Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    mya_kon

    @mya_kon

    何かがあります

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 78

    mya_kon

    ☆quiet follow

    夏ちゃんのアニカム4期参加確定が嬉しくて、夏尾を書きました!!!!!!おめでとうかんたや!!!!!!!!!!!世界が君の可愛さに気づくぞ!!!!!!!!!!!!!!!

    #夏尾
    natsuo

    めでたいねぇ 転がるように家に入ってきた夏太郎は、興奮した様子でテレビの電源を入れた。尾形はそれをソファに座りながら黙って眺める。騒がしいやつだな。くあ、と尾形はあくびを零した。
    「ちょ、なん、テレ」
    「んー?」
     チャンネルを回した夏太郎はテレビを指差す。映されたのは昼の情報番組で、とある店の前でインタビューを受けた人が何かしらを答えている。
     テレビの左上には「今話題のふわふわスイーツ」と出ており、どうやらその「ふわふわスイーツ」を求めて列をなしている人たちにインタビューをしているようだ。ワイプではスタジオにいるアイドルが出てきたスイーツを見て「おいしそ〜」と口を動かしていた。
    「連絡したじゃないですかぁ!」
    「あー、そういえば」
     尾形はテーブルの上のスマホに手を伸ばす。ぱ、と画面をつければ、そこにはいくつも夏太郎からの連絡が入っていた。ブルブルと震えているのは見ていたが、昼飯を食べた後で眠かったので後で確認しようと思ったのだ。通知で見える範囲で眺めていても緊急性を感じなかった。
     さすがにこれが病気した事故にあった、はたまたうっかり人を殺してしまった連絡であれば話は変わるのだが、テレビのインタビューを受けたという平和な話題ならば少し温めたところで問題は起きない。
    「もおおおお! 俺! テレビ! 出るんですよ!」
    「みたいだな」
    「見てくださいねって言ったのに!」
    「そうらしいな」
     夏太郎からの連絡をきちんと遡れば、インタビューを受けた話や、それを放送する番組の話がいくつも送られている。やはり通知でちらっと見たまんまだった。
     スイーツの話題がいつの間にか終わった番組は、今日の天気と週間天気予報の説明をしている。尾形はスマホをソファに置くと、左手で空いてるスペースを叩く。
     テレビの真ん前に座っていた夏太郎が振り返った。あんなに連絡したのに、と文句を言いたそうな顔をしている。
    「夏」
    「はぁい……」
     名前を呼ぶと返事をしながらテーブルを避けて、尾形の方を向くようにソファに座る。右膝を立てて、左足は床に下ろす。ジト目で唇を尖らせた夏太郎の頬をむぎゅと潰すと、抗議のうめき声が聞こえた。
    「さっきインタビュー受けたんだろ?」
    「ふぁい……」
    「今日そのまま放送ってことはないだろ」
    「ふぇ? そおなんですか?」
     目を丸くした夏太郎の顔を見て、尾形は首を傾げてから「編集とかあるだろ」と一人頷いた。手を離すと夏太郎は解放された自身の頬を揉む。
    「確かに。えー、じゃあいつなんだろう」
    「なんかもらわなかったのか?」
    「なんか……あ、そういえばなんか、紙もらった気がします」
     ぱ、と夏太郎がソファから降りる。テレビの前に転がしたリュックを拾いに行くのを見ながら、尾形は「しばらく毎日録画すればどこかで引っかかるだろ」と考えた。
     特にテレビ出演を目指していたわけではないだろうが、せっかく夏太郎が地上波デビューするのだ。どうせなら最高画質で録画して、それをブルーレイディスクにコピーして残しておきたい。
     となると明日から一週間か二週間分、昼の帯番組を録画するには容量が心もとない。尾形が録画しているわけではないが、いつの間にか夏太郎がアレもコレもと様々な番組を録画をしているし、場合によっては編集して目当てのアイドルが出演している部分だけ残しているのだ。一つ一つは五分から十分程度といえど、塵も積もれば山となる。
     新しいレコーダー買うか? と尾形はスマホに手を伸ばした。夏太郎のテレビ出演に浮かれているのは俺も同じか、と笑みが漏れる。
    「ケーキでも食べるか?」
    「え? 食べます! え? なんで?」
     リュックから紙を引っ張り出した夏太郎が嬉しそうな顔をする。尾形はレコーダーの検索をやめて、代わりに「ケーキ屋」と検索窓に入力した。
     夏太郎がソファに戻ってきた。尾形のスマホを覗き込む。
    「だったらさっき紹介してたとこ行きません?」
    「ふわふわスイーツ」
    「そう、あのすごいパンケーキ食べたいです」
     ふわふわでとろとろのパンケーキを思い出しながら尾形は指を動かした。店名も場所も覚えていないので、番組名とパンケーキで検索をする。うまく引っかかってくれるといいが。画面がすぐに切り替わり、見覚えのあるパンケーキの写真が出てきた。
    「ここ! えへへー、行きましょ行きましょ」
    「そうだな」
     尾形は夏太郎の頭をひと撫でする。
     えへへ、と嬉しそうに夏太郎は笑った。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    mya_kon

