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    タルト

    清(せい)

    DONE美容師タル設定お借りしました。

    現パロ。


    現パロにするとタルと鍾先生の口調がよくわからん難しい。
    敬語タリヤがタメ口になるタイミングを考えている。いつ?
    美容師タルは付き合い始めてもしばらく敬語抜けなくてしょ先生によそよそしく感じるからいい加減やめろって怒られるんですかね。

    お客さんとプライベートで関わりを持っちゃいけないとかで好きになってしまってモヤるタ(文字数
    19:24


    都心から少し離れた郊外の駅。



    冷たい空気に長時間さらされたせいか
    少しだけ身体の感覚が鈍い。




    ちらりと時計を確認して、出口へ向かって歩き出す。


    閉店作業の時間だ。


    今日も何人かに声をかけてみたけれど、
    実際に店に来てくれそうな人は居なかった。



    手応えのなさに沈んだ気持ちのまま
    はぁ、と小さくため息をついて
    ふと顔を上げると
    さらさらと揺れる長髪が目に入る。


    ロータリーと道路を跨ぐようにかかるデッキを
    冷たい夜風が通り抜ける。

    風が黒い髪を撫でる度に
    フットライトのオレンジ色を反射して、
    キラキラと輝いて見える。



    綺麗な髪だな、そう思ったと同時に追いかけていた。




    すみません、少しいいですか?



    声をかけてから進行方向に回り込む。



    きょとん、とした顔をするその男の双眸も
    キラキラとオレンジ色に輝いていた。



    綺麗な人だ。じわじわと顔が熱くなっていく。



    「あっ、 えーっと、ぼく、こういうもので」


    しどろもどろになりながら
    トートバッグからビラと名刺をセットで取り出して渡す。


    「近くの美容室のスタッフで 1751

    8hacka9_MEW

    DONEワタルと虎王が豆まきの豆を食べる話ワタルは、包みを抱えて、龍神山の階段を登っていった。今日は自治会で子ども向けの節分の催しがあり、その時にワタルは、食べる用の豆をもらったのだ。歳の数だけ食べるといいと言われたが、持っている豆はワタルの歳以上に入っていた。どうしたものかと考えて、ふと思いついて、こうして龍神山へとやってきたのだ。
    いつもの近道を通って、龍神池へと出る。辺りはしんとしており、誰もいなかった。
    ワタルは、桜の木の下向かい、腰を下ろした。地面が少し冷たかった。
    来る確信はどこにもなかった。会えれば嬉しいが、会えなければ『そういうものだ』と思えばいい。そのくらいの気持ちの整理の仕方を、ワタルは覚えていた。

    やがて……

    「よう」

    頭上から声が聞こえて、ワタルは振り返って桜の木を見上げた。木の枝に紛れて、虎王の姿が見えた。ワタルは、虎王に笑いかけた。
    「やあ」
    「なにしてんだ?こんなところで」
    「虎王こそ、どうしたんだ?」
    「オレ様か?なんとなくワタルに会える気がして、歩いてきたんだ。そうしたらこの木を見つけて、登ってみたら、お前の姿が見えるんじゃないかって、そう思ったんだ。そうしたら、お前はすぐそこにいた」
    2021

    8hacka9_MEW

    DONEワタルと虎王が迷子の猫の居場所を探す話「困ったなぁ……」
    ワタルはその場に立ち尽くし、足元を見る。そこには、小さな灰色の子猫が、ぐるぐると喉を鳴らしながら、ワタルの足に体を擦り付けてくる。学校帰りにいつの間にか、この小さな灰色の子猫が、ワタルの後を付いて来た。可愛らしさにワタルの心は揺らいだが、戦部家では猫を飼うことが出来ないので、ワタルは心を鬼にして、その子猫を無視して進んだ。しかし、その決意もほんの数メートルしか保たなかった。ミィミィと後ろから聞こえる高い声に、ワタルは足を止めざるをえなかった。何故か子猫はワタルに懐き、甘えるように何度もワタルの足元を往復している。誘惑に勝てず、ワタルは、子猫を抱き上げた。柔らかく、軽く、ふわふわした子猫は、ワタルに抱き上げられると、ミィ、と、満足げに鳴いた。

    「……困ったなぁ」
    腕の中に子猫を収め、ワタルは再び、つぶやいた。

    ひとまずワタルは、パックの牛乳を近くの駄菓子屋で買った。子猫は、店の外で大人しく待っていた。ワタルが店から出てくると、また再び、ワタルに擦り寄ってくる。ワタルは苦笑して、もう一度子猫を抱き上げた。
    公園へと向かい、ベンチに座り、ワタルは自分のペンケースを取り 5087

