ALL 単発ネタ 二次創作 龍のうたった祭り歌 詩作 よーでるDOODLEジャンル指定は偏愛モノ。お題から逆算したらホラーっぽくなっちゃった。ジャンルを念頭に置かないとダメだなー。「湖」「砂時計」「壊れた剣」 昔々、まだ海が世界の境だった頃。世界の表と裏が容易く繋がり、国が一夜で滅びた頃。 木々が青々と茂り獣たちがひっそりに暮らす山の奥に、澄んだ静かな湖がありました。 その湖に、魚は住んでいませんでした。藻は一欠片もなく、湧く虫もなく、近寄る獣がいないどころか、降る雨も吹く風も水面を避けるせいで波一つ立たない、そんな湖でした。 何しろとても澄んでいるものですから、湖の底まで見通せるはずなのですが、いくら覗き込んでも果てはなく、いつしかそこは「空の穴」と呼ばれるようになりました。 さて、獣も虫も雨も風さえ寄り付かない場所に近づくのは人間だけです。さすがに気軽に立ち寄れはしませんが、世界で最も清らかに星空を映す湖は、旅人のひそかな憧れの地でした。 2946 よーでるDOODLEジャンル指定はラブコメ。王道にしました。バカが脇役になってくれなかったのが心残り。「音」「破壊」「バカな脇役」 寄ってらっしゃい見てらっしゃい! このでっかいトランペットは「ミカエル8号」。鳴らせば音の爆弾が辺り一帯を跡形もなく…… あああああミカエル8号ぉぉ!! ちょっと博士! なんで壊すんですか! せっかくの発明品を! いい値段で売れそうだったのに! え? 破壊兵器を作りたいわけじゃない? 知ってますけど、できちゃったもんは売ったほうが合理的じゃないです? 自分の発明品が人殺しに使われるのは耐えられないって……繊細だなぁ。 はいはい、わかりましたよ。それで何作りたかったんです? 他人の愛の告白を邪魔する装置? ……あの、それも中々邪悪じゃないですか? うちの博士がすみませんねぇまったく。はい、長年のライバルが先に独り身卒業するのを邪魔したいみたいで。 669 よーでるDOODLEジャンル指定は大衆小説。馬鹿馬鹿しさに全振りしました。「人間」「十字架」「荒ぶる高校」 どうも初めましてこんにちは! 僕は△○■※Ω! 偽名だけどね! 吸血鬼です! いやラノベの話じゃなくて。え? この制服? うん、この高校に通ってるからね。いや厨二病じゃなくて。うんマジの話。 この学校はね、僕が創ったんだよ。ほら、初代理事長の写真。あれが僕。変装してるけどね。表向きは僕のひいお祖父様ってことになってる。 ほら、学校って閉鎖環境だから、大人の見えないところで問題が起きたり進んだりしてることがあるだろう? だからこうして生徒に混じって観察することにしてるんだ。数年置きにだけどね。 おっと、危ない。え? 今の? 野球ボールだけど。うん、生徒が投げた……あー、またガラス割れてる。 ……はい、荒れてます。問題多発で観察どころじゃないです。しょうがないでしょ最近SNSやらなにやらで紛れ込むの難しいんだよ! これお前の兄貴? とか昔の自分の写真見せられたりするし! それでほとぼり冷めるまで旅行してて帰ってきたらこうなってたの! 吸血鬼は万能じゃありません! 1385 よーでるDOODLEジャンル指定は偏愛モノ。今回は真っ当だな!散文詩になりました。「台風」「扉」「燃える関係」 嵐が来たわ。扉を閉めたの。ええ、ふたりきりね。あなたとわたし、ただそれだけ。ああ、雨音がうるさいわ。風が雨戸を叩いてる。見て、雷だけがわたしたちの明かり。それでいいの。 ええ、世界にあなたとわたし、ふたりきり。それでよかったの。これがいいの。これだけで、わたし満足なの。どうして、ただそれだけのことが叶わなかったのかしら? 嵐が来たの。あなたが他の人と笑い合うたび。私は走り去って扉を閉めたわ。だって、雨音がうるさくて。雷が眩しいの。目を開けてられない。風が。わたしを叩くの。耐えられない。 どうして、世界にあなたとわたし、ふたりきりじゃなかったの? そうじゃないと耐えられない。あなたがわたしに笑いかけてくれたなら。それだけで良かったのに。 719 よーでるDOODLEジャンル指定はなし。そういうのもあるのか…手癖でもうちょい続けそうになったけどここでスパッと切ったほうが良さげだったので終わらせた。書きたいことを書かず匂わせるのも大事!「林」「アルバム」「正義の脇役」 アルバムにある林間学校での写真の隅に、目立たない子が写っている。 友達ではなかった。名前も思い出せない。写真を見て、ああこんな子いたなと思い出す。