フェン
xcoxcoxaat
CAN’T MAKEジャイロ、三つ子、フェントン、ビークスと、ジャイロが発明したアンドロイド:DT II-082(ディーティーセカンドゼロハチニ)短編がいくつか
※↑になる予定だったもの
未定【オフラインプログラミング】
※ジャイロと
※その心はシステムか否か
「……よし、動いてもいいぞ」
デスクの横に座ったまま目を閉じていた082に伝えれば、彼女は何度か瞬きを繰り返したのちに、こっちに視線を寄越した。
相変わらず無表情で、私の手元をじっと見ている。
「これが『瞬き』ですね」
「他にもいくつか、生き物らしい動きをプログラミングしてみたが……まあ、そのうち分かるだろ」
「視界も良好です」
新しく組み直した動作プログラムを転送したばかりだが、今のところ不具合などは無いらしい。
「街に行きたいなら行ってもいいぞ。インターンが買い出しに行ってるから、合流すればいい」
「インターンさんのお手伝いをしてきます」
1994※ジャイロと
※その心はシステムか否か
「……よし、動いてもいいぞ」
デスクの横に座ったまま目を閉じていた082に伝えれば、彼女は何度か瞬きを繰り返したのちに、こっちに視線を寄越した。
相変わらず無表情で、私の手元をじっと見ている。
「これが『瞬き』ですね」
「他にもいくつか、生き物らしい動きをプログラミングしてみたが……まあ、そのうち分かるだろ」
「視界も良好です」
新しく組み直した動作プログラムを転送したばかりだが、今のところ不具合などは無いらしい。
「街に行きたいなら行ってもいいぞ。インターンが買い出しに行ってるから、合流すればいい」
「インターンさんのお手伝いをしてきます」
last_of_QED
MOURNING1/3新月🌑執事閣下🐺🦇【マボロシコレクター(前編)】貴方が望んだIFを見せて。※後編に続きます。
マボロシコレクター【マボロシコレクター】
足元のジオパネルは「一撃死」を示している。いかに強大な力があれど、ジオエフェクトは何者にも等しく、絶対だ。アイテム界では最悪「詰み」も有り得る、この地に宿る魔法の力。その力を味方につけた敵は一枚も二枚も上手だったのだろう。俺たちは然るべくしてパネル上に誘い込まれたのだと思い知る。
ハメられた。小賢しい。それでも、どうしようもなく腹立たしいのは──弓を構え、あろうことか主人へと矢の先を向けている、自分自身。
「閣下! お逃げください!」
まさに絶叫と言って良いだろう。喉が枯れるのも厭わずに、叫ぶ。それでも、視線の先にいるその人は微動たりともしない。
「お願いです! このままでは私は、貴方を」
4655足元のジオパネルは「一撃死」を示している。いかに強大な力があれど、ジオエフェクトは何者にも等しく、絶対だ。アイテム界では最悪「詰み」も有り得る、この地に宿る魔法の力。その力を味方につけた敵は一枚も二枚も上手だったのだろう。俺たちは然るべくしてパネル上に誘い込まれたのだと思い知る。
ハメられた。小賢しい。それでも、どうしようもなく腹立たしいのは──弓を構え、あろうことか主人へと矢の先を向けている、自分自身。
「閣下! お逃げください!」
まさに絶叫と言って良いだろう。喉が枯れるのも厭わずに、叫ぶ。それでも、視線の先にいるその人は微動たりともしない。
「お願いです! このままでは私は、貴方を」
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DOODLE微エロ🔞執事閣下🐺🦇【君と微睡む】寝正月も致し方ない。君と微睡む【君と微睡む】
魔界の果て。そこは罪を犯した魂、或いは帰る場所の無い流れ悪魔(もの)たちが最後に行き着くところ。そんな地の底、地獄にも新たなる年は訪れる。そして意外にも「新年らしい」様相を見せるのだから珍妙だ。
