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    十二国記

    hoshinami629

    CAN’T MAKE禁軍右軍がわんこを拾って……という話。友尚は拾って来るくせに自分で引き取ったりしない男なのだ、という部分を書いたら満足した+この後犬が死んで阿選が何とも言えない気持ちになる、というエンドしか思い浮かばなくて辛い。続き書けそうなら書きますが……書いてて辛い……。
    禁軍右軍が犬を拾った 先王の命で江州へと進軍した、その帰りの道だったと思う。一匹の犬が隊の後ろをついて来た。飢えた野犬が人影を認めて近付いて来るのは、割合に良くあることだ。最初は麾下の一人が軽い気持ちで糧秣を分けてやっていた。帰投の途に就けば兵卒というものは、無事に終わったという安堵と、命あるものには優しくしてやりたいという感傷と、その両方を抱えるものだ。戯れに皆が犬の面倒をみたのも、そうした空気ゆえに発生した偶発的な出来事だった。
     犬はそれに味を占めてか、それとも習性ゆえに群れに混じりたいと思ってか、まるで一兵卒のように軍の中へ入り込むようになった。時は秋の終わり、初雪の降る前に鴻基へ到着したいと、誰も彼も気が急いていた。通常の進軍よりも速度を上げて、街道を踏破してゆく。肋の浮いた体格の良くない犬だから、途中で脱落するに違いない。そう思っていたが不思議と持ち堪えて、その犬はとうとう鴻基までついて来てしまった。今更何処へなりと行けと放したところで、絶対に纏わりついて来る。そのことは指揮官から兵卒まで、江州から戻った右軍の全員が理解していた。
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    hoshinami629

    MOURNING支部にある「視爾夢夢」からカットしたもの。サンプルにはこの部分も載っていた気がする。結局、李斎や回生、耶利のことを追い切れないと思ってカットしてしまいましたが、何か勿体なかった気もする。でも、李斎のこれからについて考えるには、阿選を討つよりももっと時間が必要な気がして……。
    視爾夢夢没供養①「李斎」
     朝堂を出た処で、後ろから声が掛かる。振り返れば、其処にいたのは先程壇上に座していた李斎の主公だった。先程の視線の意味を思い出しかけたところで、機先を制する形で驍宗が言葉を継ぐ。
    「少し、話があるのだが。――この後の予定は?」
     特に急用や面会の約束も無かった為、首を横に振る。参ります、と答えて踵を返す。驍宗が執務を行う書房へ歩を進めながら、李斎は用向きを半ば予想し、半ば摑めず、隣を歩く主を見た。
    「主上、恐れながら……。先程の軍議については、お気を病まれませぬよう。私が鴻基攻略に当たれないのは、私も皆も承知の上ですし……」
     驍宗はその言葉にすぐには答えず、相槌を一つ打って後は黙々と書房へ向かう。心配して下さっているのだろうか、と何となく思いながら、李斎も矢張り黙した儘、複雑な気持ちで王に従った。
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    sirasu810

    DOODLE麒麟ギ主上ぐだverの十二国記パロ、くっつき台輔の小話。うまく具現化できなかったけど、お題ポストありがとうございました!
     天と地を貫くかのようにそびえる凌雲山りょううんざん萋州国さいしゅうこくにおいては峯抄ほうしょう山と呼ばれるそのいただきには、王の居城、峇水宮こうすいきゅうがある。この宮を遥かな高みから見下ろすことができたなら、湖のように広がる浅葱あさぎ色の屋根が、本物の水池と重なりながら、典雅な橋の数々によって結ばれている玲瓏れいろうな光景を眺めることができるだろう。
     地にあれば山の頂は天と同じに遠く、頂にあっては地上の街明かりは砂粒のように小さい。それぞれは雲海によって隔絶された別世界だった。それでも宮の庭院にわに芽吹き枝伸ばしている植物たちは、照るの変化を敏感に汲み取り、地上と同じように春には春の、夏には夏の花を咲かせ、見る者たち(その多くが寿命から離れた仙である)に生命の循環があることを知らしめる。王の私室に面した場所に植えられていた空木ウツギもまた、真白の花を満開にしていた。夏の訪れを告げる落葉樹は、陽が落ちれば月光の下、夜風に葉を揺らす。この時期の風に含まれる熱と湿り気は、こずえの合間のみならず、室の中にも流れ込んでいた。
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    めてぃ

    MEMO2か月前に書いた十二国記パロのメモを発見したけど、たぶんこれ以上書けないと思うので供養。
    もう1回十二国記読み直さないと設定とかあやふや過ぎて…😭

    あと、お題箱とかやりたいんですけど設置する勇気がないので、なにかあればマシュマロに送って頂けると…書けるかどうか自信はないですが😱
    https://marshmallow-qa.com/metis27?utm_medium=url_t
    2人とも胎果だった場合
    良守4歳の頃、女怪に連れられ蓬山に戻る。自分が麒麟だと言われるが理解出来ず、大好きな兄とも会えなくなり泣きながら過ごす。こちらの世界では、神隠しにあったと騒ぎになるが結局見つからず。正守(11歳)は、急に弟がいなくなったがいつか探しだしたいと願いながら成長する。
    良守は蓬山に戻って、なんとか黒麒として無事に成長するが、いつまで経っても王気を見つけられない。その間、国は荒れていくのに自分は何もできないと落ち込む。とある日、蓬莱の話を耳にする。なぜか急に行かねばという気になり、何とかして渡る。10年振りに帰った世界は全く変わっていて、全然知らない風景になっていたが、街角でふと見かけた大きくなった兄だけはすぐにわかった。正守も気づく。「良守?」「にいちゃん…?」せっかく会えて嬉しいはずなのに、なぜかこのまま会ってはいけないような気がして逃げ出す。慌てて追いかける正守
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