ひなた
Kuon_ao3
DONE逆行感想その2ひなた+鉄虎+司
猛暑日の昼下がり 一向に止まない蝉時雨と、青すぎる空を一直線に横断する飛行機の音。鉄虎は体操着の青い襟を引き上げて首元の汗を拭うと、高い位置にある窓を仰いだ。朝の天気予報の通り、本日も猛暑真っ盛りだ。屋内と言えど熱気で目眩を起こしてもおかしくはない。コートから出た鉄虎は、開け放たれた下方の窓へと風を求めて座り込んだ。腰から項へと吹き抜ける熱風さえ今は心地良い。
コート内では隣のクラスの模擬試合が始まっており、ビブスを付けたひなたが一彩のディフェンスをかわしてレイアップを決めたところであった。ひなたも既に汗だくで、捲り上げた半袖の肩で器用に額をこすっている。ビブスチームのファウルで時計が止まったと同時、不意に鉄虎と目が合ったひなたは――思い出したように、「今日、」と窓の外を指さしてから誘うように首を傾げて。甲を上にしたまま握った拳を、時計回りにぐるぐると回してみせた。
2346コート内では隣のクラスの模擬試合が始まっており、ビブスを付けたひなたが一彩のディフェンスをかわしてレイアップを決めたところであった。ひなたも既に汗だくで、捲り上げた半袖の肩で器用に額をこすっている。ビブスチームのファウルで時計が止まったと同時、不意に鉄虎と目が合ったひなたは――思い出したように、「今日、」と窓の外を指さしてから誘うように首を傾げて。甲を上にしたまま握った拳を、時計回りにぐるぐると回してみせた。