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    厄介

    ParAI_t

    DONE琥珀色の魔法 / クロアス

    クロービスさんキャラスト公開記念第三騨!
    厄介な案件の追記のあまりの火力に震えつつも、厄介な案件~クロービスの失態の間のつもりです。
    今回はネタバレ少な目かもですが、まさかの公式の方が甘いとか…!
    くっそ、これだからオトメ勇者はやめらんないぜ!
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    ロードオブグローリーに出場するようになってからというものの、クロービスへの見合いの件数は日増しに増えていた。レースで国内外から注目されているせいもあり仕方のない事とはいえ、頭の痛い問題であることには変わりない。クロービスは、厄介なことだな、と零しつつ、書き慣れた断りの文句を連ねていく。ちょうど決済書類を運んで来ていたリーンハルトは、終わるのを待ちながら、一つ提案をした。

    「俺が代わりに会ってきましょうか?」
    「これ以上面倒事を起こされるのはごめんだぞ」

    リーンハルトが特定の恋人を作らないことは有名だ。そして、見合いにくるようなご令嬢方はどれもこれも高貴な育ちで、良くも悪くも純粋が過ぎている。この男と下手に引き合わせて熱を上げられたら、と考えるだけでも恐ろしい。政治的にも痴情のもつれ的にも、以前この男のせいで経験せざるを得なかった物とは比べ物にならない程の修羅場になりかねないだろう。

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    視力検査のC

    MAIKINGそれだから君は厄介さ(未完)②

    ①の続き。
    しばしの沈黙が流れた後、ジョナサンはぽつりと呟くように言った。
    「……ディオは、色んなことを知っているんだね。僕も一度ロンドンに行ってみたいよ」
    途端、ディオは眉根を寄せ、フンと鼻を鳴らして低い声で言った。
    「……あんな腐乱死体の見本市みたいな場所にいられるか」
    一応注釈しておくと、ディオはロンドンのごく一部の地域──東のはずれといったような地域──について話した。
    「えっ?」
    「俺はもうあの場所に戻りたくなんかないね」
    「あの肥溜めの中でも更に腐りきっている…人間かどうかも怪しい屑が」
    「い、いったい何の話だい?」ジョナサンが驚くのも無理はなかった。
    「俺のクソッタレの親の話さ」
    ディオは実に快活そうに笑った。
    ええ。まさかそんな風に言わなくても……とはいえジョナサンは直接会ったこともないので、判断はつかなかった。面食らったような顔をして、視線を散々さ迷わせてから、強い口調で言ってしまった。
    「自分の親をそんな風に言うことないじゃあないか」
    またディオの顔は不快に歪む。
    「ジョースター卿は、」
    ディオは一旦言葉を区切った。
    「よくできた人だよな。俺の父親──父親とも認めたくないが、ア 6081

    視力検査のC

    MAIKINGそれだから君は厄介さ(未完)①

    ややこしい設定ですが、n巡後の1部舞台でダニーの死から1年後ぐらいで、エリナさんとはまだ会っていません。
    ディオ君の悪意に鈍感なジョナさんと、ジョナさんの心の隙間に付け込みたいディオ君の話。
    友情寄り?でお互いに本心を測りかねてぎくしゃくしている……みたいな関係です。
    ややこしい設定ですが、n巡後の1部舞台でダニーの死から1年後ぐらいで、エリナさんとはまだ会っていません。
    ディオ君の悪意に鈍感なジョナさんと、ジョナさんの心の隙間に付け込みたいディオ君の話。
    友情寄り?でお互いに本心を測りかねてぎくしゃくしている……みたいな関係です。

    それだから君は厄介さ



    a.夕焼けの赤い色は

     ジョースター邸を北に1マイルほど進んだところに、背の低いシダの草が群生する丘陵地があった。
     緑の海が、地平の果てにまで広がっていた。
     そこに黒の頭髪と金の頭髪がふたりぼっちで浮かんでいる。ふたつの頭は夕陽の光に照らされながら、背の低い草原の中を粛々と歩んでいた。
     辺りは草の匂いに満ちて、しっとりとぬれた爽やかな匂いが鼻腔をやわらかく擽(くすぐ)っている。
     にわかに風がごうと吹き、遅れて土ぼこりが髪に絡み付いた。突然の不快感に黒髪の彼は頭を振って思わず空を見上げてしまう。じわりと照りつける陽射しは、いつの間にか鬱々と立ちこめる雲に遮られていた。空は明らかに雨の兆候を示していた。

     ジョナサンとディオは屋敷を離れて丘の上を散策していた。
     暮れ時の冷えた風を体 9822