ベレト
Satsuki
PROGRESS3/10サンプル追加しました。3月17日(日)に開催される、「刻印の誇り21」にてヒーローズ軸のレトユリまとめ本を発行予定です。本編軸でユーリスをロストしているベレト先生が、アスクで悩んでいる話の完結編を鋭意執筆中です。よろしくお願いします。本日はイベントに合わせて進捗を載せておきます。まだ下書き状態です……240211
かわたれどきのふたりたび
帝国歴一一八七年
目を覚ますと、部屋の空気はシンと冷たくベレトを包んでいた。ひとつ大きく息を吐き、毛布の誘惑から身を引きはがす。窓の外は、どうやら雪が降っているらしかった。
戦争が終結し、新しい未来を切り開いた代わりに、人々は多くを失った。この先も彼等を導き続け、このフォドラを治めて行かねばならない。
勝者は死体の上を歩き、そこに道を創る。後ろを見ている暇などない。縋り付く民の手を取り、傷ついた仲間たちを率いて、歩き続けなくてはならない。より良い未来を夢見て、自分の道を進み行くために斬った者たちへの、それが手向けだ。
手向け。そうだ、敵だけではなく、自分のために死んでいった仲間に報いるためにも、歩き続ける必要があった。歩くのは得意だ。今も、昔もそうだった。
4904帝国歴一一八七年
目を覚ますと、部屋の空気はシンと冷たくベレトを包んでいた。ひとつ大きく息を吐き、毛布の誘惑から身を引きはがす。窓の外は、どうやら雪が降っているらしかった。
戦争が終結し、新しい未来を切り開いた代わりに、人々は多くを失った。この先も彼等を導き続け、このフォドラを治めて行かねばならない。
勝者は死体の上を歩き、そこに道を創る。後ろを見ている暇などない。縋り付く民の手を取り、傷ついた仲間たちを率いて、歩き続けなくてはならない。より良い未来を夢見て、自分の道を進み行くために斬った者たちへの、それが手向けだ。
手向け。そうだ、敵だけではなく、自分のために死んでいった仲間に報いるためにも、歩き続ける必要があった。歩くのは得意だ。今も、昔もそうだった。
sesami___n
DONE【5年目の同窓会展示②】無双レトユリ支援S妄想イラスト安宿で逢瀬している無双レトユリが支援Sするシーンです。寝台でくつろぎながら互いが大事にしている兵法の指南書と銀の指輪を交換しています。ユーリスはベレトが寝てる間に指のサイズ計ってそうだなと思いました!
当初ポストカード企画用にと思って描いたものなのですが設定がわかりにくく込み入った内容だったので個人的な展示とさせていただきました
uta_mss
DONE【再録】CPなしディミトリ愛されのアイドルパロ本。青獅子の男の子+ベレトが出てきます。
みんな幸せであれ~!という思いを詰め込みました。少しでも楽しんでもらえたら嬉しいです。
(パスワードはイベント会場のお品書きに記載してあります) 32
ginn_3331
DONEレトリン5年後、支援S前
ベレトが自分だけの片思いだと思っている。生徒に手を出すことに若干の躊躇いがある。
夜の花園あたりはすっかり闇に覆われ、静かな時間が流れている。
見回りの当番を終え、自室へと向かう。今晩は月がはっきりと見える夜だ。
薔薇の咲く中庭に差し掛かる。中庭はよく手入れされ、今は白い薔薇が競うように咲いている。上品な甘い香りがあたりにうっすらと漂う。この時期は気温が上がってきて優しい夜の闇はなんとも居心地が良い。
ふと遠目で見慣れた人影が落ちていることに気づく。
夜闇の中でも白い肌が輝いてるかのようにはっきりと見て取れる。近づいて目を凝らせばすうすうと浅い寝息と共に胸が上下していた。
「風邪を引くよ」
膝をつき肩をたたく。
「ん…むぅ…」
リンハルトはゆっくりと目を開ける。ちらりと目が合うが、そのまま目を閉じて身体を丸めてしまった。
2174見回りの当番を終え、自室へと向かう。今晩は月がはっきりと見える夜だ。