しかしそれは年の始まりを厳かに祝う……という趣きでは決してなく、何かにかこつけてお祭り騒ぎをしたい適当な悪魔が多く居るだけのこと。
そしてそれを知って、優れた地獄の統率者はささやかに今日という日の準備を進めていた。年に一度ぐらいは、罪人も、ろくでなしも、多少呆けても良かろうと。
◆
飾られた鏡餅の丸いシルエットを見つめ首を傾げている少女。デスコ、という呼び声に振り向けばその姉が少女に向けて手を差し伸べた。
4602魔界の果て。そこは罪を犯した魂、或いは帰る場所の無い流れ悪魔(もの)たちが最後に行き着くところ。そんな地の底、地獄にも新たなる年は訪れる。そして意外にも「新年らしい」様相を見せるのだから珍妙だ。
しかしそれは年の始まりを厳かに祝う……という趣きでは決してなく、何かにかこつけてお祭り騒ぎをしたい適当な悪魔が多く居るだけのこと。
そしてそれを知って、優れた地獄の統率者はささやかに今日という日の準備を進めていた。年に一度ぐらいは、罪人も、ろくでなしも、多少呆けても良かろうと。
◆
飾られた鏡餅の丸いシルエットを見つめ首を傾げている少女。デスコ、という呼び声に振り向けばその姉が少女に向けて手を差し伸べた。
yatyoo
DOODLEマフ餅つきで良いお年を!フェン君大活躍のマフ餅つき。
ガゥはめんどくせーとかいいつつ付き合ってくれる。餅ひっくり返す役わりとすぐコツ掴みそう。
ゴルは張り切って参加するけどすぐ力つきる。
シベは参加しないで酒飲みはじめてる。
ハ君は大根擦ってる(つきたて餅は大根おろし派)
last_of_QED
DOODLE執事閣下🐺🦇【1225】クリスマス、悪魔が街にやってくる!クリスマスと畏れの話。全年齢です。1225【1225】
「クックック……浮かれているな」
人間界。イルミネーションが街中を煌びやかに彩り、年末特有の浮き足だった気配に満ちている。人々の様子は常以上に忙しない。ただその足取りは軽く、どこか希望に溢れている。
今日は12月25日。人間の言うところのクリスマス。日暮れ時ではあるが、街並みのそこかしこから光が溢れ、夜の気配を感じさせない。電飾の施された街路樹の中には一等目立つものがある。背の高いもみの木が今日という日のアイコンとして飾られており、天辺にはベツレヘムの星。そして木の元には黒いコートに身を包んだ男が一人佇んでいる。その足元を良く見れば、人々の映す影よりも昏い何かを纏っていたが、行き交う人々の誰一人、そのことには気付かない。
2353「クックック……浮かれているな」
人間界。イルミネーションが街中を煌びやかに彩り、年末特有の浮き足だった気配に満ちている。人々の様子は常以上に忙しない。ただその足取りは軽く、どこか希望に溢れている。
今日は12月25日。人間の言うところのクリスマス。日暮れ時ではあるが、街並みのそこかしこから光が溢れ、夜の気配を感じさせない。電飾の施された街路樹の中には一等目立つものがある。背の高いもみの木が今日という日のアイコンとして飾られており、天辺にはベツレヘムの星。そして木の元には黒いコートに身を包んだ男が一人佇んでいる。その足元を良く見れば、人々の映す影よりも昏い何かを纏っていたが、行き交う人々の誰一人、そのことには気付かない。
白無地自由帳(なまえ:いずうら)
TRAINING20211209。私のバイブルみたいな漫画の上位二つがよー緒方てい先生の『キメラ』・岡本倫先生の『エルフェンリート』なんだけどさ
こういう設定が好きなんだろうな。いやまず漫画そのものが神面白いのがあるが
めちゃつよ戦闘種族なかわいそうな女の子?
