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    エンカウント

    Namako_Sitera

    DONE怪盗エルと薬師ヨルンがたまたまエンカウントする話。完全イフのふわっとした夢。”そうはならなかった”彼らが、”そうなってしまった”世界に想いを馳せつつ前を向く話。全極バレ含みます。
    月を飲み干す。 夢を見た。
     愛しのマフレズがお父様の手で殺されてしまう夢だ。それだけで飛び起きてしまいたくなるというのに、夢の中の私にとってはその世界は現実だったのだろう、必死に歯を食いしばってエドラスを飛び出した。王女としての身分を隠し、慣れない旅装に身を包み、マフレズが教えてくれた剣を携えて。夢を見ている私からしてみたらそれだけでも大偉業だった。あぁ彼女はなんて勇気のある人だろうか、私は今もお父様の暴挙を止められず、いまだ何もできずにいるというのに。
     夢の中の私は剣士エルを名乗り、貧民街である人物と再会する。それは一度はエドラス軍と共に戦うもある理由からパーディス王によってマフレズ殺しの罪を擦り付けられた、旅の剣士だった。彼はクラグスピアでも噂になりはじめた旅団の団長で、奪われた特別な指輪を取り戻すべくエドラスを訪れたのだという。パーディス王の野望を阻止するという目的が一致した二人は手を組むことになった。
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    echichibom

    MOURNINGその後冒険者になったトモエ(ミサトの初恋の女性)とトモヨがエンカウントする話

    トモエのミサトへの想いはミサトが里を去ってから募っていったものだとおもてる。なので恋心とかではない。恋心未満ではあるかもしれない。
    その先の光私は成すべきことを全てを終わらせたようだ。
    休む間もなく体が先に動いて、導かれるようにラノシアから船に乗った。抜け出した里に帰るのは危ないだろうからその近辺だけど…何となく故郷の景色を見たくなった。

    あれから何年、何十年経っただろう。
    「…ミサト」

    彼の名前はずっと頭の片隅にある。ゴルモアへ発った彼のその後を私は知らない。事実として知っている事はこの旅で得た世界の情勢と歴史、そして当時…あの時の戦いでダルマスカが帝国の属州になったこと。
    私達が暮らしていた里は位置が遠かったから大きな被害はなかったけど、そこで何が起き、どんな惨状が広がっていたのかをこの目で見た訳ではない。

    私が今ここに立っている理由は一つ。彼の、自由…世界の豊かさを求めるあの眼差しだった。私に向けられたものではない。血にも塗れていた。でもあの目には私の心に訴えかける何かがあった。あの時ははっきりとわからなかったけど…。共に過ごした子供に、私は授けてしまったのだと思う。
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