リ主一話途中まで一
青空の下、リトの村へと続く街道を荷馬車が一台進んでいる。
がらがらと荷馬車の車輪が回るのに合いの手を入れるように、ぽくぽくと馬の蹄が地面を蹴った。ときおり鳥のコーラスや、風の唸り声も彩に添えて、旅人と荷物を乗せた行商の馬車はにぎやかに、街道をたどっていく。
ハイラル北西部に広がる大雪原を抜け、ヘブラ山脈と大渓谷の間をはしるその街道は、北部の寒さに晒されつつも、基本的には好天に恵まれ、かつ平坦な道が続くことで知られている。そのため、ハイラル王国の心臓部であるハイラル城からリトの村を目的地とする者の多くは、南のタバンタ渓谷を踏破するよりも、なんとか雪原経由でこちらの街道を使う経路を取るものが多い。
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