その程度の関係だった。 好きでも嫌いでもないというのは簡単だが、正直に無関心だったと言ったほうがまだしも誠実だろう。その子がどんな子だったのか、わたしは知らない。体育は苦手だったように思う。勉強はどうだったろうか。美術は? 音楽は? 何が好きで、嫌いだったのか。何も覚えていない。 ひとつだけ、覚えていることがある。林間学校で川を渡るとき、わたしはキーホルダーにつけていた布製の飾りを泥に落として汚してしまった。当時好きだった漫画のキャラクターのグッズで、友達には笑って誤魔化したけど、内心ひどく落ち込んだのを覚えている。 603 よーでるDOODLEジャンル指定は「邪道ファンタジー」……またですか!?あんまり被るならもうちょい参照先バラけさせないとかな。そしてあんまり邪道にならなかった。ラブコメかな…「影」「プレステ」「穏やかな廃人」 これ? PlayStation。ゲーム機だよ、ゲーム機。え? そりゃ古いよ、無印だもん。うるさいな、しょうがないでしょ、アーカイブ化されてないのたくさんあるの! 夢だったの! いいでしょいっぱいさせてよ! 全く。何? あー、これはスーファミが初出のやつでぇ。そうだよ、これはアーカイブ化されてる。だぁーPS移植版にしかないボイスがあんの! ちゃんと調べてます! 集中させて! はぁー。何? 集中させたら300時間くらい放っとかれる? え、いやそんなには……えぇー1周72時間として、エンディング制覇しようと思ったら、あ、ほんとだそんくらいかかるわ。しょーがないでしょ昔のRPGは長いの! 言っとくけどストーリーがあるぶんまだマシだからな! ゲームシステムで遊ばせるタイプのやつはマジ果てしないからな! 素材集めで3000時間は余裕…… 961 よーでるDOODLEジャンル指定は悲恋……どうしろと。と思いながら書きました。「宇宙」「テント」「輝く大学」 この大学は宇宙についての学問に力を入れています。天体学を始めとして、栄養学(宇宙食開発)、工学(ロケット等開発)、心理学(閉鎖環境での心理的負荷について)、etc etc、クラブ対抗運動会で無重力ルーム使った宇宙遊泳を種目に取り入れるほどのガチっぷりです。 ちょっとやりすぎ? ま、そんだけ万事が万事宇宙に根差してる宇宙馬鹿の集まりってことです。わたし? わたしは……ちょっと毛色が違いまして。それで郊外の林にテントを建てて、ひとりでお茶を飲んでるってわけです。 うーん、説明が難しいなぁ。わたしはですね、そのー、好きな人に会いたくてこの大学に来たんですよ。いやいや違います。ここの大学生じゃないです。教授でもないです。事務員さんでも用務員さんでもない! 違います! 1870 よーでるDOODLEジャンル指定は「邪道ファンタジー」。子どもと誰かの長距離通話。あんまり邪道じゃなくなった気がする。「川」「ことわざ」「家の中の小学校」 僕の家には学校がある。自慢じゃないけど(偉いのは僕じゃなくてご先祖様だし)僕の家は広い。大豪邸だ。庭には山があって、そこから流れる川が館と離れの間を横断しながら村中を潤している。 え? ああ、ここは都会じゃない。田舎の、えーと、カントリーハウス。貴族が休暇を過ごすお屋敷だって。子どもが自然と触れ合うのはいいことだって、僕は生まれてからずっとこの村で過ごしてる。もう少し大きくなったら都会の学校に魔法を習いに行かされるらしいけど、正直憂鬱。あっちには友達いないからね。 え? 都会でも友達作ればいいって? いやあ、だって都会ってアレでしょ? 自然なくて石畳ばっかりで、魔法汚染で川も汚れてるし、山は均されてるんでしょ? それじゃあ河童はいないじゃない。 1315 よーでるDOODLE練習に三題噺。そろそろ縛り増やそうとジャンル指定のやつ回したらラブコメ……この組み合わせだとブリュンヒルデとジークフリートっぽいんだけどラブコメ……らぶこめ……なんかストーカー×2になった。「火」「プロポーズ」「いてつくかけら」「この火を越えた者だけがわたくしと結婚できます」 「いや無理では?」 開幕一秒で物語は終わりました。いえ始まりました。 燃え盛る炎の壁を前にその美貌を輝かせる姫君に、炎に隔たれた求婚者の男は未練がましく叫びます。 「この勇士の国でも並ぶ者なく勇ましき氷姫よ、強く賢く輝かしき方よ、どうかあなたの美徳に慈悲を混ぜていただきたい。あなたの前に跪く栄誉をわたしにください」 「嫌です」 にべもありませんでした。