Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    おんぼろ

    ru____mir

    DONEマレ監♂(監♂受けワンライ提出)
    突如飛ばされた異世界で、自分が何者でもなく、どこにも所属できないことに時折落ち込んでしまう監督生。ホリデーで故郷に帰っていたはずの🐉が酔っ払ってオンボロ寮を徘徊しているのを発見し、思わず声を掛けるが──
    ブロット このねじれた世界において、自分はインクの染みのような存在だ。汚れのない世界地図に、どこから来たのかも分からないインクがぽとりと落ちて、黒くにじむ。
     パーティーで人の輪に入れずに壁に張り付いているような男は「壁の染み」と呼ばれるが、全くもってその通りだと思う。どこにも誰にも属していなくて、学園の隅っこのオンボロい寮で一人(と一匹と数人のこの世ならざる者たちと)で暮らしている。グリムとゴーストたちがいるから、ひとりぼっちではないけれど、そういうことではなくて。
     自分はこの世界の異物なのだと、漠然と考えることがある。

     だからといって、気にかけてくれる人がいないわけではない。
     学園長はなんやかんや言いつつ生活費と居住地を支給して、僕に居場所を与えてくれている。魔獣であるグリムは僕と同様に、どこから来たのか分からない不思議な子で、僕を子分だとか言って仲間にしてくれる。都合のいいように使われる言葉でもあるけれど、この学園において僕たちは一蓮托生なのでお互い様ともいえる。エースとデュースはいい奴だったりいい奴じゃなかったり、でも小言を言いながらも支えてくれる優しい友達だ。出会いは最悪でも、今思えば彼らと出会えたことは僕にとってきっと幸運だった。
    2273