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    かがり

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    かがり

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    れめさめ。大正風・妖怪ミステリ風味パロ。
    大正時代に似た雰囲気の架空都市・帝都で妖怪関連のいざこざを解決する軍組織・特務課に所属する憲兵れめと軍医さめさんの物語。

    #ジャンケットバン腐
    junketVanRot
    #れめさめ
    chinkInOnesArmor

    パロ設定れめさめ。出会い(深夜の神社、妖の往診後)「やぁ、良い夜だな、軍人さん」
    見回りに来た憲兵か。村雨はそう判断して極力不自然にならないよう話しかけた。
    「よぉ、良い夜だな、書生くん」
    青年はそう言って、村雨の方に歩いていった。
    「何をしていた?」
    「……いや、桜が綺麗だったもので、遠回りして花見に」
    「……でかい医者鞄を担いで、か?」
    軍人の青年がくくっと声を落として俯いて笑う。
    「……見習いでね。先生の所に、勉強をしに行ってその帰りだ」
    「ふーん……」
    話術なら村雨の方が一枚上だ、と思っていた。だが、青年は急に村雨の顔を見て、こんなことを言った。
    「猫のしっぽは治してやったのかい、お医者様?」
    「!!」
    「おっと図星って顔だ。そうか。今日はここに集まっていたか。惜しかったなぁ……もう少し早ければ、殺せてたのに」
    「……そんな殺気を丸出しにしていれば逃げるのは当たり前だ、マヌケ」
    ……前言撤回。この男、そこそこ頭も口も回る上に妖が見えているようだ。故に、危険。
    村雨は隠すことをやめ、どうして男がこんなことをしているのか、僅かだが興味が湧いた。
    「どうして妖を斬ってまわる? 彼らは私たちの隣人だろう」
    「どうしてだって?」
    くすくすくす。青年が笑う。
    「お前こそどうしてあんな奴らのこと、隣人だなんて言える?」
    「彼らも、人間と変わらないからだ。それぞれの生活があって、それぞれの人生がある。この世に代わりが二つとしてない、大切な命だ。病が、怪我があるならそれが人間だろうと妖だろうと、治す。それが、私だ」
    青年は、村雨の主張を鼻で笑った。
    「あいつらこそが元凶だ。祟りを起こし障りを起こし、呪いを残す。百害あって一理もなしの、危険な存在だ。事件があるなら、人間だろうと妖だろうと、斬る。それが、オレだ」
    「……どうやら、どこまでも相容れはしないようだな」
    かと言ってここでこの軍人に真っ向から勝負を仕掛けにいって勝負にならないことは村雨は自分でよーく分かっている。自分が一般的な成人男性より非力なのは認めるしかない事実だ。
    (……去るか)
    「……二度と会わないことを願うな。……失礼する」

    「おっと」

    ぱしん。
    腕を掴まれて村雨は体が引かれる。
    「……まだ何か?」
    そう言って、苦々しく睨む。青年は面白いものを見ているといった表情を崩さないままで、こんなことを言った。
    「妖に肩入れする危険人物。思想犯の疑いもあるなぁ! うんうん」
    「な!?」
    「さあ楽しい取り調べといこうか?」
    「……遠慮する!!」
    村雨が振り払おうとするのと、ぱしっ……足払いをかけられたのは同時だった。
    「……!!」
    どすん、と後ろ向きに倒されて、ぎゅっと衝撃に目を閉じる。頭を石の床に打ち付けられそうになる一瞬、喉元の襟を引かれ、着物ごと体を浮かされて掴まれてた襟はそのままに、上体を相手の肘が中空で押さえつけていた。武術の一種か。村雨は目を開き真正面の青年のにやにや笑顔を睨む。
    「……動くなよ」
    「……離せ」
    「そう言うなよ思想犯。オレはお前の言い分に興味が湧いた。もう少し話そうぜ」
    「そうは言ってもな暴力憲兵。私はあなたに微塵も興味は無い。今すぐ離せ」
    がしゃん。
    一歩遅れて手から離れた医者鞄が床に落ちる。中身が割れてないといいのだが。そんなことを思う程度には余裕なのか。どこをどう見ても危機なのに。頭のどこかで村雨はそんなことを思う。
    「……名前は?」
    「……黙秘する」
    「……所属は?」
    その問いに村雨の目が僅かに見開かれる。青年は、満足そうに八重歯をのぞかせて、笑った。
    「はは、顔が歪んだな、また図星だ。妖を治療する専門技術なんてもの、この帝都では特務課(うち)しか所持してないもんなー♪ 民間で技術を保有している「ウヰッチ・ドクタァ」なんて、神職か、80越えの爺さんばっかりだ。あんた神職には見えないし、特務課の「医者」なんだろう? もう一度訊くぞ。『名前は?』」
    「……所属は」
    「質問を質問で返すのは本来禁止だが、答えてやるよ。護衛部所属・叶黎明」
    「……医局・外科専門。……村雨礼二」
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