これで無表情ならまだ慈しみが芽生える気配を期待できたかもしれませんが、氷姫は満面の笑顔でした。眼差しは冷たいどころか慈愛に蕩けています。雪解けどころか春満開です。 「わたくし、強く勇ましく健気な殿方が無理難題に悶える様が好きですの。ですから早く、火に巻かれて苦しんでください。できないならお帰りになって?」 2634 よーでるDOODLE練習というか習慣づけに三題噺。あなたの望む商品(もの)をお売りいたします。代わりに、こちらの望む商品(あなた)になってください。デパート+メノウ+掻く お買い物お買い物。お買い物をしに来たの。まずは瑪瑙。私は赤色のが好き。見て、綺麗な縞模様。今日はきっと良い日になるわ。 次はお化粧。マニキュアはね、まず透明なジェルを爪に塗って、それから色を乗せるの。私はいくつも重ねるのが好き。見て、草の緑の向こうに星空が透けて、綺麗でしょう? ドレスよドレス。大胆な黒いブラウスを、清楚なスカートで隠して、華やかなコートで際立たせるの。楽しい楽しい、楽しいわ。 ええそうよ、お顔もいっしょ。化粧水で肌を潤して、色粉をはたいて、その上に筆で顔を描くの。これなんてどうかしら。派手すぎる? ふふ、肌に乗せると意外と目立たないのよ。 あら痒いわ。虫刺されかしら。嫌だわ。爪を伸ばしすぎたかしら。色粉を掻いてしまったわ。ごめんください、塗り薬をいただける? 虫に刺されてしまって…… 804 よーでるDOODLE練習に三題噺。まず定式幕ってなに?からだったよ。はい、歌舞伎のアレのことね。幕開け幕引きという解釈をしてみたけどお話の枠をお題で作ったせいで中身に困ることになってしまった。定式幕+取捨選択+ルーズリーフ では始まり始まり。過去かいずこか定かでなく、遠く近くも見通せぬ、彼方此方の物語。 寂れた家の片隅に、母の骸より生まれた双子がおりました。どちらが兄でどちらが姉か、それを知る者も既になく、きょうだい仲睦まじく支えあって暮らしておりました。 けれどその年の冬は厳しく、生き延びれるのはひとりだけ。嘆き悲しみ身を裂かれるような心地なれど、片割れを生かすため、もう片方は食糧を置いて旅に出ることにしました。 どちらが旅立ったか? ええ、それは、 ----------------------------- 旅立った片割れは、灰色の雲の下、荒涼とした道を延々と歩いておりました。 草木も枯れ果て野鼠すら見当たらず、野盗さえ野垂れ死ぬありさまのおかげで却って安全な、淡々とした死出の道でございました。 1401 よーでるDOODLE文章練習に三題囃。刑事さんとお話しているのかもしれない感じ。信号待ち+ピクニック+黒幕 ピクニックへ出かけましょう。赤信号で渡ってはいけません。黄色信号も止まりましょう。青信号で渡りましょう。 こんにちは、初めまして。今日は車が多いですね。行楽日和だからでしょうか。みんな浮かれて可愛いですね。 ああ、あちら。花が供えてありますね。この間事故があったそうで。可愛そう。可愛そう。 ええ、ええ、見てましたよ。可愛らしい人でしたね。パッと繋いだ手を離して。いつまでも泣きじゃくっていました。 え? ええ。お話しましたよ。こんにちは、いい天気ですね。ええ、大した話はしていません。今日も車がたくさんですね。赤信号で渡ってはいけません。ええ、それだけです。 ほら、大人に言われたことには逆らいたくなる年頃ですから。ええ、可愛い人でしたよ。目の下に隈があって、今にも泣き出しそうで。苦労してるんだなって、ひと目でわかりました。 591 よーでるDOODLE猿の手+聖人の遺骸の部位いっぱい+龍の体をもいで雨乞いをした民話モチーフ。□にあらず 昔々、あるところに■■という※の子がいました。 ■■は神様でした。いえ、本当に。だって人の願いを叶える力があったんですから。そんなのきっと、神様でしょう? ■■は優しくて気前が良い※だったので、景気良くみんなの願いを叶えてやりました。 「神様神様、どうか雨を降らせてください」「はいどうぞ」 「神様神様、どうかこの子の病を癒してください」「よしきた」 「神様神様、どうか憎いあいつを殺してください」「これでいい?」 願いを叶えるには供物を捧げねばなりません。いえ捧げるのは■■の仕事です。■■が体の一部を大地に捧げれば、大地が願いを叶えてくれるのです。 いつからそうだったかはわかりません。生まれたときから? それともその前から? 覚えていません。わかりません。今日も一房、■■は髪を大地に捧げます。 887 12