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    kanamochiko

    TIRED【声が聞こえる】
    現代AU竜仁
    ※土地情報分からないのでフィクションだよ
    竜三という男は実に心根の優しい男だ。みてくれこそ粗暴で人を剣呑な気持ちにさせるところがあるが、実際に関わっているとそうでもないことに誰もが気づく。その言動は不器用だが人の機敏に聡く気遣いができるし、子供や動物、お年寄りにも優しい。
    一度その人となりに触れれば自然と皆竜三のことを信頼する。何よりその隣にいることがとても俺を安心させた。

    「仁……?」
    「ああ、悪い」

    知らぬ間に物思いに耽ってしまい、竜三が話しかけていることに気が付かなかった。一言謝ると、「大丈夫か?」と聞かれる。
    竜三はこういうことに腹を立てたりはしないのだ。昔から俺は興味のあること、思いついたことに夢中になって周りが見えなくなる節がある。そんな俺に飽きもせずついてまわり、見守ってくれていたことを思うと、こいつの懐の深さが伺えるというものだ。
    「あ、竜三。コンビニに寄ろう、新商品があったはずだ」
    休日デートの帰り道、道すがらに見かけたコンビニに寄ることを提案する。手元のスーパーの袋をちらと確認しつつも、竜三は返事も聞かず先走る俺の後をついて来てくれた。

    僅かに増えた荷物を手に帰宅する。
    明日は日曜日。特に何をして過ご 2969