キメラのリンちゃんはまじ理想の女だよ。。。
キャラとしてはアイン様がまじ好みすぎるし
エルフェンではもちろん蔵間さんだね⭐︎
※スタンプありがとうござ
12toriniku
DOODLEプレイしたら確実に変わるのでプレイ前の印象だけでのあらいず組のぎじゅか早くプレイしたい 12月はよ終われ
アルフェン描いてたら鎧がドラゴンで既にコイツ・・・!となってる 3
さんだー
DONEフェンリルと古竜のこねたうどんの検証しなきゃいけなかったんですよおうどんこねこね さてさてと王都で大量に仕入れた小麦粉を目の前に俺は腕組みをする。
小麦粉には薄力粉とか強力粉(前に俺が間違ってネットスーパーで買ってあんパンつくったやつ)があるのは知ってるけど、ここ異世界で作られている粉はどっちだろう。パンによく使われるっていうからやっぱり強力粉寄りなのかな。
パウンドケーキとかは薄力粉で作るし、強力粉ならあれができるはず、あれだ、あれ。
うどん!
脳内でててーん!とSEを鳴らして、手持ちの一番おおきいボウルを取り出した。スイに作らせたミスリルの特注品だ。
ネットスーパーのチルドのうどんも冷凍のうどんもそれはそれで美味しいし、モチモチ感も充分だけど、やっぱり打ち立てのうどんの美味しさは別物だと思うんだよね。
3537小麦粉には薄力粉とか強力粉(前に俺が間違ってネットスーパーで買ってあんパンつくったやつ)があるのは知ってるけど、ここ異世界で作られている粉はどっちだろう。パンによく使われるっていうからやっぱり強力粉寄りなのかな。
パウンドケーキとかは薄力粉で作るし、強力粉ならあれができるはず、あれだ、あれ。
うどん!
脳内でててーん!とSEを鳴らして、手持ちの一番おおきいボウルを取り出した。スイに作らせたミスリルの特注品だ。
ネットスーパーのチルドのうどんも冷凍のうどんもそれはそれで美味しいし、モチモチ感も充分だけど、やっぱり打ち立てのうどんの美味しさは別物だと思うんだよね。
hophop120g
DONE【フェンフー】馴れ初め的なお話食べてくれる人 朝食時を過ぎ閑散とした様子の地獄の食堂で、プリニー帽を被った少女フーカは頬杖をついてぼんやりとしていた。
食堂の扉を開ける音がして、彼女が他にすることもないのでそちらに目を向けるとそこには見知った人物の姿。フーカは大きな瞳をくるりと丸くして頬杖を外した。
「おーい、フェンリっちー」
そして、手を掲げて振りながらその入ってきた人物に勝手に付けたあだ名で呼び掛けたのだった。
入ってきた狼族の男、フェンリっち……ではなく、フェンリッヒは、どうせ嫌な顔をして無視されるだろうというフーカの予想を裏切って、意外と素直なことに彼女の傍までふらりと歩いてきた。(とはいえ、きっちりと嫌そうな顔はして見せた)
その素直さに少々驚いていたフーカだが、近くまでやって来たフェンリッヒをよくよく見て原因を察した。
5232食堂の扉を開ける音がして、彼女が他にすることもないのでそちらに目を向けるとそこには見知った人物の姿。フーカは大きな瞳をくるりと丸くして頬杖を外した。
「おーい、フェンリっちー」
そして、手を掲げて振りながらその入ってきた人物に勝手に付けたあだ名で呼び掛けたのだった。
入ってきた狼族の男、フェンリっち……ではなく、フェンリッヒは、どうせ嫌な顔をして無視されるだろうというフーカの予想を裏切って、意外と素直なことに彼女の傍までふらりと歩いてきた。(とはいえ、きっちりと嫌そうな顔はして見せた)
その素直さに少々驚いていたフーカだが、近くまでやって来たフェンリッヒをよくよく見て原因を察した。
