変化 「アイク!俺野菜やだってば!」
ルカは、アイクが夕食用にと買ってきた弁当を見てそう叫んだ。
「そう言っても出来合いのものなんだから野菜が入っているのは仕方がないでしょ?いつも言ってるけど野菜は食べたくなかったら食べなくていいから」
アイクはルカの野菜嫌いをもちろん知っているし、こう言われることもわかっていた。けれど、アイクには出版社で行われた打ち合わせがいつも以上に長引くことも、夕飯を買って帰ろうと立ち寄ったルカのお気に入りの弁当屋に野菜だらけの弁当しか残っていないことも想定外だったのだ。そしてアイクは想定以上に伸びた打ち合わせで心も体も疲弊していたので他の店を探して買いに行くことができなかった。
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