(一応)あーるっ!「七海、これ受け取って欲しいんだけど…」
「雄…」
恋人が上目遣いで渡してきたのはハートのシールが張られた封筒。今月三枚目のそれにあからさまにため息をついた。
「いい加減、身元のわからない人間からのラブレーターを渡す仲介役になるのは止めてくれないか!?」
悲鳴に近い叫びが教室中に響いた。
***
「身元…って、三組の鈴木さんって言ってたけど」
「人物詳細を聞きたかったわけじゃ…って同じクラスなら何故直接来ない!?しかも私のクラスに鈴木さんは男一人しかいないぞ!?」
あまり接点がなくてもクラスメイトの顔と名前くらいは把握している。鈴木さん(くん)はゴリゴリのラグビー部員だ。
「…言われてみれば、僕より体格良くてスカートの下にズボンを履いていたような…?」
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