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CAN’T MAKE11/5新月🌑執事閣下🐺🦇【俺の名を、呼んで】今、貴方を否定する。「呼んで、俺の名を」の後日談。お時間が許せば前作から是非どうぞ→https://poipiku.com/1651141/5443404.html
俺の名を、呼んで【俺の名を、呼んで】
教会には、足音だけが響いている。祭壇の上部、天井近くのステンドグラスから柔い光が射し込んで、聖女の肌の上ではじけた。神の教えを広め、天と民とを繋ごうとする者、聖職者。その足元にも、ささやかな光を受けて影は伸びる。
しんと凍えそうな静寂の中、彼女はひとり祭壇へと向き合っていた。燭台に火を分け、使い古しの聖書を広げるが、これは決してルーチンなどではない。毎日新しい気持ちで、彼女は祈る。故に天も、祝福を与えるのだろう。穢れない彼女はいつか天使にだってなるかもしれない。真っ直ぐな姿勢にはそんな予感すら覚える眩しさがあった。
静けさを乱す、木の軋む音。聖女ははたと振り返る。開け放っていた出入口の扉がひとりでに閉まるのを彼女は遠目に見つめた。風のせいだろうかと首を傾げれば、手元で灯したばかりの蝋燭の火が揺らめき、何者かの息によって吹き消える。不可思議な現象に、彼女の動作と思考、双方が同時に止まる。奏者不在のパイプオルガンがゆっくりと讃美歌を奏でればいよいよ不穏な気配が立ち込める。神聖なはずの教会が、邪悪に染まっていく。
6012教会には、足音だけが響いている。祭壇の上部、天井近くのステンドグラスから柔い光が射し込んで、聖女の肌の上ではじけた。神の教えを広め、天と民とを繋ごうとする者、聖職者。その足元にも、ささやかな光を受けて影は伸びる。
しんと凍えそうな静寂の中、彼女はひとり祭壇へと向き合っていた。燭台に火を分け、使い古しの聖書を広げるが、これは決してルーチンなどではない。毎日新しい気持ちで、彼女は祈る。故に天も、祝福を与えるのだろう。穢れない彼女はいつか天使にだってなるかもしれない。真っ直ぐな姿勢にはそんな予感すら覚える眩しさがあった。
静けさを乱す、木の軋む音。聖女ははたと振り返る。開け放っていた出入口の扉がひとりでに閉まるのを彼女は遠目に見つめた。風のせいだろうかと首を傾げれば、手元で灯したばかりの蝋燭の火が揺らめき、何者かの息によって吹き消える。不可思議な現象に、彼女の動作と思考、双方が同時に止まる。奏者不在のパイプオルガンがゆっくりと讃美歌を奏でればいよいよ不穏な気配が立ち込める。神聖なはずの教会が、邪悪に染まっていく。
xyzoo
DONESW2.5自キャラのルーフェンと幼馴染の過去話※寿命の話 地雷に配慮がない
ルーフェンのゆとしーと
https://yutorize.2-d.jp/ytsheet/sw2.5/?id=ZSx9L1
幼なじみと約束放浪の旅でふらりと立ち寄った街。
やけに混みあった雑貨店で必需品を買い物かごに放り込んでいると、街の人たちの噂話が嫌でも耳に入る。
「二つ隣の町が蛮族に襲われたらしい」
「蛮族に襲われたので村を捨てて逃げてきた」
「街道で商人が襲われて品物が届かない」など。
近頃は蛮族の噂を聞かない日はない。この街に滞在して1週間程だが、いよいよ身近に危機が迫っているらしい。
村を出た幼馴染に憧れ、自分も人を救いたいという気持ちで住んでいた村を飛び出してきたはいいものの、神官がひとりで出来ることは少なく、傷ついた冒険者を見かけては手当をして回る日々が続いていた。
このままではダメだ。
元を絶たねばまた人は襲われる。
回復が出来る範囲ならいい。けれど死んでしまった人は治せない。
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「二つ隣の町が蛮族に襲われたらしい」
「蛮族に襲われたので村を捨てて逃げてきた」
