ベレト
大上満
DONEリンレト版ワンドロワンライ『君への贈り物』銀雪ルート
ベレトがリンハルトにサプライズを仕掛ける話です。
君への贈り物「どうしたんですの先生?お茶が冷めてしまいますわよ」
執務の合間のわずかな休憩時間の事。侍女が運んだ茶にも口をつけず、分厚い商品目録(カタログ)を開きなにやら難しい顔をして考え込んでいるベレトへフレンが声をかけてくる。
「……今年のリンハルトの誕生日に何を贈るか考えていた」
「まあ」
フレンの表情がぱっと明るくなる。夢見る乙女の眼差しで両手を合わせ「あいかわらずぞっこんですのね」と口元を綻ばせる。
「書物は普段から贈っているし、花はすぐ枯れる……」
貴族の出であるリンハルトはそもそも物欲が薄い。大抵のものは最初から揃っているものだから、欲しいものを聞いても毎回首を傾げてしまう。
「ひさしぶりに手作りのお菓子を用意するというのはどうでしょう?」
2281執務の合間のわずかな休憩時間の事。侍女が運んだ茶にも口をつけず、分厚い商品目録(カタログ)を開きなにやら難しい顔をして考え込んでいるベレトへフレンが声をかけてくる。
「……今年のリンハルトの誕生日に何を贈るか考えていた」
「まあ」
フレンの表情がぱっと明るくなる。夢見る乙女の眼差しで両手を合わせ「あいかわらずぞっこんですのね」と口元を綻ばせる。
「書物は普段から贈っているし、花はすぐ枯れる……」
貴族の出であるリンハルトはそもそも物欲が薄い。大抵のものは最初から揃っているものだから、欲しいものを聞いても毎回首を傾げてしまう。
「ひさしぶりに手作りのお菓子を用意するというのはどうでしょう?」
大上満
DONEリンレト版ワンドロワンライ「瞳」で参加しました。ベレトとリンハルトが線香花火をする話です。
WRainbowさんが以前描かれた花火をする二人の絵と「リンハルトは花火よりベレトに夢中」という添え書きにインスパイアされて書きました。
(※掲載許可済みです)
「瞳」 リンハルトは藍晶石みたいな瞳でよくベレトを凝視してくる。
大抵は好奇心に満ちたきらきらした眼差し。実験対象を見つめる学者然とした知的な双眸。
ベレトに炎の紋章が宿っていると知るや、リンハルトはことあるごとにまとわりついてはベレトを観察してきた。
(最初は自分に欠片も興味がなさそうだったのにな)
それを思い出す時、ベレトはいつも微苦笑してしまう。
ベレト自身はハンネマンに調べられるまで己が紋章持ちであることすら認識していなかったが、相当に珍しいものらしい。
そんなわけで彼が親愛の情を寄せてくるのも、興味深い研究対象であるということの延長だろうと思っていた。言葉からも表情からも溢れんばかりの好意が伝わってくるが、それ以上の意味はないだろうと。紋章学に対する情熱が別の形をとっているだけであろうと。
2620大抵は好奇心に満ちたきらきらした眼差し。実験対象を見つめる学者然とした知的な双眸。
ベレトに炎の紋章が宿っていると知るや、リンハルトはことあるごとにまとわりついてはベレトを観察してきた。
(最初は自分に欠片も興味がなさそうだったのにな)
それを思い出す時、ベレトはいつも微苦笑してしまう。
ベレト自身はハンネマンに調べられるまで己が紋章持ちであることすら認識していなかったが、相当に珍しいものらしい。
そんなわけで彼が親愛の情を寄せてくるのも、興味深い研究対象であるということの延長だろうと思っていた。言葉からも表情からも溢れんばかりの好意が伝わってくるが、それ以上の意味はないだろうと。紋章学に対する情熱が別の形をとっているだけであろうと。
大上満
DONE銀雪ルート 支援S後過労で倒れるベレトの話
※8月30日 加筆修正しました。
「虫の音」「休養」 ひんやりと肌に心地良い涼風を感じてベレトは瞼を開いた。横を向いてみれば少し開いた窓から風が吹き込み、カーテンをはためかせている。
そして彼の横たわっているベッドの傍にはリンハルトが椅子に腰掛け、無表情にベレトの様子を見守っている。
目が覚めて最初に考えたのは自分はどうしてこんなところにいるのだろうという疑問である。意識のないうちに先ほどまで身につけていた法衣も脱がされ、今は呼吸が楽になるように胸元をゆるめた寝衣に着替えさせられていた。
「リンハルト……」
「気がついたみたいですね。体の調子はどうですか?」
「少しだるいが動けないほどじゃない」
リンハルトは彼の不養生を非難するかのような眼差しをベレトへ向けてくる。その視線を受け、ようやく自分が来客との謁見中に倒れた事をベレトは思い出す。
2325そして彼の横たわっているベッドの傍にはリンハルトが椅子に腰掛け、無表情にベレトの様子を見守っている。
目が覚めて最初に考えたのは自分はどうしてこんなところにいるのだろうという疑問である。意識のないうちに先ほどまで身につけていた法衣も脱がされ、今は呼吸が楽になるように胸元をゆるめた寝衣に着替えさせられていた。
「リンハルト……」
「気がついたみたいですね。体の調子はどうですか?」
「少しだるいが動けないほどじゃない」
リンハルトは彼の不養生を非難するかのような眼差しをベレトへ向けてくる。その視線を受け、ようやく自分が来客との謁見中に倒れた事をベレトは思い出す。