薔薇の咲く中庭に差し掛かる。中庭はよく手入れされ、今は白い薔薇が競うように咲いている。上品な甘い香りがあたりにうっすらと漂う。この時期は気温が上がってきて優しい夜の闇はなんとも居心地が良い。
ふと遠目で見慣れた人影が落ちていることに気づく。
夜闇の中でも白い肌が輝いてるかのようにはっきりと見て取れる。近づいて目を凝らせばすうすうと浅い寝息と共に胸が上下していた。
「風邪を引くよ」
膝をつき肩をたたく。
「ん…むぅ…」
リンハルトはゆっくりと目を開ける。ちらりと目が合うが、そのまま目を閉じて身体を丸めてしまった。
sendou
MENU【2023/11/23(木)こくほこ20】東6み19b「バメキャン」おしながきです。
新刊・既刊サンプル、全文公開などのURLまとめページは→https://privatter.net/p/10571636
ベレト先生とリンハルトが支援Sの関係を上下左右ないと思いながら描いており、すべて全年齢本です。
同スペースで弊サークル・カザハナさんの跡日本も頒布になります。
よろしくお願いします。
Lac
MEMOエンゲージの紋章士ベレトとオルテンシアの、レトソティ+オルテンシアの話。契りの指輪「よく頑張ったね、満点だ。」
「ありがとうベレト、あなたの指導のお陰よ!」
穏やかな雰囲気に包まれた昼下がりのカフェテラスに、快活な少女の声が響き渡る。今日は学びを求める仲間達に向けて不定期に開催される、紋章士ベレトの個人授業の日だ。士官学校の教師であった彼の教える内容は実用性に富んでおり、戦術の座学から剣術、体術、魔術の実技まで求められた事柄によって授業を変える。本日の授業は、オルテンシアが苦手としていた戦術の試験の日程だった。
(初めて顕現された姿を見た時は、冷たい印象を持っていたけど…)
「オルテンシア、何か分からない事でも?」
「ううん、あなたの教え方は丁寧だから何も問題無いわ。ただ…」
オルテンシアが慌てて否定の意を伝えると、紋章士に共通した碧眼が細められる。生徒が理解するまで内容を噛み砕いて何度でも教え導いてくれるベレトの姿は、生徒想いの優しい先生そのものだった。
3450「ありがとうベレト、あなたの指導のお陰よ!」
穏やかな雰囲気に包まれた昼下がりのカフェテラスに、快活な少女の声が響き渡る。今日は学びを求める仲間達に向けて不定期に開催される、紋章士ベレトの個人授業の日だ。士官学校の教師であった彼の教える内容は実用性に富んでおり、戦術の座学から剣術、体術、魔術の実技まで求められた事柄によって授業を変える。本日の授業は、オルテンシアが苦手としていた戦術の試験の日程だった。
(初めて顕現された姿を見た時は、冷たい印象を持っていたけど…)
「オルテンシア、何か分からない事でも?」
「ううん、あなたの教え方は丁寧だから何も問題無いわ。ただ…」
オルテンシアが慌てて否定の意を伝えると、紋章士に共通した碧眼が細められる。生徒が理解するまで内容を噛み砕いて何度でも教え導いてくれるベレトの姿は、生徒想いの優しい先生そのものだった。
Lac
MEMO各ルートのベレトとソティスの日常話詰め。3.翠風+α年後、少し遅いセテスとフレンとソティスの目覚めを待つベレトのトリオエンドのif話。
翠風が止んだら「きょうだい。あんたは、」
沢山の子孫達に囲まれて、実にクロードらしい大往生だったと思う。憎たらしい程に眩しい笑顔で、良い人生だったと語るきょうだいの笑い皺が濃く残る顔が今も網膜に焼き付いている。
「行くのか?」
「ああ、世界をこの足で見て回りたくてなって。」
豪奢な金の装飾と清廉な白装束を脱ぎ捨て着なれた黒衣を身に纏った所で、背にかけられたセテスの言葉に答える。何十年とあったこの声を聞くのも最後になるだろうか。
「ねえ先生。その旅の仲間に、私も加えてくれませんこと?」
「フレン?」
思わぬ提案に瞼を瞬かせる。生徒も仲間たちも皆亡くなり先生と呼ばれる事も無くなったと思っていたが、まだフレンが残っていたか。
