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    お蔵入り

    mia_amamiya

    MOURNING現パロで、兄は三十路過ぎ、弟は二十歳ぐらい。すでにお付き合い済み。
    杏千版ドロライのお題から着想を得たものの、お題に沿ってないことに気付きお蔵入りしたもの(そんなのばっかりですね)
    なので「遠くない未来に」とちょっと被る部分があります。
    あなたのとなり埋もれそうなほどの量の課題を抱え、パソコンのキーボードを黙々と叩く。
    定期試験を翌月に控え、四月五月と様子を見ていた教員達は、こぞって学生に負荷をかけてきた。最近は学内で誰と話していても「あの先生はヤバい」「課題提出締切が早すぎる」と教員達への恨みつらみがひとつやふたつ出てくる有様だ。
    かく言う千寿郎も、必修科目に加え、選択科目、さらには学芸員課程と、取っている単位数は周囲と比べて多めで、今日も深夜までこうして課題に取り組む羽目になっている。だが、こうして忙しい学生生活を送っていると、千寿郎はいつも兄の事を思い出す。千寿郎と同じ年の頃、兄は教職課程を取っていたし、バイトもして、友人達とも適度に遊んで、何より年の離れた弟との時間も極力確保してくれていた。あの頃、「もっとあにうえとあそびたい!」と我儘を言っていた自分のことが、今更ながら恥ずかしい。兄は忙しい日々の中で、最優先と言っていいほど、千寿郎との時間を大切にしていてくれていたことが、今になって漸く理解できたのだった。
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    夕映(ゆうえ)

    REHABILI去年末にリクエストをいただいたもの!です!
    クリスマスどころか正月も終わってバレンタインの季節になっちゃいました……。
    筆が遅い上に最近まともに文章書いてないからこれ以上こねくり回すとお蔵入りしそうだったので上げます。遅くなりましたが、リクエストありがとうございました!
    「賢者様って、顔に似合わずロマンチストだよね」
    「……それ、褒めてませんよね」
    「ふふ、どうだろうね?」
     街灯に背を預けたまま、オーエンは目を細めて言った。声色も、その仕草も、からかっているときのそれだ。
     けれど、そんな他愛のない戯れの時間が、案外嫌いではなかった。こんな風になるのは二人きりのときだけで、心を許されているような、そんな気持ちになるからだ。まして、二人きりでお忍びデートのようなことをしているのだから、自惚れではないと思いたくもなる。
    「それで、なんだっけ。プレゼントを持ってくるのが、サンタコロスで……」
    「サンタクロースですよ」
     オーエンは時々、自分に馴染みのない言葉をおぞましい単語に置き換えて言ってくることがある。本気で言っているのか、ふざけて言っているのかわからないけれど、楽しそうにしていることが多いから、きっと後者なのだろう。
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