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    ひよ

    raixxx_3am

    DOODLE貴澄くんにスペアキーを預けるお話。(付き合ってるきすひよ)
    Beehive ポケットの中ではもうずうっと、ことり、と固くて冷たい金属製の〝それ〟が出番を待ち構えたままでいる。
     まぁまぁ、そう焦らないでよ――なだめるような心地になりながらポケットづたいになぞりあげ、ぬるい息を吐く――何度目かのルーティーンを終えたところで、あらかじめ用意しておいたせりふを頭の中で思い起こすようにする。
     物事にはしかるべきタイミングだなんてものが何よりも重要――いや、時には勢いに任せることだって求められることだけれど。
     迎え入れてすぐ、はなんだか違う。いっそのこと帰り際にでも、とも思ったけれど、なんだかそれもよくない気がする。有無を言わさず、みたいな感じがするし。
     昼食の片づけを終えて、録画していたドキュメンタリー番組(絵画修復士と俳優が海外の美術館のバックヤードに潜入する、だなんて特集番組で、予想以上に見応えのあるものだった)を並んで見た後――ぬるくなったコーヒーを淹れなおしてすこし一息ついて、おそらくは近況報告だとか、次の休みにはまたどこかにいこうか、なんだかんだでこうして家でふたりきりで過ごすのも悪くないのだけれど、なんて話になって――うん、やっぱり〝いま〟がいい。
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    進明 歩

    MOURNING一年くらい前に誰に見せるつもりもなく書いた、茨くんお誕生日話を少し手直ししました。pixivへはフライングして別の誕生日話を投稿してしまったので、ポイピクに供養。
    ※タグは付けていませんがジュンひよも匂ってます。
    口調などおかしなところがあるかもしれません。
    前投稿作に絵文字を送ってくださった方がいらして嬉しかったです!見つけて、読んでくださって、絵文字まで!本当にありがとうございました!
    閣下はどこへきえた? これも虫の知らせというのだろうか。
     別にどうしても今夜中に伝えねばならない用件でもなかった。明日の午前中に予定されている雑誌の対談。その対談相手が急遽変更になった。凪砂のことだ、茨が相手の資料をまとめてさえおけば、現場に向かう車の中ですぐにインプットしてしまうだろう。
     それでも何故か今夜、凪砂へ伝えようと思った。いや用件さえも凪砂へ会いに行く口実かもしれない。

     
     二十二時を回っていた。凪砂はまだ起きている時間だろうが、同室人たちのことを思えば部屋を訪ねるには些か気が引ける時間である。
     控え目に部屋をノックするとすぐに返事があった。
    「はーい!」
     柔らかな声と共にドアを開けたのはUNDEADの羽風薫。不穏なユニット名の割に穏やかで面倒みのよい彼には、凪砂も多分に世話になっている。
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