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    居酒屋

    usuisanchi

    DONEわたしが思う居酒屋ぷろすぺら。4ス。現パロ。

    4は、居酒屋がある商店街の"喫茶店ぺいる"で暮らしている。
    商店街の居酒屋ってこんな感じ。階下から、酔っぱらったお客さんの楽しそうな笑い声がする。食器が重なってかちゃかちゃ鳴る音やよく味がしみたおでんの出汁の匂い。

    「あの、ごめんなさい。ここで勉強、できますか?」

    集中、できないかも。
    心配そうに眉を下げたスレッタ・マーキュリーに、女の子の部屋のちゃぶ台で参考書を広げたエラン・ケレスは「問題ないよ」と熱いお茶を啜った。

    ***

    駅前商店街の端にある"居酒屋ぷろすぺら"。主人がひとりで切り盛りしている店が、スレッタの自宅だ。

    「ただいま、おかあさん!」
    「こんばんは」
    「おかえり。あら、いらっしゃいエランくん」

    口紅をひいた美しい唇が弧を描く。
    紺色の暖簾をくぐると、カウンターでは店主のプロスペラ・マーキュリーが天ぷらをあげているところだった。落ち着いた色の着物に襷をかけている様は、どちらかといえば小料理屋の方が似合う。カウンターには、建築業を営むジェターク社の社長とグラスレー不動産の代表。どちらもスレッタの先輩の父親だ。狭い町なかでは、知り合いが常連になることは珍しくない。
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