公
白流 龍
DONEタル鍾:※まだ、付き合ってないまるで未来からの使者
※解釈違い自己都合
「公子殿はなんでも食べるな。」
そうにこやかに話すのは鍾離。円卓に並ぶ様々な料理を食しながらの談笑。
「しかし箸の使い方がなっていないな。練習が必要なようだ」
「…そうなんだよね。これでも結構やってるつもりなんだけどなぁ」
タルタリヤは無邪気に促してくる鍾離をいなすようにいつもの笑顔で対応する。
手には黒塗りで光沢のある、端から見ても高級そうな箸。
「なにかやる気のでる漆器でも贈ろうか?」
「いやいいよ。…それより先生も好き嫌いしないで食べなよね」
ぷるぷると震える箸先で豆を摘まむことに集中しながらも先程から箸の進んでいない皿があることはお見通しだった。
「何を言う。俺は好き嫌いなんてないぞ」
「その皿イカ入ってるでしょ?相変わらずだなぁ先生は」
2894そうにこやかに話すのは鍾離。円卓に並ぶ様々な料理を食しながらの談笑。
「しかし箸の使い方がなっていないな。練習が必要なようだ」
「…そうなんだよね。これでも結構やってるつもりなんだけどなぁ」
タルタリヤは無邪気に促してくる鍾離をいなすようにいつもの笑顔で対応する。
手には黒塗りで光沢のある、端から見ても高級そうな箸。
「なにかやる気のでる漆器でも贈ろうか?」
「いやいいよ。…それより先生も好き嫌いしないで食べなよね」
ぷるぷると震える箸先で豆を摘まむことに集中しながらも先程から箸の進んでいない皿があることはお見通しだった。
「何を言う。俺は好き嫌いなんてないぞ」
「その皿イカ入ってるでしょ?相変わらずだなぁ先生は」
白流 龍
DONE #タル鍾ワンドロワンライ 花火愛しき君へ、愛しき君と
「何をそんなにニヤついている」
先程から、公子殿の口許が緩んでいるのをなんとか保とうとモゾモゾと動いているのが気になる。
…確認できる範囲で着崩れも起こしていないし特に何もないように思うのだが。
「いや、あの、先生がさ…」
「何だろうか」
原因がわからず聞き返したところで吹き出してしまった
「あはっはは…ごめっだって先生がそんなに笑顔で歩いてる事ないから釣られちゃってね」
「ん、笑っていた、だろうか」
「自覚ないの!?あっははは」
腹を抱えて、生理的に出た涙を拭う。
そこまで表情筋が緩むほどに嬉しかったのだろうか。いや、今日の日が来るまでに少なからず気持ちは急いていた。
それは昔、まだ稲妻が鎖国などしていない時代。花火と言うものを、天からみたことがある。それは孤独で。
1849先程から、公子殿の口許が緩んでいるのをなんとか保とうとモゾモゾと動いているのが気になる。
…確認できる範囲で着崩れも起こしていないし特に何もないように思うのだが。
「いや、あの、先生がさ…」
「何だろうか」
原因がわからず聞き返したところで吹き出してしまった
「あはっはは…ごめっだって先生がそんなに笑顔で歩いてる事ないから釣られちゃってね」
「ん、笑っていた、だろうか」
「自覚ないの!?あっははは」
腹を抱えて、生理的に出た涙を拭う。
そこまで表情筋が緩むほどに嬉しかったのだろうか。いや、今日の日が来るまでに少なからず気持ちは急いていた。
それは昔、まだ稲妻が鎖国などしていない時代。花火と言うものを、天からみたことがある。それは孤独で。
みつの倉庫
DONEタル鍾ワンドロワンライ「花火」で参加させて頂きます。
今回はすけべ無しです🙇
よろしくお願いします
線香花火「線香花火って人の一生を表してるんだってさ」
稲妻で買った「線香花火」とやらをやろうと公子殿が俺の元を訪れたのは四半刻ほど前だ。いつもの晩酌の誘いかと思えば随分と可愛らしい誘いに頷き、浜辺まで来た。
砂の上に立てた一本の蝋燭に火を灯し、線香花火とやらの先を寄せればパチパチと静かで儚い火花が舞う。なるほどこれは風流かもしれないと感心しているときに聞こえてきたのが冒頭の公子殿の言葉だった。
「人の一生?」
