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    mkm_ao

    MENU🍳「おまえとふたりで朝食を」A5/30ページ 2022/3/27発行
    掌編連作ごはん本。
    9話後、南城が桜屋敷邸に泊まり込みで薫の日常生活を手伝っている設定。
    両片想い→告白&両想いに至るまで。

    自家通販 https://mkmatome.booth.pm/items/3705681
    おまえとふたりで朝食を憂愁のカルボナーラ「来週には脚のギプスが外れることになった」
    「おお、よかったじゃねぇか」
     ランチ営業が終わるタイミングでシア・ラ・ルーチェに立ち寄った薫が診察の結果を告げると、虎次郎は破顔した。
    「リハビリは必要だがな」
     もう、おまえの手を借りずとも生活に支障はない——そう伝えれば、今度は眉間にシワを刻む。
    「うれしくないのか?」
     薫の指摘に虎次郎は「あ〜……」と相槌ともつかない声を漏らして厨房へと入り、「パスタでいいかぁ?」と間延びした口調で訊いてきた。
    「任せる」
     愛抱夢にボードで殴打されて負傷したあと、薫は一時的に実家に戻るか、手伝いを雇って自宅での生活を続けるかの選択を迫られた。そこへ「俺が手伝うよ」と虎次郎が名乗りを上げたのだ。確かに虎次郎ならば、薫を抱き上げて介助できる腕力があるし、気心も知れている。何より、美味い飯にありつけることが約束されているではないか。薫に否やはなかった。
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    32honeymoon

    MENUジューンブライド小説、後編。
    初夜後から式を挙げるまでの話になります。
    直接的な描写はありませんが、凛子と恵梨佳、エドとデイルが恋仲のように書かれる部分があります。また、デイルの性格(セリフ)にある程度の捏造がありますのでその辺注意。
    雨が連れてきたはじまり<後編>新たなる決意、そして始まり【第四夜◇◆◇ 重(かさね)】

    「ん・・・・・」
    優しい重みで暁人は目を覚ました。身じろぎしてほんの少しだけ重いまぶたをひらけば、目の前に裸のまま自分を抱きしめて眠るKKの姿がある。
    途端に昨日のことを思い出して、暁人は思わずもう一度ぎゅっと眼を閉じた。

    (・・・・あんなの反則だろ・・・!)

    昨晩ーいや正確にはつい先刻まで。散々啼かされて喘がされて、身体の奥の奥まで何度も穿たれて。
    思い出せばそれだけで、また身体が反応してしまう。待って待って待ち焦がれて、やっと得たものは、愛されているという実感そのもので、そして何よりも。

    (・・・こんなに、気持ちいいなんて)

    ほう、と思わず吐息が漏れる。本当なら昨日はまずは「お試し」であって、またこれから少しづつ何度も身体を重ねて気持ち良くなって行ければいい、なんて思っていたし、そうKKにも言われていたから安心していたのに。
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    32honeymoon

    MENU◇フォロワーさんのイラストに文章つけてみったー◆
    大変遅くなりました&あまりにも長くなってしまったので3編に分けてお出しします。
    ぽすわい様のジューンブライドイラストにどうしても物語をつけたくて書かせていただきました!
    ・便宜上全7パートに分かれています。今回は前章~プロポーズまで。
    ・プロポーズ~初夜まではR18となりますので別途パス付で上げます。
     皆様のお気に召しますと幸いですm(__)m
    雨が連れてきたはじまり<前編>別れと復活、そして再開「・・・ありがとうーおやすみ、KK」
    そう言って別れを告げたあの日。
    そういえばあの日も、あれから雨が降り始めて。まるで別れの涙のようだなんて思ったことを、覚えている。


    【覚醒前夜ー夜明けの手紙】

    これは、僕の罪の記憶。
    もう二度と同じことを繰り返さないために、ここに書き残しておくことにする。


    ーあの夜、KKはたしかに僕のなかから姿を消した。黒い靄が霧散するように消えて、僕の右の手のひらについた傷は何事もなく消えてなくなって。
    それくらい遺してくれたってかまわないと思っていた。だって、KKを思い出せる何もかもが消えてなくなってしまったような気がしたから。
    それでももう、きっと二度と逢えないのだと。そう覚悟は決めていたし、
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