2149沢山の子孫達に囲まれて、実にクロードらしい大往生だったと思う。憎たらしい程に眩しい笑顔で、良い人生だったと語るきょうだいの笑い皺が濃く残る顔が今も網膜に焼き付いている。
「行くのか?」
「ああ、世界をこの足で見て回りたくてなって。」
豪奢な金の装飾と清廉な白装束を脱ぎ捨て着なれた黒衣を身に纏った所で、背にかけられたセテスの言葉に答える。何十年とあったこの声を聞くのも最後になるだろうか。
「ねえ先生。その旅の仲間に、私も加えてくれませんこと?」
「フレン?」
思わぬ提案に瞼を瞬かせる。生徒も仲間たちも皆亡くなり先生と呼ばれる事も無くなったと思っていたが、まだフレンが残っていたか。
Lac
MEMO各ルートのベレトとソティスの日常話詰め。2.蒼月後、ディミトリとシルヴァンとレトソティの話。ほんの少しだけ救国王に妬く大司教が居たとか。
慈母敗子「うわ、酒臭っ!」
「…随分な物言いだな。」
挨拶もそっちのけに、部屋を充満するアルコールの匂いに顔を顰める。また仕事を詰め込んでいるかと思えば、珍しく酒を飲んでいたのであろう部屋の主にシルヴァンが小さく笑みを浮かべた。
「ドゥドゥーに執務室の見回りを頼まれたんですよ。心当たりがあるでしょう?」
「…ああ、いつもすまないと思っている。」
「まあその生真面目さは性分でしょうし、オレは構いませんがね…」
ふと視線を執務室の机へと向けると、見慣れたセイロス教の紋章が刻まれた白緑色の便箋が目に映った。節に一度、ガルグマク大修道院から届けられる国王宛の封筒には三枚の手紙が入っていると聞いている。一つは大司教補佐のチェックがはいっているであろう文言が書かれた手紙、もう一つは青獅子学級の先生としてのベレトからの日常報告を兼ねた手紙。そして最後に、筆跡は先生のものではあるが中身は母が子を心配する様なベレトの伴侶からの手紙だった。
2869「…随分な物言いだな。」
挨拶もそっちのけに、部屋を充満するアルコールの匂いに顔を顰める。また仕事を詰め込んでいるかと思えば、珍しく酒を飲んでいたのであろう部屋の主にシルヴァンが小さく笑みを浮かべた。
「ドゥドゥーに執務室の見回りを頼まれたんですよ。心当たりがあるでしょう?」
「…ああ、いつもすまないと思っている。」
「まあその生真面目さは性分でしょうし、オレは構いませんがね…」
ふと視線を執務室の机へと向けると、見慣れたセイロス教の紋章が刻まれた白緑色の便箋が目に映った。節に一度、ガルグマク大修道院から届けられる国王宛の封筒には三枚の手紙が入っていると聞いている。一つは大司教補佐のチェックがはいっているであろう文言が書かれた手紙、もう一つは青獅子学級の先生としてのベレトからの日常報告を兼ねた手紙。そして最後に、筆跡は先生のものではあるが中身は母が子を心配する様なベレトの伴侶からの手紙だった。
Lac
MEMO各ルートのベレトとソティスの日常話詰め。1.アスク王国で菓子作りをする、気まぐれな魔女ソティスと従者の悪魔ベレトのとある収穫祭での話。
湯気ごしの幸福「甘い香りに誘われて来てみれば、今回は随分と凝った菓子を作っておるようじゃな?」
「ああ、これはパンプキンパイの底に仕込む林檎のコンポートだよ。南瓜と林檎は相性が良いのだと、食堂に居た料理上手な青年に教えられて。」
「それは良い事じゃな。どれ、わしも手伝おう。」
頭ひとつ分低い所にある緑の髪の少女、ソティスが自信満々な様子で隣へと並び立つ。ベレトは予備の腰エプロンを手渡しながらも、手慣れたソティスの様子に小さく首を傾げていた。
「焼き菓子の作り方を知っているのか?」
「どれだけわしが、おぬしの側で手順を見てきたと思う。先日焼いていたアップルパイの応用じゃろ?」
「それもそうか、ありがとうソティス。」
「なに、報酬として一切れは貰うがのう。」
1834「ああ、これはパンプキンパイの底に仕込む林檎のコンポートだよ。南瓜と林檎は相性が良いのだと、食堂に居た料理上手な青年に教えられて。」