「街道で商人が襲われて品物が届かない」など。
近頃は蛮族の噂を聞かない日はない。この街に滞在して1週間程だが、いよいよ身近に危機が迫っているらしい。
村を出た幼馴染に憧れ、自分も人を救いたいという気持ちで住んでいた村を飛び出してきたはいいものの、神官がひとりで出来ることは少なく、傷ついた冒険者を見かけては手当をして回る日々が続いていた。
このままではダメだ。
元を絶たねばまた人は襲われる。
回復が出来る範囲ならいい。けれど死んでしまった人は治せない。
k_tar0ta
DONEテュオキサタイトルはエリック・サティのシャンソンから。歌詞も調べていただくと妄想が捗ります。
オーケストラ出演後、旅を続ける<炎の剣>一行という謎時空。アルフェンがイベントで仮面なのは未プレイ勢への配慮で衣装の一部なんだと思っている。
谷川史子先生の読切作品のオマージュです。ピンときた方はエア握手しましょう。 2
secret__lo_ve
DONEミルモでポンパロ。過去の記憶がないアルフェンが、不思議な雑貨屋で買ったマグカップに夜食の野菜スープを注ぐと、中からいきなりロウが現れて記憶を取り戻すお手伝いをする…みたいな。
バスドラムを用いて魔法を放つことも出来るけど大抵は拳で解決する。
ほっぺの模様は狼。
last_of_QED
DONER18 執事閣下🐺🦇「うっかり相手の名前を間違えてお仕置きプレイされる主従ください🐺🦇」という有難いご命令に恐れ多くもお応えしました。謹んでお詫び申し上げます。後日談はこちら→ https://poipiku.com/1651141/5571351.html呼んで、俺の名を【呼んで、俺の名を】
抱き抱えた主人を起こさぬよう、寝床の棺へとそっと降ろしてやる。その身はやはり成人男性としては異常に軽く、精神的にこたえるものがある。
深夜の地獄はしんと暗く、冷たい。人間共の思い描く地獄そのものを思わせるほど熱気に溢れ、皮膚が爛れてしまうような日中の灼熱とは打って変わって、夜は凍えるような寒さが襲う。悪魔であれ、地獄の夜は心細い。此処は一人寝には寒過ぎる。
棺桶の中で寝息を立てるのは、我が主ヴァルバトーゼ様。俺が仕えるのは唯一、このお方だけ。それを心に決めた美しい満月の夜からつゆも変わらず、いつ何時も付き従った。
あれから、早四百年が経とうとしている。その間、語り切れぬほどの出来事が俺たちには降り注いだが、こうして何とか魔界の片隅で生きながらえている。生きてさえいれば、幾らでも挽回の余地はある。俺と主は、その時を既に見据えていた。堕落し切った政腐を乗っ取ってやろうというのだ。
2926抱き抱えた主人を起こさぬよう、寝床の棺へとそっと降ろしてやる。その身はやはり成人男性としては異常に軽く、精神的にこたえるものがある。
深夜の地獄はしんと暗く、冷たい。人間共の思い描く地獄そのものを思わせるほど熱気に溢れ、皮膚が爛れてしまうような日中の灼熱とは打って変わって、夜は凍えるような寒さが襲う。悪魔であれ、地獄の夜は心細い。此処は一人寝には寒過ぎる。
棺桶の中で寝息を立てるのは、我が主ヴァルバトーゼ様。俺が仕えるのは唯一、このお方だけ。それを心に決めた美しい満月の夜からつゆも変わらず、いつ何時も付き従った。
あれから、早四百年が経とうとしている。その間、語り切れぬほどの出来事が俺たちには降り注いだが、こうして何とか魔界の片隅で生きながらえている。生きてさえいれば、幾らでも挽回の余地はある。俺と主は、その時を既に見据えていた。堕落し切った政腐を乗っ取ってやろうというのだ。
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DONER18 執事閣下🐺🦇いけないことだ。ずるいことだ。でも、悪魔なのだから、良いのだろうか。二次創作のド定番、媚薬ネタを書きました。R指定するほどではないですが、まだお縄につきたくないので念のため。
