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    すいと

    uhouho_saying

    DONEオベぐだ♂Webオンリー『奈落の底より青空のきみへ』 開催おめでとうございます!
    お2「飴色になるまで」にてサークル参加致します。

    受肉後、同棲設定のオベぐだ♂SSです。
    同時にPixivに掲載するオベぐだ♂既刊全文再録(R-18)の軸の小話になりますので、併せてお読みいただいた方がわかりやすいと思いますが、単体でも読めると思います。
    恋も愛も余談 私はこの街が嫌いだ。
     私が生まれ育ち、少女と呼ばれる時期を過ごした街。かつて漁港と温泉観光が盛んだった、今はただ潮と廃油のにおいだけがする、薄汚れた灰色の街。私の実家はよく言えば抒情的な、悪く言えば埃をかぶったような商店街の片隅で、代々続く小さなパン屋を営んでいた。このしみったれた街に嫌気が差して都会に飛び出してみたものの、理想と現実の差に夢破れ、一昨日に部長の机に辞表を叩きつけてこの街に舞い戻ってきたのが、ひとり娘のこのわたしというわけだ。
     家業としてのパン屋はすでに街に残った兄が継いでいるのだが、働かざる者食うべかざるというのが我が家の方針であり、実家に転がり込んだ翌日から店に立たされることになった。とはいえ、パン作りではなく店番のほうだ。厨房で父と兄が黙々とパン生地をこねている間、私は店先に焼き立てのパンを並べ、パンをひとつひとつ包んで笑顔とともにお客に手渡す。
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    すすき

    DOODLEhttps://www.pixiv.net/artworks/80333482#manga
    ↑こちらの設定をお借りして書いたブラカイ
    設定の説明はあんまりちゃんとしてないので、こちら見てからの方が分かりやすいと思います
    パラロ設定。カイン無自覚
    えろではないです

    こんなに長くなる予定はなかったし、予定外の長さの割には設定を全然活かせてないの最悪
    制服を脱いだ肌に刻まれたシンボルを眺めてカインはため息を吐いた。署の古びたロッカールームの蛍光灯に照らされたそれは、随分と赤く染まっている。
    自覚はあった。いくら何でもミスが多すぎたし、話が一度で聞き取れないことも増えた。体は休息を必要としているのにぐっすり眠ることが出来ず、そのせいで増々集中力が消えていく。取り返しのつかない失敗をしなかったことだけが不幸中の幸いと言ったところだろうか。いざという時の為に、と病院で処方してもらった薬があって助かった。
    だけど、それももう限界だ。ここまで赤くなってたらな、と再びため息を吐く。
    ――この世には、シンボルと呼ばれる紋章が体に刻まれる人間がいる。
    思春期を過ぎたころに現れるそれを体に宿した者は、印が赤くなりきる前に性行為をしなければ死に至る。これは病気ではなく、アレルギーと同じ体質的なものだ。だから多少の緩和措置はあっても治療法はない。薬を飲んだところで、セックスをしなければ根本的な解決にはならなかった。
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