誰が為の記録今よりずっと遥か昔
其の目に映る全ての事を
書に綴った人がいる
好きなもの
嫌いなもの
身の回りで起きた出来事
パソコンにスマホ
カメラがない時代ですら
そうして人間は記録した
其れは何のため?
機材が無ければ紙とインクを
それも無ければ壁を傷つけ
それすら無ければ己の肉を裂いて
人間は記録を続ける
人間が人間である限り
どこかにそれを残していく
人間は記録を続ける
脳が覚える限界を超えても
残したいものがある
其れは何のため?
そうして出来たものを
自分で見返したり
誰かに見せて反応を待つ
そんな人間の仕草は
とうの昔に知っている
始めたのはこちらが先だから
だから同じことをやった
そして飽きることはなく
記録したいものを探し始めた
其れは何のため?
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