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    mzk__mzk

    INFO知人の本の表紙を書いたらprskを何も知らない知人が司類を書いてくれた。天才か???許可もらったのでシェアします……
     彼と出会ったのは、一年前の金曜日の夜のことだった。
     世間は花金だプレミアムフライデーだと騒ぐが、弊社にそんな概念は存在しない。仕事が終わっていないのに定時で帰ろうとする部下。無理難題ばかり押し付け、それが終わらないと怒鳴りつけてくる面倒な上司。間に挟まる僕に自由なんてものはほぼなく、ただ毎日家と職場を往復する毎日だった。
     鬱々とした気分で夜でも明るい街を歩き、逃げるように入った暗い公園。そこで一人、ショーを行っていたのが彼だった。
     それからというもの、彼のショーを見るのは毎週の楽しみになった。彼は様々な場所でショーを行っているらしいが、僕が見られる場所はこの公園だけだった。僕の他に客がいることは珍しく、ショーが終わった後に二人で話したこともある。どこからか騒ぎを聞きつけた警官と共に逃げたこともあり、変わらない毎日をただ藻掻いていた自分にとって、彼は麻薬のような存在だった。会社でどんな無茶なことを言われようと、週末になれば彼と話せると思えば耐えられた。僕はお前らの知らない、凡人とは違う彼と話せる存在だ。そして彼も、きっと僕のことを認めてくれている。僕が笑顔になれば彼も笑い、様々な夢を語ってくれた。彼がショーに掛ける思い、それは僕の中だけでの宝物だった。社会に揉まれて擦り切れた心に、彼の純粋な思いは痛いほど染みた。お金を出資したい、マンションを提供したいと言っても、彼は首を縦には振らなかった。そのこと自体は残念だったが、それもまた彼の良さだった。
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    setouchCAZ

    DONECJで30日間CPチャレンジ6日目
    Wearing Each Others’ Clothes 衣装交換
    ーーー
    ⚠️現パロ
    大学生でルームシェアをしているCとJが互いの服をシェアしている話
    6:Wearing Each Others' Clothes シーザーとルームシェアを始めてから変わったことは沢山ある。例えば出かけた先から自宅に帰った時に「おかえり」と言ってもらえること。それから家事を分担できるようになったこと。家賃や生活費を折半することで少し生活にゆとりが生まれたこと。少し考えてみるだけでもおれの頭の中には沢山のことが思い浮かぶ。

    その中でも一番良かったこと聞かれれば、おれは間違いなく彼と私物を共用することができるようになったことだと答えるだろう。


    「はあ〜、疲れた! 今日もいっぱい買い物できたぜ」
    「まさかこんなにお金を使うことになるとは思ってなかったが……」
    「とか言っちゃってェ、全然後悔してねぇくせに!」
    「まあな」

     玄関の扉を開けると部屋の中は真っ暗闇に染まっていた。先に家の中に入って靴を脱いでいるシーザーの後ろから腕を伸ばし、おれは廊下に明かりを灯す。よく見えるようになった室内は家を出た時と同じままで、当たり前のことだが少しだけほっと安心する。家に帰ってきたって感じだ。
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