akaminikyu
TIRED創作BL「つゆしらず」ワンライかなんかで書いたやつ「ほら、辿兄ぃ、起きて!」
「んー……」
ジリリリリと目覚ましが鳴る。けれど、その音は俺にとってはただのBGMで。おそらく数分間鳴り続けていたであろうそれに焦れて、俺の耳元で奏太が叫んだ。
「……おはよ」
「おはようじゃないよ、もう何時だと思ってんだよ。スヌーズ何回かけりゃ気がすむの」
「まじか」
「マジだって。はよ支度して出社しなよ」
「うー……」
「うー、じゃない!」
布団をひっぺがされても、うううう、と唸っていたら、ドンっと体重が乗っかってきた。
「おもっ!」
「はよしろ!」
「ぅえーい……」
「ったく、こんなんでよくサラリーマンやってられんなぁ」
「寝起きがダメなんだよ、俺、低血圧」
「知ってるよ」
そんな会話をしながら、少しずつ目を覚ましていく。時計の針を見て、やべ、マジでやべえわ、と一気に覚醒した。バタバタと洗面所に入り、トイレに入り、キッチンへ出ると、奏太が呆れた顔をしながらカウンターテーブルの上を指す。
「はい」
「っ、サンキュ!」
いただきます、と慌てて座って、焼かれているトーストと卵を頬張った。
「うま」
「それは何より」
俺とは違い、ゆったりとしている奏 5629