「そ。最初の静かな火花は人の誕生から幼少期、1番激しく力強いところは青年期、そして徐々に落ち着いて行って、最後は静かに火が消える……つまり眠りについていく。」
「なるほど……、ではちょうど公子殿の線香花火は公子殿くらいの年頃か?」
1875稲妻で買った「線香花火」とやらをやろうと公子殿が俺の元を訪れたのは四半刻ほど前だ。いつもの晩酌の誘いかと思えば随分と可愛らしい誘いに頷き、浜辺まで来た。
砂の上に立てた一本の蝋燭に火を灯し、線香花火とやらの先を寄せればパチパチと静かで儚い火花が舞う。なるほどこれは風流かもしれないと感心しているときに聞こえてきたのが冒頭の公子殿の言葉だった。
「人の一生?」
「そ。最初の静かな火花は人の誕生から幼少期、1番激しく力強いところは青年期、そして徐々に落ち着いて行って、最後は静かに火が消える……つまり眠りについていく。」
「なるほど……、ではちょうど公子殿の線香花火は公子殿くらいの年頃か?」
白流 龍
DONEタル鍾20分以内にハグをしないと出られない部屋
『20分以内にハグをしないと出られません』
何度みてもそう書いてある。
その下には時計
『18分』
「ふむ、ハグとはなんだ公子殿?」
「そこから!?全然時間ないんですけど!?」
その壁を向いて腕を組んで微動だにしない先生をどうすればその気にさせられるのか
「あれだよほら。抱き合えばいいんだよ。」
「時間切れを待つのはいけないのか?」
「えっ…考えたことなかったけどそれはありなの?」
ふむ、と考え込む
そしてオレの前に両手を広げて立ち塞がった。
「ではさっさと済まそうか」
「えぇ…」
『13分』
「何故来ないのだ?」
「雰囲気が無さすぎるしオレが先生を抱き締めたいからそれは断る」
明らかに何を言っているのだこいつは、という顔
負けてたまるか
1188何度みてもそう書いてある。
その下には時計
『18分』
「ふむ、ハグとはなんだ公子殿?」
「そこから!?全然時間ないんですけど!?」
その壁を向いて腕を組んで微動だにしない先生をどうすればその気にさせられるのか
「あれだよほら。抱き合えばいいんだよ。」
「時間切れを待つのはいけないのか?」
「えっ…考えたことなかったけどそれはありなの?」
ふむ、と考え込む
そしてオレの前に両手を広げて立ち塞がった。
「ではさっさと済まそうか」
「えぇ…」
『13分』
「何故来ないのだ?」
「雰囲気が無さすぎるしオレが先生を抱き締めたいからそれは断る」
明らかに何を言っているのだこいつは、という顔
負けてたまるか
PE06060
DOODLEタル鍾を逆と勘違いする蛍ちゃんを書きたかっただけの駄文です注意事項
蛍腐女子化
妊娠ネタ
無題「俺、先生の事好きかもしれない」
秘境周回を終えた帰り道、顔を赤らめてどこかを眺めながら照れくさそうに公子がそう言った。あまりの驚きに思わず近くに流れていた川に足を踏み外した
「え…………」
「えっ大丈夫!?」
「大丈夫じゃない!!!!」
川に足を入れたまま公子を凝視してそう答えた。驚くのも声を荒らげてしまうのも無理はない、何故なら私は腐女子だからだ。共に冒険する仲間にイケメンが複数人いれば当然の様にBLを考えてしまう、いくらそれが現実にならなくても妄想はタダだし。そう思っていたのに、今彼はどう見ても友人としてではなくいかにも恋愛対象として好きだという顔をして私にそう言った
「やっぱり気持ち悪かった…?」
「そんなことない、少し驚いただけ。というかどうして私に相談するの?」
5791秘境周回を終えた帰り道、顔を赤らめてどこかを眺めながら照れくさそうに公子がそう言った。あまりの驚きに思わず近くに流れていた川に足を踏み外した
「え…………」
「えっ大丈夫!?」
「大丈夫じゃない!!!!」
川に足を入れたまま公子を凝視してそう答えた。驚くのも声を荒らげてしまうのも無理はない、何故なら私は腐女子だからだ。共に冒険する仲間にイケメンが複数人いれば当然の様にBLを考えてしまう、いくらそれが現実にならなくても妄想はタダだし。そう思っていたのに、今彼はどう見ても友人としてではなくいかにも恋愛対象として好きだという顔をして私にそう言った
