Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    グルグル

    Leo69two118

    DONEオズアサwebオンリーにて展示していたSSです。体調不良のアーサー君がぐるぐるしながらオズ様を探したり、オズ様に看病してもらうお話。
    リトル・エスケープ 浅い眠りの中で夢うつつを微睡む。
     凍える空気に晒され、真っ白な雪が肺まで詰まり息が出来なくなって飛び起きる。トビカゲリの羽に打たれ、全身の骨がガラス細工のように砕け散って跳ね起きる。石になってそのまま、誰に見向きもされる事なく捨て置かれる。朽ちて、ひび割れ、色を失い、じわじわと意識が端から削られていくような感覚に、いよいよ声にならない悲鳴を上げた。何度目かも分からない悪夢によって意識を引き摺り起こされ、アーサーはついに観念したようにベッドから体を起こした。
     前の賢者様がよく口遊んでいた歌に、24時間戦えますか、というキャッチーなフレーズがあったのをアーサーは不意に思い出す。最後に魔法舎にある自室のベッドの上で休んだのはいつか、皆と食事を共にしたのはどれくらい前だったか。咄嗟には思い出せないくらいにここ数週間のアーサーは多忙を極め、疲れ果てていた。どうにかこうにか雪崩が起きないギリギリの辺りまで積み上がった仕事を片付け、覚束無い足取りで彼が自室に帰ってきたのは夜も更けて既に朝の方が近い時刻。留守の間に誰かが寝具を干しておいてくれたのか、ベッドはまだ仄かに温かでお日さまの香りがして、毛布をかぶるのも忘れたままアーサーは暫し泥のように眠った。最後の力を振り絞り、なんとか寝衣に着替えたのが運の尽き。その晩の空気は殊更に冷えていて、城内ではにわかに風邪も流行っていた。栄養も休息もしっかり不足していて弱り目に祟り目。薄い寝衣で毛布もかぶらず眠っていたアーサーはものの数時間で見事に酷い風邪を引き込んで、ろくすっぽ眠れないまま高熱と悪夢にうんうんと魘される羽目になったのだった。
    6807

    💤💤💤

    MAIKINGヴ愛後のモクチェズ。モ母を捏造してるよ。モがぐるぐる要らないことを考えたものの開き直る話。
    間に合えば加筆の上で忍恋2の日にパス付きでR18部分を加えて展示します。
    【モクチェズ】その辺の犬にでも食わせてやる 何度か画面に指を走らせて、写真を数枚ずつスライドする。どんな基準で選んでるのか聞いてないが、選りすぐりです、と(いつの間にか傘下に加わっていた)"社員"に告げられた通り、確かにどの子も別嬪さんだ。
    (…………うーん、)
    けど残念ながら全くピンと来ない。これだけタイプの違う美女を並べられてたら1人2人くらい気になってもいいはずなんだが。
    (…………やっぱ違うよなぁ)
    俺はタブレットを置いてため息をつく。


     チェズレイを連れて母親に会いに行ったのはつい数日前のことだった。事前に連絡を入れてたものの、それこそ数十年ぶりに会う息子が目も覚めるような美人さんを連れて帰ったもんだから驚かれて、俺の近況は早々に寧ろチェズレイの方が質問攻めになっていた。やれおいくつだの、お生まれはどちらだの——下手すりゃあの訪問中、母とよく喋ったのはチェズレイの方だったかもしれない。それで、数日を(一秒たりとも暮らしてない)実家で過ごした後、出発する俺達に向かって名残惜しそうにしていた母はこう言った——『次に来る時は家族が増えてるかもしれないわね』と。
    2639