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    まどろみ

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    まどろみ

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    オマケが書きたかっただけの小話

    #七灰

    求婚「おうじさま、あたしがおよめさんになってあげる」
    とある片田舎の任務終わり。近隣住民と話していると女の子が七海に話しかけてきた。
    「おや、このお兄さんが気に入ったのかな?」
    「うん、だからあたしがおよめさんになってあげる」
    「おませだねー」
    自信満々に話す女の子を周囲は微笑ましく見守っている。声をかけられた七海はというと、眉間に皺を寄せながら膝を折り彼女に目線を合わせた。
    「申し訳ありませんが、私はあなたをお嫁さんにはできません」
    「なんで?あたしがいいっていってるのよ?」
    「私がダメだと言ってるからです」
    「なんでダメなの?」
    「ダメなものはダメです」
    「ダメじゃない!」

    ***

    「いやー、七海も子供には弱いよね」
    結局、女の子の両親が止めに入るまで押し問答は続き、七海は任務とは別の意味で疲弊していた。
    「まったく…他人事だと思って…」
    「嘘でもいいよって言わないのは七海の良い所だと思うよ」
    「守れない約束はしない主義だからな。下手に許諾の言葉を口にすれば縛りになりかねない」
    灰原も気をつけろよと軽く睨まれ、はーいと気楽に返事をした。
    「まったく、わかってるんだかわかってないんだか…」
    ぼやきながら歩く七海の背中を見ながらふとある考えが浮かぶ。
    (七海は、僕をずっと側に置いてくれる?って聞いたら、いいよって言ってくれるかな?)
    ダメだろうな、とすぐに結論をだし、目の前の背中を追い越した。

    ***

    (あの時、側に置いて、なんて言わなくてよかったな)
    上半身だけになった自分の身体。意識が保てるのもあと数秒だろう。そんな自身を抱えて走る同級生に思いを馳せた。
    (守れない約束はしない主義だからね)
    でも、死後というのがあるのなら。その時は側にいさせてと目を閉じた。

    ***

    灰原が求婚された場合

    「おにいさん、あたしをおよめさんにしてください」
    「わー、あり「お兄さんは私のお嫁さんになるのでダメです」
    「えー!やだー!あたしがおよめさんになるの!」
    「お兄さんはあげません!」
    「びぇー!」
    「七海!女の子泣かせちゃダメだよ!」
    「謝りませんよ」
    「びぇー!」
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    まどろみ

    TRAINING七灰♀。バレンタインデーとホワイトデーの続き。ほのぼの
    可愛い君がいっぱい見たい単独任務が終わり、次の任務に行く補助監督を見送り徒歩で帰宅する。その道中で女性物の服屋にある一つのマネキンに目が止まった。正確にはマネキンが着ている服に。白のブラウスにカーディガン、ロングスカートとショートブーツという春らしい装いだ。
    (これなら灰原も着てくれるだろうか)
    頭に思い浮かべるのは愛しい恋人の姿。彼女の名前は灰原雄、高専の同級生だ。付き合いだして半年経つが七海には悩みがあった。等級違いの任務で負傷して以降、彼女が男物の服しか着ないのだ。それまで制服は通常の上着とカスタムのキュロットを着用していたのに、復帰時には上着は短ランに、キュロットは男子と同じズボンに変わっていた。私服も今までは可愛らしいものが多かったのに、最近はパーカーとジーンズのようなシンプルな装いばかりになっていた。それが彼女の好みなら文句は言わない。しかし、一緒に出かける時に同性に羨望の眼差しを向けていることを七海は知っている。だからこそやるせなかった。一度「前みたいに可愛い服は着ないのか?」と聞いてみた結果「可愛い服の似合う女の子と付き合えば?」と返され大喧嘩に発展してしまったので以降服装の話題は出さない様にしている。格好いい彼女ももちろん素敵だが、それ以上にいろんな姿の彼女が見たいというのが本音だった。
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