「やっぱり気持ち悪かった…?」
「そんなことない、少し驚いただけ。というかどうして私に相談するの?」
清(せい)
PROGRESSタル鍾 タルがなんか酔っ払いこれにエロが続く予定だけど疲れちゃったので続きはまたいつか。
※おもらし あります。
酔っ払いと関わるとろくな事にならない。「公子殿…退いてくれないか。」
重い。
酒の匂いを漂わせながら ただいまぁ〜 と間延びした声で部屋へ入ってきて、そのままソファに横たわる俺の上に倒れ込んできた。
自分もそれなりに鍛えてはいるが、
彼も立派な体躯を持つ武人だ。
上に乗っかられたままでは動きづらい。
胸元で頭をぐりぐりするものだから、
ふわふわの髪が鼻に触れて擽ったいし、
読んでいた本の内容も、文字をなぞるだけで頭に入ってこない。
「公子殿……重い」
「んー?」
もはや手に持っているだけとなった本を閉じて
サイドテーブルにひょいと乗せる。
ふわふわの髪に さく と指を通すと
にへへ と無邪気に笑ったその顔が 年相応…というよりも幼く見えた。
ニコニコと人懐っこい笑みを向けられて、
1277重い。
酒の匂いを漂わせながら ただいまぁ〜 と間延びした声で部屋へ入ってきて、そのままソファに横たわる俺の上に倒れ込んできた。
自分もそれなりに鍛えてはいるが、
彼も立派な体躯を持つ武人だ。
上に乗っかられたままでは動きづらい。
胸元で頭をぐりぐりするものだから、
ふわふわの髪が鼻に触れて擽ったいし、
読んでいた本の内容も、文字をなぞるだけで頭に入ってこない。
「公子殿……重い」
「んー?」
もはや手に持っているだけとなった本を閉じて
サイドテーブルにひょいと乗せる。
ふわふわの髪に さく と指を通すと
にへへ と無邪気に笑ったその顔が 年相応…というよりも幼く見えた。
ニコニコと人懐っこい笑みを向けられて、
rei
DONE # 絵描きさんからリプ貰ったイラストを文章にする上記タグにてカナデさん(@ai_okenia )から素敵な絵使わせてもらい書きました、探偵事務所ネタのタル鍾SSです。
書いてて楽しかったです!ありがとうございますー!! 4592
白流 龍
DONEタル鍾:学パロ六千分の十
「鍾離先生いる」
バンっと勢い良くスライドドアを開けて、
「それはいるだろう」
きぃ、と椅子を回してこちらをメガネ越しで見ると、溜め息をつかれる。
立ち上がり、白衣を翻し珈琲メーカーの元へ。
「ブラックでよいか」
「もちろん」
ことり、と円テーブルに珈琲が置かれる。背もたれを前にして座っていた俺は、その匂いに笑顔が溢れる。
「…新任教師が毎日医務室に無駄に通うな。」
「だって先生職員室なんて滅多にいないじゃん」
「それはそうだろう」
はぁ、とまた溜め息をつかれる。慣れっこだ。
夢のようだ。夢を叶えたんだ。やっと。
◆
白いカーテンの内側。白いベッドに仰向けに寝転びながらオレは、まるで心地よい音楽でも聞いているかのように。
1960バンっと勢い良くスライドドアを開けて、
「それはいるだろう」
きぃ、と椅子を回してこちらをメガネ越しで見ると、溜め息をつかれる。
立ち上がり、白衣を翻し珈琲メーカーの元へ。
「ブラックでよいか」
「もちろん」
ことり、と円テーブルに珈琲が置かれる。背もたれを前にして座っていた俺は、その匂いに笑顔が溢れる。
「…新任教師が毎日医務室に無駄に通うな。」
「だって先生職員室なんて滅多にいないじゃん」
「それはそうだろう」
はぁ、とまた溜め息をつかれる。慣れっこだ。
夢のようだ。夢を叶えたんだ。やっと。
◆
白いカーテンの内側。白いベッドに仰向けに寝転びながらオレは、まるで心地よい音楽でも聞いているかのように。
zumy
INFO09月19日(東京)GOOD COMIC CITY 27原神プチオンリー【Starlit Tourism】に申し込みました!