「それは良い事じゃな。どれ、わしも手伝おう。」
頭ひとつ分低い所にある緑の髪の少女、ソティスが自信満々な様子で隣へと並び立つ。ベレトは予備の腰エプロンを手渡しながらも、手慣れたソティスの様子に小さく首を傾げていた。
「焼き菓子の作り方を知っているのか?」
「どれだけわしが、おぬしの側で手順を見てきたと思う。先日焼いていたアップルパイの応用じゃろ?」
「それもそうか、ありがとうソティス。」
「なに、報酬として一切れは貰うがのう。」
suna
DONE2023/07/16~17開催のディミレトWebオンリー『蒼月の銀灰花~SummerHoneymoon~』の展示小説です。自分は恋をすることはないと思っていたベレト先生の初恋の話です。 7446
suna
DONE2023/07/16~17開催のディミレトWebオンリー『蒼月の銀灰花~SummerHoneymoon~』の展示小説です。恋をすることはないと思っていたベレト先生が、初めての恋を知る話です。
赤い実はじけた「結婚を申し込まれた」
少しは驚かれるかという予想に反して、セテスはそうかと頷いただけだった。ベレトの補佐を務めるうちに多少のことでは動じなくなったのかもしれない。頼もしい限りである。
「…うん?だが国王陛下からの書簡は三日前に届いたばかりでは?」
「なんでディミトリが出てくるんだ?」
疑問を素直に口にしてベレトが首を傾げると、とたんにセテスの顔つきが厳しいものに変わった。眉間の皺がいつもよりも一本多い。取れなくなるぞと指摘してしまうと、誰のせいだと責められるのが分かっているので見て見ぬふりをする。
「…いったい誰に、求婚されたのかね」
常よりも低い声に問われてガルグ=マクにほど近い領土を治める若き侯爵の名を告げれば、眉間の皺がさらに一本追加された。
7444少しは驚かれるかという予想に反して、セテスはそうかと頷いただけだった。ベレトの補佐を務めるうちに多少のことでは動じなくなったのかもしれない。頼もしい限りである。
「…うん?だが国王陛下からの書簡は三日前に届いたばかりでは?」
「なんでディミトリが出てくるんだ?」
疑問を素直に口にしてベレトが首を傾げると、とたんにセテスの顔つきが厳しいものに変わった。眉間の皺がいつもよりも一本多い。取れなくなるぞと指摘してしまうと、誰のせいだと責められるのが分かっているので見て見ぬふりをする。
「…いったい誰に、求婚されたのかね」
常よりも低い声に問われてガルグ=マクにほど近い領土を治める若き侯爵の名を告げれば、眉間の皺がさらに一本追加された。
大上満
DONE6月10日リンレトお題『小雨のなかで』で参加させていただきました。紅花ルートです。
学生リンハルトとベレトの話です。
小雨のなかで(先生、今日も出てこないや……)
ベレトの部屋の前を通りがかったリンハルトは一度立ち止まり、外側から中の様子を窺う。
あいかわらず天気はぐずついて、灰白の雲がほとほとと竪琴の弦の色をした小雨を落としている。かろうじて目に映るくらいの細かなそれはリンハルトの制服をほんのりと濡らして、音も無く地上に吸い込まれていく。あの日……ジェラルトが亡くなった日も雨であり、濡れた地面の臭いはおのずと墓地の湿った土の記憶を呼び覚ました。
ほんの数日前の事である。黒鷲(クラスメイト)の女生徒モニカに刺されジェラルトはその命を落としたのだ。最強と呼び声高い傭兵団の団長としてはあっけない最後だった。
葬儀を済ませた後、ベレトはふさぎ込み部屋にひきこもった。大司教レアもベレトを気遣い彼が落ち着くまでの間、無期限の休暇を与えることとした。
3080ベレトの部屋の前を通りがかったリンハルトは一度立ち止まり、外側から中の様子を窺う。
あいかわらず天気はぐずついて、灰白の雲がほとほとと竪琴の弦の色をした小雨を落としている。かろうじて目に映るくらいの細かなそれはリンハルトの制服をほんのりと濡らして、音も無く地上に吸い込まれていく。あの日……ジェラルトが亡くなった日も雨であり、濡れた地面の臭いはおのずと墓地の湿った土の記憶を呼び覚ました。