    8hacka9_MEW

    DONE救世主の役割を終えた直後のワタルと俊のお話。6月位を想定。ラムネ

    喉が、かわいた。
    熱くて、あつくて、そのまま全部干上がってしまいそうなくらいに、
    のどが

    「ワタル!」

    耳元の大きな声に、ワタルは跳ね起きた。目を瞬かせると、担任の呆れ顔が目に入った。
    「お目覚めか?暑いのによく寝るな」
    「あ、はい…すみません…」
    周りから、クスクスと笑い声がして、ワタルは気まずそうに頭をかいた。
    「暑いのは分かる。先生だって皆だって暑い。もうすぐ夏休みだから、余計に気が緩むのは分かる。でもな、休みの前にやらなきゃいけないこともある。寝ている場合じゃないぞ」
    「……はい」
    「後で職員室に来なさい」
    う、と、ワタルは声を詰まらせて、気まずそうに頷いた。
    「はい……」
    担任が前に向き直り、由美が、大丈夫?と聞いてきた。ワタルは、声に出さずに頷いた。
    授業が再開されるも、ワタルの耳に内容はあまり入ってこなかった。

    授業がおわったのち、職員室に赴いたワタルは、少なからず緊張した。今週は何度も授業中に眠ってしまっている。怒られるのではと、自然、構えてしまう。けれど、実際に担任からかけられた言葉は、ワタルの体調を気遣う言葉だった。夜ちゃんと眠れているか、食事はきち 1973

    8hacka9_MEW

    DONEワタルと虎王が肉まんを食べているだけのお話です。理由も確信もなく、それは単純な思い付き、そして少しの予感と期待だった。薄曇りの空を教室の窓から眺めていたワタルは、今日の帰りに『そう』しようと思った。
    放課後、まっすぐ家には帰らず、コンビニへと寄った。学校帰りの寄り道はしてはいけない事になっているので、念のため、鞄は近くの茂みに隠した。小学生一人で買い物をすると、何か言われるかと少々緊張したが、幸い、何も言われなかった。目的のものを二つ買う。300円近い出費は少々痛手だったが、渡された袋は温かく、何となく、幸せな気持ちになった。
    その袋をコートの下に隠す様に抱え、鞄を背負って、急ぎ、龍神山へと向かった。

    龍神山には、少しだけモヤがかかっている。あまり見ない光景だったが、ワタルは段々、小さな予感が確信に変わって行く様な気がした。急ぐ事はないのだろうが、自然、駆け足で階段を登って行く。途中、茂みに入り、近道をする。モヤは濃くなる一方だったが、ワタルには不安はなかった。
    茂みを抜けた先には、龍神池があった。すっかりモヤで覆われていて、向こう側にある桜の木も、良く見えなくなっていた。
    そちらの方に、人影が見える。予感が当たり、ワタルの口元に 2297

    HQ_kazu613

    DONEドキドキレシーブ練習

    練習と言う名の、ただののろけ話。
    ドキドキメンタルトレーニング(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=13972185#4)の続きのようなものです
    「なぁ、ちょっと練習付き合ってくれへん」
     自主練も終盤になり、なんかデジャヴだなと思いながら侑さんを見つめると、彼はニコニコを笑顔でボールを一つ手にしている。ストレッチを終えた臣さんが、すごい顔で体育館から出て行った。
    「いいですよ、サーブ練ですか?」
    「ううん、今日はレシーブ」
     珍しい、と思いながら彼がボールを投げる。それをアンダーで返す。
    「レシーブ続けながらな、お互い思ってること言い合うねん」
     我ながら綺麗に上がったボールを侑さんはオーバーで捕まえ返してくる。
    「ただし、悪口無しな」
    「いいですけど、これ前もやりましたよね?」
     アンダーで返す。少し右に逸れたが、彼は難なくオーバーで捕まえた。
    「この前は一方的やったやろ。今回は交互やから」
    「なるほど」
     ボールをちゃんと見ながら、相手のことも見て返す。一見、いつものウォームアップでやっているパス練と変わらないが、お遊びも交じっている。
    「じゃあ俺からいくで」
     彼が触れたボールは、先程より少し高く上がった。
    「最近、トマスとイチャイチャしすぎや」
     身に覚えのないことを言われたが、反論するよりも先にボールが返ってきてしま 1552