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    ウィル

    Karasuma

    DONEエイプリルフールアキウィル
    途中からエイプリルフール関係なくなってしまったなぁ
    「あっ…甘い物とか、すぅ…好きじゃないからっ!」

    部屋に戻ってきての第一声に、思わず呆けた顔をしてしまう。
    何事か合点がいかずにウィルを見つめていれば、居心地が悪いのか視線を彷徨わせている。

    「アキラ…」
    「拗ねんなって。いきなりそんな嘘言われても困るっつーの。どんな反応を期待したんだよ」
    「……だって迷惑じゃないものとか考えてたら、何も思いつかなくなったんだもん…」
    「"もん"ってお前なぁ」

    幼馴染であり、恋人でもあるウィルの普段らしくない姿に頭を掻く。
    どうしたものかと目線を部屋に巡らせれば、カレンダーが目についた。
    あぁ、そうか。今日は4月1日だ。

    「ふ〜ん、そうかそうか。ウィルは甘い物が好きじゃないんだな」
    「アキラ?」

    オレは不敵な笑みを浮かべながらベッドから立ち上がり、リビングへと向う。ウィルが不思議そうに後を付いてくる様子が、雛鳥みたいで可愛らしさを感じる。
    そんな感情をぐっと堪えて、冷蔵庫の扉を開けてある物を取り出した。

    「今日のパトロールでたまたま近くを通ったから、買ってきたんだけどなぁ。赤べこ堂の饅頭」
    「えっ」
    「しかも数量限定の塩饅頭」
    「嘘だろ?! 1414

    htgw_h

    MOURNINGガスウィル小話 お花見のつもりで書いたけど迷走したのでここに供養…―デートしないか?

     断られるかな、とあまり期待せずに口から出た誘いの言葉は、彼の「いいけど、」という小さな声によって受け止められた。その意味がすぐには理解できなくて、ガストはぽかんとウィルを見つめる。

    「なんだよその顔」
    「えっ、いや…まさかOKしてくれるとは思わなくて」
    「…断ってほしかったならそうするけど」
    「いやいやまさか!嬉しいに決まってるだろ」

     目をそらして呟くウィルに慌てて弁解して、「どこに行きたい?」と前のめりに問いかけた。彼の気が変わらないうちに予定を立ててしまいたい。
     紆余曲折あり、ガストとウィルが恋人同士になったのはいくらか前のことだ。が、未だ恋人らしいことはしたことがない。お互いまともな恋愛経験がない同士、少しずつ進んでいければ良いと思ってはいるが、最初の一歩を踏み出したかった。
     ちらりとこちらに目をやったウィルは、ひとつ咳ばらいをしてから、覗き込むように首をかしげてガストを見つめた。その蜂蜜色の瞳は、いつも自分に向ける鋭さとも他の同期に向けるような柔和さとも違い、どこか試すような光を宿している。


    「夜桜」
    「…ん?」
    「夜桜が見に行きたい」

    1593

    marintotiko

    MEMOしぶにもあげたウィルアル試作*



     モリアーティ家の屋敷の中でもっとも狭く、ベッド以外の家具などない部屋が、仮にも養子として迎えられたルイスとその兄に割り当てられた部屋であった。それでも、今日は横になれるベッドがあるだけマシな方だ。身体の小さい二人でも十分横になれない物置に、一晩中閉じ込められることも珍しくない。もっとも、今晩に限ってはその心配はないだろう。スクールの寮から帰ってきている長子のアルバートが目を光らせているためである。逆に言えば、この家で彼がルイスたちのために出来ることは、たったそれだけのことだった。

     そろそろ眠ろうかというところで、部屋のドアがノックされる。こちらにそうした礼儀を尽くすのはこの家でたった一人しかいない。兄もたいして警戒せずドアを開けると、その人物を招き入れた。

    「…すまない、もう眠るところだったかな」

     思った通り、訪問者はアルバートであった。彼はこれまでもたびたび、他の家族や使用人に見咎められぬよう、こうしてこっそり夜中に訪問してきていた。

     手に持ったバスケットには、パンや干し肉、フルーツが詰め込まれている。盗み食いなどしたこともなさそうな顔をして、こっそりキッ 4172

    epep3579

    DONE例えば君が恋をして(アキウィル)
    アキ(→)←ウィルな両片想い
    アカデミー時代の捏造と、モブがめっちゃ喋る。
    子どもの行動は唐突だ。本人を突き動かした原因なんて、本人以外には分かりやしない。

    その日は雨が降っていた。レンは家族の用事ができて、アキラの家で二人で遊んだ。家の中でできる遊びはとうに尽き、子ども向けの番組もない中帰るには早く二人でぼうっとテレビを眺めていた。
    箱の中の男女は想いを通わせ口付けをする。その表情は幸せに満ちており、輝かしいものに見えた。

    「ぼくもこんな感じになれるのかな」

    ぽつりと溢れた言葉は本心だった。強い大人になって、好きな女性を守れる逞しい男性。今のぼくには程遠い存在。

    「ウィル」

    名前を呼ばれて隣のアキラを見る。「なに?」そう言おうとした口は塞がれてしまい、それ以上音を零すことはなかった。
    小さな水音をたてて離れた唇からは、何も言われない。炎の様に燃える瞳に吸い込まれるように見つめれば、何事も無かったように視線はテレビへと戻る。
    「どうしてキスしたの?」なんて、居心地が悪くて聞けなかった。

    『ヒーロー』を目指すアカデミーに入学する歳になった今でも、その疑問を口にすることはできないでいた。


    ーーー
    「アキラ、ちゃんと宿題やったの?前も提出して無かった 4567