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    十二国記

    yo_lu26

    MENUシャッフルオクタ展示作品です。ジェイフロです。
    ※どうやっても、原作の素晴らしさには敵わないので、書きたいところのハイライトのみです。短い。
     原作を知らなくても読めますが、読んでいると概念を吸えてニヤニヤできると思います。十二国記っぽいパロというフワッとした設定のため、おおいに原作を改変しています。
    十二国記「図南の翼」パロ「図南の翼」パロ


    珠晶→フロイド「皆ビビって王にならないなら、オレがなる。そしたら誰にも文句言われねーし、最高じゃあん♡」

    恭麒→ジェイド「フロイド、お迎えに参りました」

    頑丘と利広と天仙→アズール「僕たちは非常にラッキーです。やはり貴方は『鵬の翼』だ」



    ***



     恭国の支柱たる恭王が斃れて27年が経ち、王不在の国には数多の妖魔が跋扈し、旱魃や水害の災厄が全土を覆い、国土は荒れ果てていた。見上げる大人達の顔は草臥れ窶れ果て、幼い頃からフロイドは子守ばあやの諦念の溜息を子守唄に育ってきた。彼は恭国の裕福な商人の息子だ。その育ちの良さからは想像もつかないほど型破りな問題児であったため、常に周囲の大人から怒られていたが、その天真爛漫さで皆から可愛がられて何不自由なく育った。しかし、あまりに自由過ぎる彼は今年12歳になったばかりであるというのに「皆ビビって王にならないなら、オレがなる。そしたら誰にも文句言われねーし、最高じゃあん♡」と言い放ち、周囲が止めるのも聞かずに昇山のために家を飛び出してしまった。昇山とは、麒麟のいる蓬山を目指して黄海と呼ばれる砂漠を旅し、天啓を得る、すなわち麒麟に自らの王の資質を見定めてもらいに行くことである。黄海は果てしなく広がる砂漠で、天にも見放されたと言われるその土地には、恐ろしい妖魔がうようよいる。幼い子供一人ではとても渡りきることはできない。そのため、フロイドは黄海を安全に渡れるために一緒に旅に随行してくれる用心棒兼案内人を銀貨で雇った。大人たちは幼いフロイドの言うことなど、まともに相手にしない者達ばかりだったが、フロイドの出で立ちと王になると言ってはばからない威勢の良い物言いと年齢とのギャップに興味をそそられたらしく、一人だけ快諾してくれた男がいた。銀髪のその男の名はアズールと言った。長年、この黄海で妖魔を狩っては金持ち相手に売り捌く商売をしているのだという。確かにアズールはべらぼうに腕が立つ男だった。妖魔を次々に狩り立てていき、道を拓き、フロイドに過酷な黄海を進む術を教えて、彼らの旅は順調に進んでいった。しかし、途中でフロイドが持ち前の自由奔放さを発揮したせいで迷子になり、一人で妖魔の巣に迷い込んでしまう。妖魔の巣は一見それとは分からない。フロイドはそこが近づいてはいけない場所だとは気づかなかった。巣の中には卵がある
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    hoshinami629

    CAN’T MAKE禁軍右軍がわんこを拾って……という話。友尚は拾って来るくせに自分で引き取ったりしない男なのだ、という部分を書いたら満足した+この後犬が死んで阿選が何とも言えない気持ちになる、というエンドしか思い浮かばなくて辛い。続き書けそうなら書きますが……書いてて辛い……。
    禁軍右軍が犬を拾った 先王の命で江州へと進軍した、その帰りの道だったと思う。一匹の犬が隊の後ろをついて来た。飢えた野犬が人影を認めて近付いて来るのは、割合に良くあることだ。最初は麾下の一人が軽い気持ちで糧秣を分けてやっていた。帰投の途に就けば兵卒というものは、無事に終わったという安堵と、命あるものには優しくしてやりたいという感傷と、その両方を抱えるものだ。戯れに皆が犬の面倒をみたのも、そうした空気ゆえに発生した偶発的な出来事だった。
     犬はそれに味を占めてか、それとも習性ゆえに群れに混じりたいと思ってか、まるで一兵卒のように軍の中へ入り込むようになった。時は秋の終わり、初雪の降る前に鴻基へ到着したいと、誰も彼も気が急いていた。通常の進軍よりも速度を上げて、街道を踏破してゆく。肋の浮いた体格の良くない犬だから、途中で脱落するに違いない。そう思っていたが不思議と持ち堪えて、その犬はとうとう鴻基までついて来てしまった。今更何処へなりと行けと放したところで、絶対に纏わりついて来る。そのことは指揮官から兵卒まで、江州から戻った右軍の全員が理解していた。
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