対岸の、その先に進むには。六龍の加護をすべて集めて辿り着いた神の庭には、未知の施設がそびえ立っていた。
蛇骨館と比べ物にならないほど巨大な建造物の中には、自律して動く鉄の塊——機械が多数配置されており、行く手を阻んだ。
直立歩行型の機械から、エレメントとも違う高密度のビームが放たれる。すかさず避けようとするもかわしきれず、セルジュの頬を掠める。
「……っ!」
赤い鮮血が、空中に舞う。
ひるんで、セルジュが床に転がる。
ほんの一瞬のことなのに、セルジュの表情が苦痛に歪むのも、スワローを抱えながら後ろに倒れるのも、ひどくスローモーションに、かつ鮮明に見えた。
「てめえ……っ!」
やめろ。
傷つけるな。
指一本さえ、触れることは許さない。
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