世に男女の神在りて 古代編2神官長が交代してから3日経った昼間のことである。その神官長たる男が言った。
「明日から暫くお出かけします」
「お出かけ? 辞任とかじゃなくて?」
豪奢な寝台に寝そべった神は、林檎を齧りながら問うた。因みに全裸である。神は基本的に衣服を纏うのは煩わしいと思っている。
「しませんよ絶対。もし勧告されたら反乱起こします」
「断定かあ。でも長とはいっても神官には厳しそうだけど」
「私実家が太いので……。軍の方にも親族多いんですよ」
「思ってたより規模大きい方向だ……。というか、神官長になれなくても反乱する気だったやつだこれ」
「私のこと理解してくださってて大変嬉しいです」
別に理解したいわけではないんだよな、と神は思ったが口には出さなかった。代わりに男が切った林檎を一つ摘み上げてまた齧る。神は食事を取らなくても問題ない身であるが、一番手軽で身近な刺激として好んでいた。
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