ほんの数日前の事である。黒鷲(クラスメイト)の女生徒モニカに刺されジェラルトはその命を落としたのだ。最強と呼び声高い傭兵団の団長としてはあっけない最後だった。
葬儀を済ませた後、ベレトはふさぎ込み部屋にひきこもった。大司教レアもベレトを気遣い彼が落ち着くまでの間、無期限の休暇を与えることとした。
大上満
DONEリンレト版ワンドロワンライ『寝ていると思ったのに』で参加させていただきました!紅花ルート
学生リンハルトとベレトの話
ほんのちょっとだけ隠居後のおまけがあります。
寝ていると思ったのに 授業の休憩時間。
ガルグ=マク大修道院の裏庭、あまり目立たない場所にある大樹の根元で片膝を立てて座り、眠りこんでいるベレトをリンハルトは見つけた。
(先生、こんなところで眠るなんて珍しいな……)
気持ちの良い陽気にまどろみ、昼寝に適した場所を探してうろついていたリンハルトはそんなベレトを偶然発見したのだった。
リンハルトはベレトの衣服に触れるか触れないかというぎりぎりのところまで近づき、しゃがみこんでベレトの端正な顔を下から覗き込みしげしげと観察する。涼やかな目元や鼻筋が通った中心部、頬から顎にかけてのライン、両耳のひだ、ほのかに色づいた唇……。彼を構成する一つ一つのパーツや藍色の毛髪を熱心に観察する。続いて均整のとれた戦士らしいがっしりとした体躯、頑丈な靴に覆われた足先まで順繰りに眺め回す。
2130ガルグ=マク大修道院の裏庭、あまり目立たない場所にある大樹の根元で片膝を立てて座り、眠りこんでいるベレトをリンハルトは見つけた。
(先生、こんなところで眠るなんて珍しいな……)
気持ちの良い陽気にまどろみ、昼寝に適した場所を探してうろついていたリンハルトはそんなベレトを偶然発見したのだった。
リンハルトはベレトの衣服に触れるか触れないかというぎりぎりのところまで近づき、しゃがみこんでベレトの端正な顔を下から覗き込みしげしげと観察する。涼やかな目元や鼻筋が通った中心部、頬から顎にかけてのライン、両耳のひだ、ほのかに色づいた唇……。彼を構成する一つ一つのパーツや藍色の毛髪を熱心に観察する。続いて均整のとれた戦士らしいがっしりとした体躯、頑丈な靴に覆われた足先まで順繰りに眺め回す。
sendou
PROGRESSベレト先生とリンハルト アナログでやったネームを貼り込んでセリフ入れ終わり あと絵を描くだけ 内容としては指輪渡せてない先生が、ほかの先生みたいに夜明けの女神の塔で渡してスチルを出そうとするギャグ漫画(全文web公開予定) 2大上満
DONEリンレト版ワンドロワンライ『君への贈り物』銀雪ルート
ベレトがリンハルトにサプライズを仕掛ける話です。
君への贈り物「どうしたんですの先生?お茶が冷めてしまいますわよ」
執務の合間のわずかな休憩時間の事。侍女が運んだ茶にも口をつけず、分厚い商品目録(カタログ)を開きなにやら難しい顔をして考え込んでいるベレトへフレンが声をかけてくる。
「……今年のリンハルトの誕生日に何を贈るか考えていた」
「まあ」
フレンの表情がぱっと明るくなる。夢見る乙女の眼差しで両手を合わせ「あいかわらずぞっこんですのね」と口元を綻ばせる。
「書物は普段から贈っているし、花はすぐ枯れる……」
貴族の出であるリンハルトはそもそも物欲が薄い。大抵のものは最初から揃っているものだから、欲しいものを聞いても毎回首を傾げてしまう。
「ひさしぶりに手作りのお菓子を用意するというのはどうでしょう?」
2281執務の合間のわずかな休憩時間の事。侍女が運んだ茶にも口をつけず、分厚い商品目録(カタログ)を開きなにやら難しい顔をして考え込んでいるベレトへフレンが声をかけてくる。
「……今年のリンハルトの誕生日に何を贈るか考えていた」
「まあ」
