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    ソノメ

    SPUR ME本当に序盤の序盤のみですが、完成までの尻叩きになればなという感じで……

    ヴィと🍔で働いているロの出会いパートのみです
    もしも🍽で働かなかったらifヴィロその日、ヴィンセントはレストランで提供する新メニューのために御用達の食料雑貨店へ向かっていた。普段通っていた道が、生憎工事によって通行止めされてたことが理由で少しばかり遠回りをしたために、いつもの日常の中で見ているものとは違った道、異なった風景、まったく変わった雰囲気がヴィンセントを迎える。ヴィンセントにはそれが何故だか新しいものでは無くむしろ不気味に思える様な、そんな感覚を抱いていた。

    そうした感覚を隅に、普段よりも幾ばくか遠くなったその道をフラフラと辿っていた時であった。

    「ねえアンタ、腹減ってない?」

    良ければうちのハンバーガーはどう、と声を掛けてきた男がいた。きっと制服のデザインなのだろう。ハツラツとした原色に近い、橙を基調としたシャツに少年のような黒の短パン、白いエプロンを雑に腰にかけ、更には同色のローラースケートまで履いているといった如何にもファストフード店のスタッフですと主張している、そんな格好をした男はペイントが施された矢印型の看板を脇に、つい立ち止まってしまったヴィンセントの快い返事を今かと待ち構えているような様子だった。
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    plntanightlunch

    DONE残響スピンオフ。もういくつめかわからない。三井酒店で働くモブの久保さんが、「7」に行く話です。
    おいしいお酒が飲みたいだけなのに 店に入る少し前に約束をしていた友人から遅れると連絡をもらった久保は急がずにきてと返信し、そのまま店に入るか本屋に行って時間を潰すか数秒迷った後で、やはりそのまま歩を進めるほうを選んだ。かばんには読みかけの本が入っていたし、今日行く予定の店は一人で飲むことに躊躇するような店の雰囲気でもない。なにより喉が渇いていた。

     歌舞伎町はそれほど行きたい街というわけではない。ごちゃごちゃしているし、道には人も多ければゴミも多い。そのくせ隠れた名店みたいなのが多いのが、ついつい好きでもない街に足を向けたくなってしまう理由でもあるのだが。「7」だってそのひとつかもしれない。ホテルほど敷居も値段も高くなく、だからといってカジュアルに振りすぎていることもない。外の喧騒とは逆に静かに飲むことだけを目的としている客が集まっているし、酒はうまい。カウンターに座るとわかるが、バーテンダーの後ろの棚に並ぶ酒は結構なコレクションで、これはまあ、うちの社長の営業の成果だろう。口はうまいからあの人は……考えるともなしに考えて、そこまで思考が到ったところで、久保は息を吐き出した。仕事が終わってまで会社のことを考えるなんてよくない。オフィスを一歩出たら仕事のことは忘れる。これが日々を穏やかに過ごす大原則だというのに。
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