さとり
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MAIKING妖怪のお医者さん楠石さんとサトリちゃんと蒼汰
傘が壊れた
傘自体はサトリの器用な指先で修理されてなんともないが、しかしこの傘は昔…それこそ妖怪専用のトレジャーハンターを興してから拾って、ながく使っていたもので、サトリいわく魂が宿りつつあるかもしれないというのだ。
おそらくながく使われていたのか、前の持ち主から愛情を注がれて魂が宿ったのだかと説明したサトリも妖怪であるから同族の気配を察知していち早く同族のいたんだからだをなおしてあげたらしい。
妖怪が同族を労る気持ちは人間が人間を労る気持ちとそう変わらない……
弱い妖怪のものだからとあまりよい顔はしないながらも黙って魂が宿りつつある傘を受けとる蒼汰の心中のあるところを推測して、つい細く吐息を洩れた。
いまの蒼汰は完全な調子ではないけれどサトリに敵意や距離を置こうともしていない日々の態度のように、魂が宿りつつある傘を蔑ろにはしないだろう……その証拠に、修理された傘はさっそく蒼汰の日傘代わりに開かれた。
406傘自体はサトリの器用な指先で修理されてなんともないが、しかしこの傘は昔…それこそ妖怪専用のトレジャーハンターを興してから拾って、ながく使っていたもので、サトリいわく魂が宿りつつあるかもしれないというのだ。
おそらくながく使われていたのか、前の持ち主から愛情を注がれて魂が宿ったのだかと説明したサトリも妖怪であるから同族の気配を察知していち早く同族のいたんだからだをなおしてあげたらしい。
妖怪が同族を労る気持ちは人間が人間を労る気持ちとそう変わらない……
弱い妖怪のものだからとあまりよい顔はしないながらも黙って魂が宿りつつある傘を受けとる蒼汰の心中のあるところを推測して、つい細く吐息を洩れた。
いまの蒼汰は完全な調子ではないけれどサトリに敵意や距離を置こうともしていない日々の態度のように、魂が宿りつつある傘を蔑ろにはしないだろう……その証拠に、修理された傘はさっそく蒼汰の日傘代わりに開かれた。
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TRAININGサトリがみた楠石(さとりの能力的な)サトリの双眸にはたまに、眼帯をつけスーツを着こなした楠石と、まだ眼帯をつけておらずシャツとダメージジーンズを着ている幼少期……まだ少年だった時代の姿がみえるときがあった。
眼帯で被われていない片目。肉のある腕。まだ頼りない四肢。
これはまだ楠石の心がみえない時にはなかった。
彼の弟が目が覚め、弟と接するときに心の隙間から垣間見える会話と…声に、正体を知った。
あれは楠石が蒼汰だった時代なのだと。
蒼汰だった時代の姿は彼の心そのものともいえた。
楠石千里の心がみえなかったのは少なからず眠っていた弟の存在がそうさせたのだと、そこで思い至って、たまらず彼の肉体ではない、手袋で覆われた手を握った。
サトリはまたみえた。眼帯をつけた楠石が目を細めて笑った姿と、その向こうに蒼汰だった彼の幼少期の姿が笑ったのが。
358眼帯で被われていない片目。肉のある腕。まだ頼りない四肢。
これはまだ楠石の心がみえない時にはなかった。
彼の弟が目が覚め、弟と接するときに心の隙間から垣間見える会話と…声に、正体を知った。
あれは楠石が蒼汰だった時代なのだと。
蒼汰だった時代の姿は彼の心そのものともいえた。
楠石千里の心がみえなかったのは少なからず眠っていた弟の存在がそうさせたのだと、そこで思い至って、たまらず彼の肉体ではない、手袋で覆われた手を握った。
サトリはまたみえた。眼帯をつけた楠石が目を細めて笑った姿と、その向こうに蒼汰だった彼の幼少期の姿が笑ったのが。
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SPUR ME妖怪のお医者さん 楠石とサトリほぼこんな感じの話をながながかきたいみたいなやつ
夏バテなんて蒼汰はまだ本調子でなくもとから弱い体にこの酷暑となれば油断するとすぐになってしまうものだが、サトリはまるでそれとは無縁とばかりに太陽の照りつけが酷かろうとより高い場所に登り作業していたから油断していた。
まさか夏バテとなるとは。
妙な戦隊もののパジャマ姿で湯だって頭を抱えている姿より、よほどサトリらしいのはアイスクリームやかき氷で痛めた頭を抱えている姿だろうに、このだるそうな姿は落ち着けない。
サトリらしい?
らしいと言い切れてしまうほどながく彼女を知っているのだとおもうと、寝転がっているサトリの額に氷嚢がいま自分にも必要になるほど顔が熱くなった。
終
285まさか夏バテとなるとは。
妙な戦隊もののパジャマ姿で湯だって頭を抱えている姿より、よほどサトリらしいのはアイスクリームやかき氷で痛めた頭を抱えている姿だろうに、このだるそうな姿は落ち着けない。
サトリらしい?
らしいと言い切れてしまうほどながく彼女を知っているのだとおもうと、寝転がっているサトリの額に氷嚢がいま自分にも必要になるほど顔が熱くなった。
終