美味しくて栄養満点とは聞いていたけど、何だか手が伸びなかったのは気軽に買える場所に店がなかったのと、なんとなーく飲んだら自分もマッチョになりそうで二の足を踏んでいた。
     マッチョになるのが嫌っていうか、マッチョになって制限がかかるのが嫌というか……。両腕が閉じれないとか、着れる服が限られるとか、注射の針が入りにくいとか聞いていて、えー、じゃあソフトマッチョぐらいがいいなぁ、と思っていたのだ。まあ、今はソフトマッチョを目指している最中だから、多少のマッチョ成分を取り入れたところで問題はないんだけどさ。
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    mya_kon

    DONEこれは……いつか本になるから……と自分に言い聞かせて書いた夏尾……フォロワーが描いた夏尾見て書いた……わああああああああってなりながら……書いた……いつか本になるから……原稿といっても間違いではない……………
    まぐれ、気まぐれ のし、と頭に重さがかかる。確認しなくても分かる。尾形さんが俺の頭の上に手を置いたのだ。しゃがんだ姿勢のまま、俺は木の陰から一匹の鹿を見る。
     遡ること一時間前。
     俺はもっと土方さんの役に立ちたいと思い、茨戸からずっと持っているピストルの腕を上げようと考えた。せっかくなら誰かに教えてもらいたいな、と思ったのでまず最初に有古さんと都丹さんに声をかけた。普段からピストルを使ってる都丹さんや、従軍経験から有古さんなら! と考えたのだ。ところが二人は用事があったようで断られてしまった。
     そうなるととても困る。残っているのは永倉さんと牛山さんと門倉さんとキラウシさんと尾形さんだ。その中で可能性があるとしたら……尾形さんだよなぁ。もちろん尾形さんだって従軍していたし、そうでなくても狙撃の名手だ。射程距離がちょっと変わったくらいで下手くそになるとは思えない。とはいえ、尾形さんにお願いしたところで聞いてくれるとは思えない。
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