双子の親「これは……。夢じゃなかった、ということか……?」
何もなかったはずの手の中、いつの間にか握っていたソレを目にして思わず口元を覆ってしまった。
夢の中,俺は見たこともない巨大な大木の根に囲まれた場所に立っていた。
ただすべてが曖昧でぼんやりしているのは何故なのか。
『『瑠璃』』
「ルチル!!アイリス!!」
届いた双子の声。
振り返れば突如行方知れずとなり俺だけでなく皆がずっと探していた双子だった。
ただし,その姿は透けておりまるで陽炎の如くゆらゆら揺れていた。
「お前たち、今どこに……」
『ごめんね瑠璃。説明してあげたいけど今は時間がないの』
『一方的で悪いけど,瑠璃にしか頼めないんだ』
何かを必死で訴えようとしている双子。
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