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    三次創作

    なまたまご

    TRAININGラノベ作家大倶利伽羅先生と家事代行にょたんばちゃの話2ndシーズンドキドキ温泉旅行編
    序です。

    ※この話はますおさんによる設定をもとにした三次創作です。
    山姥切と初めて会った日、鶴丸は山姥切を俺に舞い降りた天使だと形容した。今となって考えると、それもあながち間違いではなかったかもしれない。

        ◇

     山姥切と出会ってから気づけば2年ほど経っていた。俺の初めてのヒット作、『俺ん家のエロすぎる無表情エルフメイドをどうにかしてくれないか』通称えるどうはアニメ化が決まった。毎度頭を悩ませられるお色気や、恋愛要素を増やしたことが功を奏したのだ。巻数は8巻に届き、発行部数も伸びて毎月の貯金額が少しだけ増えた。全ては順調、なのだろう。そう全く思えないのは2年もこの女と居るというのに、いつまでも振り回されているままであるからだ。それは恐らく…俺がこの女に好意を抱いているらしいと自覚したからという原因も関係しているだろう。誠に遺憾である。しかし、だから何だというのだ。俺はそれをあいつに告げる気はなかった。言ってどうなる?あの女が作る飯は嫌いじゃない。あの女がただこの部屋にいる時間がもはや当たり前だ。無闇にそれを壊すくらいなら、何もしないほうがいい。
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    なまたまご

    TRAININGコスメカウンターに居るやけ“とお客さんの新卒OLにょたんばちゃんの話2。出会い編後半です。

    この話は、小ゆずさんによるやげんばの設定をお借りした三次創作です。
    片側のオレンジは愛を知っている。俺とその女は、アイシャドウのディスプレイで候補を見繕い、カウンターに戻った。その候補に上がったのは3つのパレットで、それぞれブラウン、ピンク、オレンジを基調にしたパレットだった。俺に言わせるならもう答えは決まっている。ブラウンしかない。だが俺はあえてそれを口にせず、この女が恐る恐る手に取ったピンクのパレットと悩ましげな視線を送ったオレンジのパレットに手を伸ばし、ここへ持ち帰った。
    「ご自分でお付けになりますか?」
    「いや…お、お願いしたいんですけど…。」
    「はい、かしこまりました。どちらから試されますか?」
    「…茶色のやつ、で。」
    「かしこまりました。では準備させて頂きますね。」
    「お願いします…。」
    俺は閉じられたあどけない瞼にベースを塗って、アイシャドウを重ねた。グラデーションを作り、瞼の上にハイライトを入れて、それとなく仕上げる。それから女に鏡を見せて、出来栄えと所感を聞いた。女は鏡を見た瞬間に、驚いて目を見張った。印象が変わった自分の顔が、まるで自分ではないように見えたのだろう。
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