    DONE「吸血鬼が生きる世界には、マッチョが血液を提供するバーがあるのでは?」というフォロワーさんの呟きに反応して、爆発した結果のものです。夏太郎が吸血鬼、尾形がマッチョバー店員やってます
    もっといっぱいください!「へー、血液パックの宅配もやってんだ……」
     俺がスマホでぽちぽち見てるのは亀蔵に勧められた「マッチョバー」の公式サイトだ。何でもそこで働いているのは筋肉隆々のマッチョたちで、店ではその人たちの血液を提供しているらしい。
     男の人しかいないかと思ったけど、女の人もいるんだな。前からマッチョの血液は美味しくて栄養満点とは聞いていたけど、何だか手が伸びなかったのは気軽に買える場所に店がなかったのと、なんとなーく飲んだら自分もマッチョになりそうで二の足を踏んでいた。
     マッチョになるのが嫌っていうか、マッチョになって制限がかかるのが嫌というか……。両腕が閉じれないとか、着れる服が限られるとか、注射の針が入りにくいとか聞いていて、えー、じゃあソフトマッチョぐらいがいいなぁ、と思っていたのだ。まあ、今はソフトマッチョを目指している最中だから、多少のマッチョ成分を取り入れたところで問題はないんだけどさ。
    7427

    mya_kon

    DONEこれは……いつか本になるから……と自分に言い聞かせて書いた夏尾……フォロワーが描いた夏尾見て書いた……わああああああああってなりながら……書いた……いつか本になるから……原稿といっても間違いではない……………
    まぐれ、気まぐれ のし、と頭に重さがかかる。確認しなくても分かる。尾形さんが俺の頭の上に手を置いたのだ。しゃがんだ姿勢のまま、俺は木の陰から一匹の鹿を見る。
     遡ること一時間前。
     俺はもっと土方さんの役に立ちたいと思い、茨戸からずっと持っているピストルの腕を上げようと考えた。せっかくなら誰かに教えてもらいたいな、と思ったのでまず最初に有古さんと都丹さんに声をかけた。普段からピストルを使ってる都丹さんや、従軍経験から有古さんなら! と考えたのだ。ところが二人は用事があったようで断られてしまった。
     そうなるととても困る。残っているのは永倉さんと牛山さんと門倉さんとキラウシさんと尾形さんだ。その中で可能性があるとしたら……尾形さんだよなぁ。もちろん尾形さんだって従軍していたし、そうでなくても狙撃の名手だ。射程距離がちょっと変わったくらいで下手くそになるとは思えない。とはいえ、尾形さんにお願いしたところで聞いてくれるとは思えない。
    2759