マルコ(@anzu0130 ) との合同サークルです🌷
タル鍾本(全年齢)を出す予定です。よろしくお願いします!
白流 龍
DONEタル鍾ワンライ:入れ替わり知らない人からものを貰うのはやめよう
カーテンの隙間から朝日が漏れ、外では可愛らしい声で小鳥が泣いている。
微睡んでいた中、徐々に意識がはっきりしてきたため、ゆっくりと目を開ける。
素肌に白い布団が擦れるのが心地よく、上半身を起こすときしりとベッドが鳴った。
うーんと延びをして、ふと隣に暖かな存在がいることに気づく。
先生がまだ寝ているなんて珍しいな、と目を擦りながら、さらさらとした後ろ髪を触ろうと手を伸ばす。…毛先にかけて、徐々に石珀色に変わる鍾離の髪の毛がとても好きだった。
「…あれ」
どんなにまさぐってもその髪の毛が触れないと言うことよりもそれによって出た疑問の声がおかしいことに気付いた。
がばっとそのまま勢いよく脱衣所まで走り自分の姿を移す。
2091微睡んでいた中、徐々に意識がはっきりしてきたため、ゆっくりと目を開ける。
素肌に白い布団が擦れるのが心地よく、上半身を起こすときしりとベッドが鳴った。
うーんと延びをして、ふと隣に暖かな存在がいることに気づく。
先生がまだ寝ているなんて珍しいな、と目を擦りながら、さらさらとした後ろ髪を触ろうと手を伸ばす。…毛先にかけて、徐々に石珀色に変わる鍾離の髪の毛がとても好きだった。
「…あれ」
どんなにまさぐってもその髪の毛が触れないと言うことよりもそれによって出た疑問の声がおかしいことに気付いた。
がばっとそのまま勢いよく脱衣所まで走り自分の姿を移す。
白流 龍
DONEタル鍾:愛してるよゲーム「愛してるよゲームというものを知っているか公子殿」
急にジャブで横っ腹を殴られる感覚と言うかなんと言うか
「何て言ったの先生?」
一言一句聞こえていたけど一言一句聞き逃した体で聞き返した。
「あの詩人がな、巷ではそのようなものが流行りであるから凡人になるためにはやっておいた方が良いのではと言うものでな」
「うーん…」
凡人でありたいが為に騙されやすくなっているこの男を心配している自分と、
そんな騙されやすい男に騙されてやってこのまま楽しもうと思う自分と
比べるまでもなく後者が勝った。
「愛してるよ、先生」
「愛している」
まだ無表情。
「先生が戦ってる姿なんてゾクゾクするくらい愛してる」
無表情。徐々に近付いてきている気がする。
1208急にジャブで横っ腹を殴られる感覚と言うかなんと言うか
「何て言ったの先生?」
一言一句聞こえていたけど一言一句聞き逃した体で聞き返した。
「あの詩人がな、巷ではそのようなものが流行りであるから凡人になるためにはやっておいた方が良いのではと言うものでな」
「うーん…」
凡人でありたいが為に騙されやすくなっているこの男を心配している自分と、
そんな騙されやすい男に騙されてやってこのまま楽しもうと思う自分と
比べるまでもなく後者が勝った。
「愛してるよ、先生」
「愛している」
まだ無表情。
「先生が戦ってる姿なんてゾクゾクするくらい愛してる」
無表情。徐々に近付いてきている気がする。
白流 龍
DONEタル鍾ワンライ:酔いどれ「なぁ蛍ちゃーん、闘おうよーねーねー」
タルタリヤはふらついた足取りで蛍に近寄り肩を組む。
「ちょっと」
「なんだーもう酔ってるのかぁ」
パイモンが蛍を遮りにやついた顔でタルタリヤの周囲をふよふよと漂う
「酔ってない今すぐ闘いたい闘いたい」
「もーなんだよこの物騒なこどもは…その点鍾離はさすがだよなー」
同じ円卓の反対側に座っていた鍾離はその光景を見守っていた。
既に結構な量の酒瓶が卓上に転がっており終盤を思わせる。
「ねー蛍ちゃんものもうよー」
「未成年の飲酒はダメだぞもう鍾離連れて帰ってくれよな悪酔い禁止」
そう言われてワンテンポ遅れてそうか、と立ち上がった鍾離はやだまだ帰らないーとのたまうも足に力が入っていないタルタリヤに肩を貸し、その場を後にした。
