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    いたる

    paferatte_

    PAST一番最初に書いたルキノトをテスト用に再投稿です 愛していると伝えれば

    出会って暫くは無反応だった。何も映さない瞳でただ一言、そうですか、と言う日もあったが、それだけだった。信じていなかったのか。興味がなかったのか。あるいは両方か。その時点では脈があるとは微塵も思っていなかったが、それでも心は惹かれ続けた。
    それから彼は目を逸らすようになった。表情筋は相変わらず死んでいたけれど。言葉も相変わらずつれなかったけれど。伝えた感情に何かの反応が返ってくる。それだけで飛び上がりそうなほど嬉しかったのを覚えている。
    ある日、揶揄わないでと言われた。揶揄ってなどいない。本気だと伝えた。君を愛しているのだと。彼は何度か瞬きをしてから俯くと、踵を返して逃げてしまった。去り際に見えた耳の赤さに、私も顔が熱くなってしまったのは仕方がないだろう。
    それからも少しずつ反応が増えていった。彼の心はおかしくなってしまったとか。彼の表情は偽物だらけだとか。そういった話を多々聞いていた事が信じられないくらい。ある時は頬を朱に染め。またある時は唇をきゅっと噛み。私の言葉に心を動かしてくれた。
    そうして今、目の前にいるノートン・キャンベルは。首まで真っ赤に染め 809

    kiko_611_ar

    MAIKINGペイタルリティー(←)マニュアルSS
    달자씨에게 번역 해주었다
    원문 밑에 올렸으니 모두 읽을 수 있다고 생각
    고마웠습니다
    想いを告げるつもりなんてなかった。それ以外にもやることは山積みだったし、なにより相手から同じ気持ちが返ってこないことなんて分かりきっていたから。あの人がたまに撫でる手はきまぐれで、とても軽かった。
    だから本当に事故だったんだ。

    「おれ、アンタのことすき。」
    酒場の喧騒に消えていたらよかったものを、それはしっかり相手に届いていたらしい。あの時、あの人はなんて言ったんだっけ。

    別に一緒に飲んでいたわけじゃない。日々の疲れが溜まりに溜まった週終わり。ハードな業務の締めについふらっと立ち寄ったバーで1人で潰れかけてた俺を、目ざとく見つけたらしいペイタルリティーが声をかけてきた。
    「おい新入り、飲みすぎだ。もう帰れ。」
    「おーおーお優しいこって。涙が出るね!」
    「面倒な酔い方だな。…おい、突っ伏すな!」
    思春期みたいに、話しかけてくれたのが嬉しいのに、つい跳ね除けてしまう。馬鹿みたいな話だ。勢いよく腕を枕に突っ伏す。早く帰ってくれと願いながら。顔を隠さないと赤くなったのがバレてしまいそうだった。
    それなのにこの人は平然と隣に座ってくる。酒だってあんまり飲まないくせに、座ったからには店に悪いと 2350

    のくたの諸々倉庫

    DONE等身大のしあわせを/鍾タル

    (いや起きてるけどね。ストレートに誘わないといけないかあ……ピュアすぎるよ先生……)とか思いつつ嬉しいタルはいます
    青空が夕闇への抵抗を弱め、舞台を夜に切り替える──そんな境目の時間が、思えば俺は好きなのだと思う。
    「公子殿、邪魔をするぞ」
     合鍵と上等な酒を手に、彼の住まいへと足を踏み入れた。璃月におけるその場所はどうやら、公子殿にとっては「帰る場所」というよりは「雨風をしのぎ眠る場所」という認識のようで──家具も生活感もろくにない室内、寝台に横たわる彼は微動だにしない。
    「……公子殿?」
     おかしい、なんの反応もない。彼の立場や職業上、来客が全て好意的なものでないことなど明らかで。それでもただこんこんと眠っている辺り、何かあったのだろうかと胸中が波立つ。
     慌ててその口元に手をかざせば、すうすうと規則正しい寝息を感じた。とりあえず生きていることは分かったが、それにしても不思議なほど、起きない。
    「……薬でも盛られたのか?」
     しかしその寝顔はひどく安らかで、年相応の幼さすら感じられる。これはただ、本当に寝入っているだけか……?
    「公子殿」
     試しにもう一度呼んで、滑らかな頬へと指を這わせた。んん、と少しだけ眉がひそめられるが、やはりそれ以上の反応はない。
    「……相手が俺でよかったな」
     ほんの小 898