Satsuki
DOODLE◎無双のレトユリ。ジェラルト&ベレトの支援会話を擦った結果。220821(220809)歩まなかった過去と未来「ふうん、なかなか様になっちゃあいるが……着心地はどうだ?」
ユーリスの言葉に、ベレトは自分の格好をしげしげと見下ろした。この士官学校の礼服は、ユーリスが数年前に使用していたものだという。父であるジェラルトがかつて騎士団長を務めていた、セイロス騎士団。その本拠地であるガルグ=マク大修道院に併設されている士官学校に、自分が入学する道もあったのかもしれない。以前そんな話を聞かせた時に、じゃあ気分だけでも味わってみるか、なんて笑っていたユーリスが、わざわざ自分の服を持って来てくれたのだ。
「少し、きついな……それに、動きがとりにくい」
「ま、礼服は戦闘向けじゃねえしな」
言いながら、ユーリスは両手を伸ばしてベレトの首元を緩めてやる。肩や背中も、ちょっと、いや結構な具合で窮屈そうだ。ユーリスが十代の頃に着ていたものなのだ、仕方がないだろう。かくいう本人も当時の級長服を身に付けてみているのだが、やはりこの戦争のせいで筋肉がつき、体格が変わったらしく、寸法が合わなくなっている。
1363ユーリスの言葉に、ベレトは自分の格好をしげしげと見下ろした。この士官学校の礼服は、ユーリスが数年前に使用していたものだという。父であるジェラルトがかつて騎士団長を務めていた、セイロス騎士団。その本拠地であるガルグ=マク大修道院に併設されている士官学校に、自分が入学する道もあったのかもしれない。以前そんな話を聞かせた時に、じゃあ気分だけでも味わってみるか、なんて笑っていたユーリスが、わざわざ自分の服を持って来てくれたのだ。
「少し、きついな……それに、動きがとりにくい」
「ま、礼服は戦闘向けじゃねえしな」
言いながら、ユーリスは両手を伸ばしてベレトの首元を緩めてやる。肩や背中も、ちょっと、いや結構な具合で窮屈そうだ。ユーリスが十代の頃に着ていたものなのだ、仕方がないだろう。かくいう本人も当時の級長服を身に付けてみているのだが、やはりこの戦争のせいで筋肉がつき、体格が変わったらしく、寸法が合わなくなっている。
藤林紫
DOODLEらくがきまとめアーニャ(S×F)、9S(ニーア)、メジロマックイーン(ウマ娘)、ベレト(風花雪月)、ディミトリ(風花雪月)、ウォリック(GANGSTA.)ウォリック少年期(GANGSTA.)、乙骨(呪術)、P5(祐介)、水晶公(FF14)、剣持刀也(🌈🕒) 13
リコ(Kio)箱
DONE2022/5/14風花雪月CPなしWEBオンリー用の展示です。(全体公開しました)不思議な空間で紡がれていく、蒼月シルヴァンの抱えるものと青獅子の皆への眩しさ、それを見守り導くベレト先生の、なんともイメージ的…?な小説です。(※1枚目はカットに使った絵です)
当日ご覧下さった皆様、ありがとうございました~! 7
さばくん
DONE2022/4/17リンレトwebオンリー「絆されて微睡んで」にて募集しましたエアスケブ
お題「料理するベレトと、抱きついてくるリンハルトのリンレト」
です!リクエストありがとうございました!
なんか…現パロの朝になってしまった…許して…🙏
さばくん
DONE2022/4/17リンレトwebオンリー「絆されて微睡んで」にて募集しましたエアスケブ
お題「眠っているリンハルトに蝶々がとまっているのを微笑ましく隣で見守るベレト」
です!リクエストありがとうございました!
1TIHDkVgbpxDJTI
MAIKINGディミトリとベレトが幼少期出会っていたらIF。可愛らしいお人形を貰った王子様。
プレテンドプレイ 番外編プレテンドプレイ番外編
「ギュスタヴはああ言ったけど、俺は男なんだ。お人形遊びはしないよ」
「……」
二人で遊んでおいでなさい、とギュスタヴに言われ、ディミトリは人形と一緒に渋々中庭に出てはみたものの、何をすればよいのか分からない。
人形は黙って俺のあとをついてくる。
二つの冷たい目が、俺を見つめる。なんだが居心地が悪い。振り切って逃げ出してしまえれば楽だが、ギュスタヴが見張っているし。
「イングリットだって、女の子なのにままごとよりも剣の修練のほうが好きなくらいだ。それなのに……」
「剣の練習……する」
人形が喋った。
どきりとして振り返るが、その目から喜びも期待も読み取ることはできない。ただ、淡々と話しているだけのようだ。
1563「ギュスタヴはああ言ったけど、俺は男なんだ。お人形遊びはしないよ」
「……」
二人で遊んでおいでなさい、とギュスタヴに言われ、ディミトリは人形と一緒に渋々中庭に出てはみたものの、何をすればよいのか分からない。
人形は黙って俺のあとをついてくる。
二つの冷たい目が、俺を見つめる。なんだが居心地が悪い。振り切って逃げ出してしまえれば楽だが、ギュスタヴが見張っているし。
「イングリットだって、女の子なのにままごとよりも剣の修練のほうが好きなくらいだ。それなのに……」
「剣の練習……する」
人形が喋った。
どきりとして振り返るが、その目から喜びも期待も読み取ることはできない。ただ、淡々と話しているだけのようだ。