988タルタリヤはふらついた足取りで蛍に近寄り肩を組む。
「ちょっと」
「なんだーもう酔ってるのかぁ」
パイモンが蛍を遮りにやついた顔でタルタリヤの周囲をふよふよと漂う
「酔ってない今すぐ闘いたい闘いたい」
「もーなんだよこの物騒なこどもは…その点鍾離はさすがだよなー」
同じ円卓の反対側に座っていた鍾離はその光景を見守っていた。
既に結構な量の酒瓶が卓上に転がっており終盤を思わせる。
「ねー蛍ちゃんものもうよー」
「未成年の飲酒はダメだぞもう鍾離連れて帰ってくれよな悪酔い禁止」
そう言われてワンテンポ遅れてそうか、と立ち上がった鍾離はやだまだ帰らないーとのたまうも足に力が入っていないタルタリヤに肩を貸し、その場を後にした。
白流 龍
DONEタル鍾:タル誕「…何やってんのさ、先生。」
望舒旅館の窓には雨が打ち付けられている。こんな天気では空の色のように気持ちが沈むのも仕方の無い話で、
「一緒にいてくれるって、言ったのにさぁ…」
暗い部屋の中、一人椅子に座り冷めた料理の並ぶ卓上に突っ伏する。
思い出すのは二日前。
「ねぇ、先生の誕生日っていつ」
単なる好奇心だった。ここまで他人の人生が気になった事等無く、この男の過去なら何だって知りたいと思っているから。
「ふむ、あるのだろうが憶えてはいないな。」
当たり前のように言われた言葉に自分が驚いた顔をしたのだろう。何千年前の話だと思っている、と柔らかな笑みで返されてしまう。
少し考えて、我ながら良い考えだと思った。
「鍾離先生が死んだ日にしようよ。岩王帝君が死んで、先生が生まれた日…どう」
2004望舒旅館の窓には雨が打ち付けられている。こんな天気では空の色のように気持ちが沈むのも仕方の無い話で、
「一緒にいてくれるって、言ったのにさぁ…」
暗い部屋の中、一人椅子に座り冷めた料理の並ぶ卓上に突っ伏する。
思い出すのは二日前。
「ねぇ、先生の誕生日っていつ」
単なる好奇心だった。ここまで他人の人生が気になった事等無く、この男の過去なら何だって知りたいと思っているから。
「ふむ、あるのだろうが憶えてはいないな。」
当たり前のように言われた言葉に自分が驚いた顔をしたのだろう。何千年前の話だと思っている、と柔らかな笑みで返されてしまう。
少し考えて、我ながら良い考えだと思った。
「鍾離先生が死んだ日にしようよ。岩王帝君が死んで、先生が生まれた日…どう」
白流 龍
DONEタル鍾ワンライ:浴衣「ねぇ、これ何どうやって着る訳ただの布じゃない」
そう文句を垂れるタルタリヤはまだ上半身が裸の状態で
「袖を通す所くらいはわかるだろう」
しゅっしゅっと布が擦れる音をたてながら手慣れた手付きで自分の着付けを済ませていく鍾離。
「オレのとこの文化ではこんな薄着ないのもー浴衣着たいって言ったのは先生なんだからちゃんと教えてくれないと困るよ」
なんとか袖を通してみても、前をどう合わせるのかがわからない。
そんな狼狽える姿を見て、微笑む姿がなんとも綺麗で、
「では、次は公子殿の番だな。」
と近付いてくる事に戸惑いを感じる。
目の前に立ち、するりと布を合わせていく鍾離の睫に気をとられていると、ふと、普段は隠れている鎖骨が目に入る。
1365そう文句を垂れるタルタリヤはまだ上半身が裸の状態で
「袖を通す所くらいはわかるだろう」
しゅっしゅっと布が擦れる音をたてながら手慣れた手付きで自分の着付けを済ませていく鍾離。
「オレのとこの文化ではこんな薄着ないのもー浴衣着たいって言ったのは先生なんだからちゃんと教えてくれないと困るよ」
なんとか袖を通してみても、前をどう合わせるのかがわからない。
そんな狼狽える姿を見て、微笑む姿がなんとも綺麗で、
「では、次は公子殿の番だな。」
と近付いてくる事に戸惑いを感じる。
目の前に立ち、するりと布を合わせていく鍾離の睫に気をとられていると、ふと、普段は隠れている鎖骨が目に入る。
白流 龍
