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    スノウ

    nayutanl

    DONE紫陽花見ながら話してるホワイトとフィガロの話
    ホワイトから見たスノウとフィガロのこととか、フィガロから見たホワイトのこととか
    ほんの少し生きた心地がしないけど、気のせいかと思うくらいのあったかさはある つもり
    あと、文末に話に関するちょっとしたことが書いてあります。
    ハイドランジアの幽霊師匠と植物園を散策―などといえば聞こえはいいが、実のところは連れ回しの刑である。フィガロは曇り空のもと美しく物憂げな色彩の花を咲かせるハイドランジアに目をやりながらこっそりとため息をついた。
    ホワイトがやってきて「ハイドランジアの花が見頃だから出掛けよう」と誘われたのだが、あまり良い予感がしなかったので一度は断ったのだ。断ったのだが、今回の誘いはこちらに選択権がないものだったらしい。有無を言わさず連れてこられてこのとおりである。

    「そなたら、また喧嘩したじゃろう」
    「喧嘩とはいえませんよ、あんなの」

    少し先をいっていたホワイトが戻ってきて、ごく自然に手を繋いできた。こんなことをしなくても今さら逃走なんてしないのにと思ったが、これは心配性なのではなくて物理的な束縛だ。都合の悪い話をするつもりなのであろうことは断った後の出方で何となく察していたが、切り出されるとやはり身構えてしまう。いいことでも悪いことでも、心に叩き込むようなやり方はホワイトの得意とするところなので、分かっていてもわずかに寒気がした。
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    nayutanl

    DONEパラロイのフィガスノ
    前回(https://poipiku.com/3138344/6911602.html)の続きらしい話で、こちらはスノ→フィの気持ちの話です。
    書きたかったのはフィガロが寝てからスリープモードに入ることにしてるスノウだったんですが、フィガロのお世話したり色々になりました。
    寝ても覚めてもスリープモードは負担がかかるというのは、完全に眠っているのではなくてうたた寝程度の状態だからである。
    人間でいえば、うつらうつらとしている状態のことだ―とファウストが言っていたのを思い出しながら、スノウは椅子の上で寝かけているフィガロをつついた。
    とっくに退勤していまは自宅だが、忙しいフィガロは家でもラボにいるときと大して変わらないことをしている。かろうじて、食事と入浴は済ませて人間的生活は保ったにしても、いただけない。

    「うわっ……なんですか、ちょっと」
    「我にシャットダウンを迫る前に、自分がちゃんと寝てみせて欲しいのう」
    「……この間のこと、根にもってるんですか」
    「別に?」

    フィガロが言っていたことは理解しているし、あの日はフィガロの手によって何事もなく目覚めて、おはようからおやすみまでスケジュール通りの一日を過ごした。不安に思っていたことなど、なにも起こらなかったのだ。
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    candykamone

    MAIKINGかつて双子が「兄さま」と読んでいた魔法使いの話。スノウとホワイト中心予定で今のところフィ、ファ、ルチ登場。未完。
    タイトル未定【0】

    ――望み?

    ――そう、望み。何でも言って。どんな願いでも、僕が叶えてみせるから。

    ――急に言われてもなぁ。ええと、じゃあ、いつか自分の足で…………なんて。まあ、無理だろうけど。

    ――大丈夫、きっと叶える。『約束』するよ。




    【1】

     スノウとホワイトの屋敷の一室には、他の魔法使いたちの手には負えないほど強力な呪具がいくつも転がっている。自分たちで集めたものもあれば、貢物もあった。善意で寄越されるものもあれば、悪意で渡されるものもあった。それら全てをコレクションとして部屋に保管していたのだが、流石に一度整理せねばなるまい、と思い切って大掃除を始めることにしたのが今朝のこと。
     「お片付けしたら賢者ちゃんを呼んでパーティーしちゃお!」と意気込んで始めはしたのだが、随分と懐かしいものばかりで、ひとつ手に取っては埃を払い、思い出を呼び起こし、と中々作業が進まない。そもそも、この量をひとりで整理するには魔法を使っても数日かかる。片割れであるホワイトは今、愛弟子であるフィガロと一緒に浄化に使う道具の買い出し中だ。もう一人の愛弟子であるオズには別な部屋の掃除を任せている。他の魔法使いたちには、とてもじゃないがこの部屋の整理は任せられない。つまり、フィガロたちが戻ってくるか、あるいは掃除を終えたオズが来るまで自分一人でなんとかしなければいけない。
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    nayutanl

    DONE【十五夜の魔法使い】企画に提出したものです
    担当は北、スノウとホワイトでした。ふたりがフローレス兄弟を出会い頭に誘ってお茶会をする話です。
    とっておきのお茶、自慢の手作りお菓子、特別な時間。おおよそそんな感じ。
    ムーンナイトティーパーティー 談話室から戻る道すがら、ルチルとミチルは廊下でスノウとホワイトに出くわした。
     夕食後から少し経ち、そろそろ自室に戻って自分の時間を過ごして寝支度をという時間だったが、スノウとホワイトは絵の中ではなく昼間と変わらない姿でいる。抜け出る気になれば出てこられるとは言っていたので、それ自体は不思議なことではないのだが、意外な時間に意外な場所で出会ったものだから、兄弟はふたりして少なからず驚いたのだった。
     
    「スノウ様、ホワイト様。こんばんは」
    「こんばんは! こんな時間に、どうしたんですか? お腹空いちゃったんですか?」
     
     ルチルとミチルが挨拶をしてから尋ねると、双子はにっこり笑ってそれぞれふたりの腕を抱くようにして捕まえた。その様子は、一見すると幼い子どもが年上の相手に甘えているように見えるが、スノウとホワイトがただ甘えるような仕草をしているだけではないことにルチルは何となく気づいていた。ふたりは、なにか明確に用事があってこうしているのだと。
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