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    村人A

    @villager_fenval

    只今、ディスガイア4の執事閣下にどハマり中。
    小説やら色々流します。

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    村人A

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    年齢制限いるかいらないかギリギリの話…?多分いらなさそう。
    1回戦と2回戦の間くらい。ピロートーク。閣下ならこんな感じで煽るかなぁって書きました

    #執事閣下
    deacon
    #フェンヴァル
    fenval

    月夜の戯れカチャリと鍵が開き、隙間の空いた窓から少し冷たい風が入り込んできた。
    さっきまで行われていたコトの途中は暑くて火照っていたのに、それが冷えていくようだった。

    「…夜風が、心地いいな」
    「ヴァル様、起きてらっしゃったんですか」
    「ああ。…お前が加減したからかもしれんな」
    「主に無体を強いたくはありませんから」
    「このような関係になって、今更か?」

    窓際に立つシモベは、白銀の髪が月夜を受けてキラキラと光り、まるで雪のようだ。

    「フェンリッヒ、寒くないか」

    布団に寝転がり、包まった状態でヴァルバトーゼがフェンリッヒに問う。
    フェンリッヒは上半身に何も着ていない状態で、下だけ着ていた。対してヴァルバトーゼは下着だけの状態。

    「いつもとさして変わらない格好ですから、平気ですよ。ヴァル様は寒くありませんか」
    「…少し、寒い。だからこっちに寄れ」
    「お望みとあらば」

    行為の後は、ヴァルバトーゼは少し甘えてくる。フェンリッヒは微笑みながら、主の近くへと寄る。
    同じ布団に入り、許しを得てその身体を軽く抱きしめた。

    「身体が冷えていますね」
    「元から体温は低い。だから、お前の体温が心地いいのだ」
    「そうですか。…気の済むまでどうぞ」

    フェンリッヒはいつも、ヴァルバトーゼには優しく甘い。
    普段は小言を言われるが、心酔している故か、折れてくれることが多い。

    抱きしめていると、先程までの匂いがほのかに香り、ヴァルバトーゼの身体が疼いた。
    彼は無体を強いたくないという理由で、あまり長い時間はしないのだ。

    「…フェンリッヒ、お前はまだ若いのだから、我慢はしなくても良いのだぞ。俺は女子供ではない。身体はまだ頑丈な方だ」
    「わたくしは、ヴァル様を欲を吐くだけの相手にはしたくありませんし、明日の仕事のことも考えると、無理はさせられません。貴方のことですから、お休みにはなられないでしょう?」

    優しい言葉が耳元から入ってくる。
    このシモベは察しが悪いのではなく、素で言っている。
    最中は余裕が無い目をするクセに、終わるとそれが隠れてしまう。ヴァルバトーゼは、普段のフェンリッヒの余裕が無くなる瞬間が好きであった。

    「…あまり、耳元で喋るな」
    「それは失礼致しました」

    そう言いながら耳を軽く触り、主の肩が少し震える。
    何故かフェンリッヒは最中、ヴァルバトーゼの顔を触りたがる。
    頬を撫で、耳元で囁き、髪を梳くのだ。
    そしてヴァルバトーゼもフェンリッヒの髪を梳くのが好きだ。
    背中に回した手を、髪の毛へやる。誘う時も、そうするのだ。

    「…ヴァル様は、わたくしの髪をやたら触りたがりますね」
    「ふわふわして気持ちが良い。それだけだ」
    「そうですか」
    「……」

    本当にもう手を出してくる気がないらしい。
    一度疼き出した腹の奥がどうにも出来ず、ヴァルバトーゼは痺れをきらす。

    顔を上げ、乾燥した唇に己のものを重ねた。
    シモベが何か抗議の声を上げようとする度に重ねる。

    「…あの、あまり煽らないで頂けませんか。……我慢が効かなくなります」
    「そんなもの、取っ払ってしまえ」
    「ですから、わたくしは…」

    無理をさせたくない。
    明日に障る。

    そんな用意したような答えは、言葉は聞きたくない。
    ヴァルバトーゼはフェンリッヒの首に両手を回し、一気に引き寄せ、耳元へ囁く。

    「…察しの悪いシモベだな。俺に全部言わせる気か?」


    ──足りぬ、と言っているのだ。


    砂糖をそのまま溶かしたような、欲を孕んだドロドロの甘い言葉が耳に流し込まれる。
    ゾクリ、とフェンリッヒの背筋に衝撃が走った。

    「〜〜っ!!…本当に、貴方という人は…!」

    常の彼ならやらないような、強引な引き剥がし方をされ、その顔はかつてない程に真っ赤だった。
    向けられるその目に、先程の余裕などない。

    (─その目で射られるのが、何より心地いい)
    「…煽ったのは、貴方ですからね」

    布団に押し倒される。
    目の前にいるのは、微塵も優しくなどない、ただ獲物を狙う獣。

    「言っただろう、足りぬと。─好きにするがいい」

    空気が変わったのを感じる。
    またあの時間が始まるのだ、とヴァルバトーゼはその高揚感にただ口角を上げた。

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    BLANK【5/24 キスを超える日】ほんのり執事閣下【524】