DONEタル鍾(独白、少し蛇鍾):こんなに苦しいなんて鍾離は今、この六千年の間でほぼ初めての感覚に溺れ戸惑っていた。
はぁ、と、特段長距離を走ったわけでもないのに息が乱れるのは勝手に心臓が激しく脈を打つから
「これは…どうしたものか…」
片手で顔を覆い今しがた閉めたドアにもたれ掛かる。
つい先刻までタルタリヤと食事をしていた。とても楽しく。
これが厄介だった。『楽しい』のだ。ただひたすらに。
毎日でも良い。苦痛がないのだ。
―馴染みすぎ、だな。
人間は儚い。精々百年。だからこそ必死に生きて、美しい。
憧れていた。望んで神の座を降りたのだ。しかしいくら神の座を降りたとしても、寿命は続くこの身体。
それを、忘れては行けないのだ。それなのに。
そもそもとっくに気付けた筈だった。そこから切り離すなど容易い筈だった。誤算だったのは、鍾離自身がその感情の名前を知らなかった事。
1813はぁ、と、特段長距離を走ったわけでもないのに息が乱れるのは勝手に心臓が激しく脈を打つから
「これは…どうしたものか…」
片手で顔を覆い今しがた閉めたドアにもたれ掛かる。
つい先刻までタルタリヤと食事をしていた。とても楽しく。
これが厄介だった。『楽しい』のだ。ただひたすらに。
毎日でも良い。苦痛がないのだ。
―馴染みすぎ、だな。
人間は儚い。精々百年。だからこそ必死に生きて、美しい。
憧れていた。望んで神の座を降りたのだ。しかしいくら神の座を降りたとしても、寿命は続くこの身体。
それを、忘れては行けないのだ。それなのに。
そもそもとっくに気付けた筈だった。そこから切り離すなど容易い筈だった。誤算だったのは、鍾離自身がその感情の名前を知らなかった事。
白流 龍
DONEタル鍾:ご飯を食べようさてどうしたものか、と思案する。
「何をしている公子殿。冷めてしまっては勿体ないぞそれに箸も使わんと上手くならないだろう」
全くどうして羨ましい。こんなに幸せそうに物を食べるなんて。そんなことはさておいて、とても気になることが一つ。問いただそうと思っている。
「えタルタリヤって鍾離とご飯食べてるのかいいないいなおれも行きたいぞ」――蛍とパイモンに質問した時だった。ただ俺は、他に誰と飯に行ってるのかと思って聞いただけだった。…ちょっとした嫉妬心だ。でもそれは違ったようで「そんな岩王帝君と食事だなんて畏れ多いです」なんて甘雨ちゃんには言われたくらいにして。
そう、モラクス、岩神、岩王帝君、そんな仰々しい名前で呼ばれるようなこの自称凡人が、俺なんかと飯を食っている。――まぁそんなヤツに淡い恋心持ってるヤツもどうにかしてるけど――なんて心で苦笑う。
1115「何をしている公子殿。冷めてしまっては勿体ないぞそれに箸も使わんと上手くならないだろう」
全くどうして羨ましい。こんなに幸せそうに物を食べるなんて。そんなことはさておいて、とても気になることが一つ。問いただそうと思っている。
「えタルタリヤって鍾離とご飯食べてるのかいいないいなおれも行きたいぞ」――蛍とパイモンに質問した時だった。ただ俺は、他に誰と飯に行ってるのかと思って聞いただけだった。…ちょっとした嫉妬心だ。でもそれは違ったようで「そんな岩王帝君と食事だなんて畏れ多いです」なんて甘雨ちゃんには言われたくらいにして。
そう、モラクス、岩神、岩王帝君、そんな仰々しい名前で呼ばれるようなこの自称凡人が、俺なんかと飯を食っている。――まぁそんなヤツに淡い恋心持ってるヤツもどうにかしてるけど――なんて心で苦笑う。
fshy_zatsu
DONEハイエナゴリラ様のタル鍾小説、『徒歩圏内』のFAをたいへん勝手ながら描かせていただきました。年齢制限を守って全人類読んでください、後生です。何か問題がありましたらすぐに削除させていただきます。
san_jiga
DONE07/11タル鍾webオンリーで掲載した漫画の英語版です。This is the ENG ver of the manga released at a Japanese event.