フレンの表情がぱっと明るくなる。夢見る乙女の眼差しで両手を合わせ「あいかわらずぞっこんですのね」と口元を綻ばせる。
「書物は普段から贈っているし、花はすぐ枯れる……」
貴族の出であるリンハルトはそもそも物欲が薄い。大抵のものは最初から揃っているものだから、欲しいものを聞いても毎回首を傾げてしまう。
「ひさしぶりに手作りのお菓子を用意するというのはどうでしょう?」
大上満
DONEリンレト版ワンドロワンライ「瞳」で参加しました。ベレトとリンハルトが線香花火をする話です。
WRainbowさんが以前描かれた花火をする二人の絵と「リンハルトは花火よりベレトに夢中」という添え書きにインスパイアされて書きました。
(※掲載許可済みです)
「瞳」 リンハルトは藍晶石みたいな瞳でよくベレトを凝視してくる。
大抵は好奇心に満ちたきらきらした眼差し。実験対象を見つめる学者然とした知的な双眸。
ベレトに炎の紋章が宿っていると知るや、リンハルトはことあるごとにまとわりついてはベレトを観察してきた。
(最初は自分に欠片も興味がなさそうだったのにな)
それを思い出す時、ベレトはいつも微苦笑してしまう。
ベレト自身はハンネマンに調べられるまで己が紋章持ちであることすら認識していなかったが、相当に珍しいものらしい。
そんなわけで彼が親愛の情を寄せてくるのも、興味深い研究対象であるということの延長だろうと思っていた。言葉からも表情からも溢れんばかりの好意が伝わってくるが、それ以上の意味はないだろうと。紋章学に対する情熱が別の形をとっているだけであろうと。
2620大抵は好奇心に満ちたきらきらした眼差し。実験対象を見つめる学者然とした知的な双眸。
ベレトに炎の紋章が宿っていると知るや、リンハルトはことあるごとにまとわりついてはベレトを観察してきた。
(最初は自分に欠片も興味がなさそうだったのにな)
それを思い出す時、ベレトはいつも微苦笑してしまう。
ベレト自身はハンネマンに調べられるまで己が紋章持ちであることすら認識していなかったが、相当に珍しいものらしい。
そんなわけで彼が親愛の情を寄せてくるのも、興味深い研究対象であるということの延長だろうと思っていた。言葉からも表情からも溢れんばかりの好意が伝わってくるが、それ以上の意味はないだろうと。紋章学に対する情熱が別の形をとっているだけであろうと。
大上満
DONE銀雪ルート 支援S後過労で倒れるベレトの話
※8月30日 加筆修正しました。
「虫の音」「休養」 ひんやりと肌に心地良い涼風を感じてベレトは瞼を開いた。横を向いてみれば少し開いた窓から風が吹き込み、カーテンをはためかせている。
そして彼の横たわっているベッドの傍にはリンハルトが椅子に腰掛け、無表情にベレトの様子を見守っている。
目が覚めて最初に考えたのは自分はどうしてこんなところにいるのだろうという疑問である。意識のないうちに先ほどまで身につけていた法衣も脱がされ、今は呼吸が楽になるように胸元をゆるめた寝衣に着替えさせられていた。
「リンハルト……」
「気がついたみたいですね。体の調子はどうですか?」
「少しだるいが動けないほどじゃない」
リンハルトは彼の不養生を非難するかのような眼差しをベレトへ向けてくる。その視線を受け、ようやく自分が来客との謁見中に倒れた事をベレトは思い出す。
2325そして彼の横たわっているベッドの傍にはリンハルトが椅子に腰掛け、無表情にベレトの様子を見守っている。
目が覚めて最初に考えたのは自分はどうしてこんなところにいるのだろうという疑問である。意識のないうちに先ほどまで身につけていた法衣も脱がされ、今は呼吸が楽になるように胸元をゆるめた寝衣に着替えさせられていた。
「リンハルト……」
「気がついたみたいですね。体の調子はどうですか?」
「少しだるいが動けないほどじゃない」
リンハルトは彼の不養生を非難するかのような眼差しをベレトへ向けてくる。その視線を受け、ようやく自分が来客との謁見中に倒れた事をベレトは思い出す。