えっ!?銀行のペナルティーで獅子神さんがエロマンガみたいな言葉しか話せなくなっちゃったって!?「銀行のペナルティーで獅子神さんがエロマンガみたいな言葉しか話せなくなっちゃったって!? 心配になって来ちゃった!」
足音荒く現れた真経津の態度は、言葉に反し明らかに嬉々としていた。
日当たりの良い村雨宅に並ぶ椅子は、集う者に比例して増えていた。はじめは二脚だった椅子が三脚、四脚と増え──……このような豪邸を建てながらも、人を呼ぶ気は当初なかったに違いない。気の置けない人間が増えたこと、まさに村雨邸は彼の内面そのものだった。
ペナルティを受ければまずは村雨邸へ。身近に、それもギャンブラーとして理解のある医師がいるのは極めて都合がよかった。小言を垂れながらも「次は事前に連絡してから来い。準備がある」と言う、懐に入った人間限定の面倒見の良さを村雨は持ち合わせていた。
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