悪いこと、いけないこと、その全部【悪いこと、いけないこと、その全部】
手を、離す。風を纏い宙を駆ける。剣を振りかぶり、弓使いを上空から穿てば刃がその存在を魂ごと切り裂いて、悪魔は何事もなかったかのよう時空ゲート上へと着地する。彼を持ち上げ、宙へと投げた狼男が「お見事です」と後方から恭しく頭を下げた。
「アイテム界は癖になっていかんな」
「少々深入りし過ぎたかもしれませんね」
魔界政腐の堕落を憂い、再教育を企む二人は既に魔界下層区、中層区を制圧し終えていた。支持者を得、仲間も増えたことで大所帯になった地獄だが、今アイテム界を行くのは吸血鬼と人狼の二人だけである。志を同じくする仲間たちと言えど所詮は悪魔。何処に行くにも仲良く一緒、などということはない。アイテム界は趣味の世界ではある。攻略については各々が打倒政腐の戦略に差し支えない範囲で行うことが暗黙の了解となっていた。
5624手を、離す。風を纏い宙を駆ける。剣を振りかぶり、弓使いを上空から穿てば刃がその存在を魂ごと切り裂いて、悪魔は何事もなかったかのよう時空ゲート上へと着地する。彼を持ち上げ、宙へと投げた狼男が「お見事です」と後方から恭しく頭を下げた。
「アイテム界は癖になっていかんな」
「少々深入りし過ぎたかもしれませんね」
魔界政腐の堕落を憂い、再教育を企む二人は既に魔界下層区、中層区を制圧し終えていた。支持者を得、仲間も増えたことで大所帯になった地獄だが、今アイテム界を行くのは吸血鬼と人狼の二人だけである。志を同じくする仲間たちと言えど所詮は悪魔。何処に行くにも仲良く一緒、などということはない。アイテム界は趣味の世界ではある。攻略については各々が打倒政腐の戦略に差し支えない範囲で行うことが暗黙の了解となっていた。
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DONE10/6新月🌑執事閣下🐺🦇【つきよみのきみと】月の出を、知らない君と待つ。つきよみのきみと【つきよみのきみと】
忘れてはならなかったはずの記憶は、泡(あぶく)のように弾け消えた。オレは風に魔力を編み込む術(すべ)は愚か、此処に立っている理由を、頭の中にあったはずの悉くを何処かに置き忘れて来てしまったらしい。在るのは記憶の抜け殻としてのこの身体だけ。……「忘れてはならなかった」? はて、オレのような根無し草が何をそのように想うだろう。
ところで、オレに降り注ぐ妖霊族の呪文の嵐を弾き返し、しなやかに槍を振るうこの男は、一体何者であったか。
「おい、大丈夫かフェンリッヒ!?」
フェンリッヒ? ああ、オレのことか。目の先で振るわれた槍が防いで散らした青い魔力。それが頬ギリギリを掠めていく。堆(うずたか)く積み上がったジオブロックの上から、魔物が此方を見下ろし、笑う。
3622忘れてはならなかったはずの記憶は、泡(あぶく)のように弾け消えた。オレは風に魔力を編み込む術(すべ)は愚か、此処に立っている理由を、頭の中にあったはずの悉くを何処かに置き忘れて来てしまったらしい。在るのは記憶の抜け殻としてのこの身体だけ。……「忘れてはならなかった」? はて、オレのような根無し草が何をそのように想うだろう。
ところで、オレに降り注ぐ妖霊族の呪文の嵐を弾き返し、しなやかに槍を振るうこの男は、一体何者であったか。
「おい、大丈夫かフェンリッヒ!?」
フェンリッヒ? ああ、オレのことか。目の先で振るわれた槍が防いで散らした青い魔力。それが頬ギリギリを掠めていく。堆(うずたか)く積み上がったジオブロックの上から、魔物が此方を見下ろし、笑う。