#tartali #公鍾 #タル鍾
pass: 18歳以上ですか? Are you 18↑?(yes/no) 15
清(せい)
DONEタル鍾一年以上、顔を合わせる度に「今日も可愛いね」と言い続けたクラスメイトのメンズが
最後の年の学祭で女装をしていたので、
メンズも「かわいい」と言い続けると本当に可愛くなります。実証済みなので安心してください。
かっこいいタルも先生も居ないのでそれだけはご注意を。
甘々と水の結晶「可愛いね」
「………。」
彼は事ある毎に 口癖のように言う。
かわいい などと形容され、初めは大人の男に向かって
それは些かおかしなものではないかと抗議をしてみたが、
「かわいいんだから仕方ない 」などと理解し難い理由で一蹴された、
湯浴みのあと髪を乾かす時、
自分の髪なのに俺には一切手を触れさせず
俺にやらせて と言って
乾かし、櫛でとかして、と甲斐甲斐しく世話を焼いては
「綺麗だね」「いい香りがする」などと成人男性に対して使うには到底似つかわしくない言葉を散々垂れ流す。
そうして 、「かわいいね」と言われながら寄り添って眠るのが休日の日課になりつつあるのが自分でも可笑しくて笑える。
食事中にひしひしと感じる視線にももはや慣れてしまった。
2792「………。」
彼は事ある毎に 口癖のように言う。
かわいい などと形容され、初めは大人の男に向かって
それは些かおかしなものではないかと抗議をしてみたが、
「かわいいんだから仕方ない 」などと理解し難い理由で一蹴された、
湯浴みのあと髪を乾かす時、
自分の髪なのに俺には一切手を触れさせず
俺にやらせて と言って
乾かし、櫛でとかして、と甲斐甲斐しく世話を焼いては
「綺麗だね」「いい香りがする」などと成人男性に対して使うには到底似つかわしくない言葉を散々垂れ流す。
そうして 、「かわいいね」と言われながら寄り添って眠るのが休日の日課になりつつあるのが自分でも可笑しくて笑える。
食事中にひしひしと感じる視線にももはや慣れてしまった。
清(せい)
DONEタル鍾ワンドロワンライ 「手紙」のときに書いたものです。手紙文字を書き連ねては、丸めて捨てた。
また別の単語を並べて、結局くしゃくしゃと丸めて、捨てた。
何枚無駄にしただろう。
紙は貴重で、そう簡単にくしゃくしゃと丸めて捨てれるものではないのだが、最近凡人になったばかりのその男は、ものは使えばなくなるという感覚がいまいち掴めていない。
目の前の紙きれに向いていた視線が宙に向かう。
何かを見ている訳では無い。
その頭の中ではたくさんの単語が引き出しから取り出され、これは違う、これも違うと、言葉が散らかっていた。
あの明るい髪の恋人に
何かを伝えたい
そう思ったのに。
この気持ちはなんだろうと、筆を持った手は止まったまま。
あいしてる? そうだけど、何かが違う。
ありがとう? …それだけでもない。
1188また別の単語を並べて、結局くしゃくしゃと丸めて、捨てた。
何枚無駄にしただろう。
紙は貴重で、そう簡単にくしゃくしゃと丸めて捨てれるものではないのだが、最近凡人になったばかりのその男は、ものは使えばなくなるという感覚がいまいち掴めていない。
目の前の紙きれに向いていた視線が宙に向かう。
何かを見ている訳では無い。
その頭の中ではたくさんの単語が引き出しから取り出され、これは違う、これも違うと、言葉が散らかっていた。
あの明るい髪の恋人に
何かを伝えたい
そう思ったのに。
この気持ちはなんだろうと、筆を持った手は止まったまま。
あいしてる? そうだけど、何かが違う。
ありがとう? …それだけでもない。