     かつてキスをせがまれたことがあった。驚くべきことに、吸血対象の人間の女からだ。勿論、そんなものに応えてやる義理はなかったが、その時の俺は気まぐれに問うたのだ。悪魔にそれを求めるにあたり、対価にお前は何を差し出すのだと。
     女は恍惚の表情で、「この身を」だの「あなたに快楽を」だのと宣った。この人間には畏れが足りぬと、胸元に下がる宝石の飾りで首を絞めたが尚も女は欲に滲んだ瞳で俺を見、苦しそうに笑っていた。女が気を失ったのを確認すると、今しがた吸った血を吐き出して、別の人間の血を求め街の闇夜に身を隠したのを良く覚えている。
     気持ちが悪い。そう、思っていたのだが。
     ──今ならあの濡れた瞳の意味がほんの少しは分かるような気がする。

    「閣下、私とのキスはそんなに退屈ですか」
    「すまん、少しばかり昔のことを思い出していた」
    「……そうですか」

     それ以上は聞きたくないと言うようにフェンリッヒの手が俺の口を塞ぐ。存外にごつく、大きい手だと思う。その指で確かめるよう唇をなぞり、そして再び俺に口付けた。ただ触れるだけのキスは不思議と心地が良かった。体液を交わすような魔力供給をし 749

    last_of_QED

    MOURNING世の中に執事閣下 フェンヴァル ディスガイアの二次創作が増えて欲しい。できればえっちなやつが増えて欲しい。よろしくお願いします。【それは躾か嗜みか】



    この飢えはなんだ、渇きはなんだ。
    どんな魔神を倒しても、どんな報酬を手にしても、何かが足りない。長らくそんな風に感じてきた。
    傭兵として魔界全土を彷徨ったのは、この途方も無い飢餓感を埋めてくれる何かを無意識に捜し求めていたためかもしれないと、今となっては思う。

    そんな記憶の残滓を振り払って、柔い肉に歯を立てる。食い千切って胃に収めることはなくとも、不思議と腹が膨れて行く。飲み込んだ訳でもないのに、聞こえる水音がこの喉を潤して行く。

    あの頃とは違う、確かに満たされて行く感覚にこれは現実だろうかと重い瞼を上げる。そこには俺に組み敷かれるあられもない姿の主人がいて、何処か安堵する。ああ、これは夢泡沫ではなかったと、その存在を確かめるように重ねた手を強く結んだ。

    「も……駄目だフェンリッヒ、おかしく、なる……」
    「ええ、おかしくなってください、閣下」

    甘く囁く低音に、ビクンと跳ねて主人は精を吐き出した。肩で息をするその人の唇は乾いている。乾きを舌で舐めてやり、そのまま噛み付くように唇を重ねた。
    吐精したばかりの下半身に再び指を這わせると、ただそれだけで熱っぽ 4007

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    DOODLEディスガイア4に今更ハマりました。フェンリッヒとヴァルバトーゼ閣下(フェンヴァル?執事閣下?界隈ではどう呼称しているのでしょうか)に気持ちが爆発したため、書き散らしました。【悪魔に愛はあるのか】


    口の中、歯の一本一本を舌でなぞる。舌と舌とを絡ませ、音を立てて吸ってやる。主人を、犯している?まさか。丁寧に、陶器に触れるようぬるり舌を這わせてゆく。舌先が鋭い犬歯にあたり、吸血鬼たる証に触れたようにも思えたが、この牙が人間の血を吸うことはもうないのだろう。その悲しいまでに頑なな意思が自分には変えようのないものだと思うと、歯痒く、虚しかった。

    律儀に瞼を閉じ口付けを受け入れているのは、我が主人、ヴァルバトーゼ様。暴君の名を魔界中に轟かせたそのお方だ。400年前の出来事をきっかけに魔力を失い姿形は少々退行してしまわれたが、誇り高い魂はあの頃のまま、その胸の杭のうちに秘められている。
    そんな主人と、執事として忠誠を誓った俺はいつからか、就寝前に「戯れ」るようになっていた。
    最初は眠る前の挨拶と称して手の甲に口付けを落とす程度のものであったはずだが、なし崩し的に唇と唇が触れ合うところまで漕ぎ着けた。そこまでは、我ながら惚れ惚れするほどのスピード感だったのだが。
    ……その「戯れ」がかれこれ幾月進展しないことには苦笑する他ない。月光の牙とまで呼ばれたこの俺が一体何を 3613

    last_of_QED

    DONEディスガイア4で悪魔一行が祈りに対して抵抗感を露わにしたのが好きでした。そんな彼らがもし次に祈るとしたら?を煮詰めた書き散らしです。【地獄の祈り子たち】



    人間界には祈る習慣があるという。どうしようもない時、どうすれば良いか分からぬ時。人は祈り、神に助けを乞うそうだ。実に愚かしいことだと思う。頭を垂れれば、手を伸ばせば、きっと苦しみから助け出してくれる、そんな甘い考えが人間共にはお似合いだ。
    此処は、魔界。魔神や邪神はいても救いの手を差し伸べる神はいない。そもそも祈る等という行為が悪魔には馴染まない。この暗く澱んだ場所で信じられるのは自分自身だけだと、長らくそう思ってきた。

    「お前には祈りと願いの違いが分かるか?」

    魔界全土でも最も過酷な環境を指す場所、地獄──罪を犯した人間たちがプリニーとして生まれ変わり、その罪を濯ぐために堕とされる地の底。魔の者すら好んで近付くことはないこのどん底で、吸血鬼は気まぐれに問うた。

    「お言葉ですが、閣下、突然いかがされましたか」

    また始まってしまった。そう思った。かすかに胃痛の予感がし、憂う。
    我が主人、ヴァルバトーゼ閣下は悪魔らしからぬ発言で事あるごとに俺を驚かせてきた。思えば、信頼、絆、仲間……悪魔の常識を逸した言葉の数々をこの人は進んで発してきたものだ。 5897