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    未来

    januar00kate99

    PASTまだ平穏だった頃の未来の話。
    カードショップで働く「僕」は、困っている様子の客に声をかけた。
    彼は、生まれたばかりの息子に贈るデッキに迷っているようだ。

    ※未来の世界の一般人視点のお話。
    ※Sinデッキが未来で普通に販売されていたデッキだったら?という妄想です(カード効果はアニメ版に準拠)。
    ※パラドックスの家族に関するあらゆる要素を捏造しています。
    ※その他、あらゆる要素が作者による幻覚です。
    とある父親の贈り物 街も微睡む土曜の昼下がり、僕が働くカードショップにも、ゆったりとした時間が流れていた。だからなのか、僕はさっきから、落ち着かない様子でガラスケースの中を眺める一人のお客さんのことが気になっていた。彼は三〇分ほど前に来店して以来、この狭い店内をぐるぐると歩き回ってはカードを吟味し、困ったようにため息をつくということを繰り返していた。
     はぁ、とまた小さくため息の音が聞こえる。僕はついに声をかけた。
    「お困りでしたら、お手伝いしましょうか?」
    「良いのかい?」
     俯けていた顔を上げ、その人はぱっと表情を明るくした。鮮やかな金の瞳が、安堵したように細められる。
    「何かお探しでしたか?」
    「実は先日息子が産まれたんだが、初めて贈るデッキを何にしようか、迷っていてね」
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    januar00kate99

    PASTアポリア合流直後の生前滅四星の話。
    アーククレイドルにて、ピアノを見つけたアポリアは、演奏しようと試みるが……。

    ※アポリアが子どもの頃にピアノを習っていた設定です。
    ※他作品と設定を共有している部分があります(同じ世界線かもしれないし、違うかもしれません)。
    ※未来の世界に生きた一般の人びとが登場します。
    ※その他、あらゆる要素が作者による幻覚です。
    音階は消えず そこには、一台のピアノがあった。
     幻ではなかろうか、とアポリアはもう一度、よくよく部屋の中を覗き込んだ。明かりが落ちた室内に通路からの光が差し込んで、黒く滑らかな楽器の表面を浮かび上がらせている。
     それはほんとうにピアノだった。
     アポリアは我知らず、部屋の中に足を踏み入れていた。ピアノなんて、もう随分見ていなかったからだ。
     アポリアがこの部屋を見つけたのは偶然だった。ここに慣れてもらうためにも散策してきたらどうですか、Z-ONEにそう言われて、足の赴くままにアーククレイドル内を歩いていた。固く閉ざされた扉が延々と並ぶ通路を進むうち、アポリアはひとつだけぽっかりと口を開ける扉に気づいた。そうして覗き込んでみれば、幼い頃に慣れ親しんだ楽器がそこにあったというわけだった。
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    hajimechannknk

    DOODLE志摩くんの違和感に気付いた燐くんとややバチギレする雪ちゃんです。

    明記していませんが、実際の病の話がでます。


    また同じような話のらくがきができて恥ずかしいのですが、蕎麦屋で蕎麦出てきたら嬉しいじゃんね✌️の気持ちでアップします。

    流石にこのパターン書きすぎなので清書(pixiv)は未来に……。
    らくがきなので細部も心情も時系列も詰まってません🙏
    馬鹿の耳には念仏より甘言「お前さ〜、まだ調子悪ぃの?」
    「へ?」

    塾が始まる少し前、次の授業の範囲をうんうん言いながら確認していた燐が不意に志摩に尋ねた。頬杖をついて見上げる青い目にきょとりとした勝呂と子猫丸が、こちらも同じ顔をした志摩を見る。同じところで暮らしていると表情って似るのかもな、と燐が気付きを得ている間に、「大丈夫か?」「いやなんも?」と京都の面々はわちゃわちゃやりとりして首を傾げた。

    「なんか反応悪ぃじゃん」
    「そぉか?」
    「言われてみれば、最近いつもより寝起き悪い気はしますけど」
    「それは夜更かしのせいちゃいます?」
    「相変わらずやなお前」

    呆れる勝呂が勉強モードに戻ろうとするので、待て待てと燐は頭をひねる。この様子だと気付いてなさそうだが、そろそろ周りは知っておいた方が良いと思っていたのだ。
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    hisakoju

    DONEバルクラフォールデイズ7日目最終日
    お題Freeとのことで生存ifの描いた二人の未来を綴らせて頂きました。

    7日間駆け抜けて、たくさん素敵な作品をお目にかかりながら自分も完走出来てほっとしております。
    素敵な企画を開催して下さった主催者様には頭が上がりません。ありがとうございます。心より感謝を。
    そしてバルクラ作品を読ませて下さった創作者の皆さまにもたくさんのお礼を申し上げます。
    幸せすぎる日々
    そして貴方といつまでも どこまでも晴れ渡る天に蒼穹の緞帳が広がり、暖かな光を満遍なく大地に降り注ぐ。草木の緑が輝く夏の突き刺すような日差しから徐々に色を灯した葉を包み込むような柔らかさを含んだ陽はもうしばらくすると遠ざかり、世界は白い恵みに包まれていくだろう。
     綺麗に続くこの空もくすんだ色に染まれば厳しい冬の足音はもうすぐだった。
     賢者の塔の最上階にほど近い上層で腰かけ、ゆるりと色を変えていく木々の代わり様を眼下に望む。広がるのはかつては豊かな森と山々だったが年月を経た今は大方が削られて散り散りとなっていた。代わりに広がるのは人の街と繋ぐ舗装された道、そして家畜の為に開けた大地。水が豊かなロザリアの大地は豊富な資源で豊かに実りを結び人を養う。かつて父エルウィンが望んだように、水車を起点として始まった大規模な水路についても発達した技術が今は隅々まで行きわたり生活に困らない供給と氾濫対策がなされている。
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    ふう。

    DONE🎈🌟ワンライより
    演目『不安』

    不安で色々考えすぎる🎈とそんな🎈を無自覚に包み込む🌟の話。
    ※未来軸&同棲
    ※付き合ってる
    吐き出したため息が白くなるほどの寒空の下、時刻は夜の23時を少し過ぎた頃。きらびやかなネオンとは対称的に、僕はどんよりと暗い顔をしながら夜道を歩いていた。こんな時間だから僕以外に歩いている人もいなくて、僕の暗い思考は誰に気づかれることもなく加速していく。いつもならすぐに僕の変化に気づいてくれるはずの仲間であり恋人は、今日ばかりは僕がこうして悩むきっかけだった。


    悪いのは僕だ。行為の最中、盛り上がりすぎてしまった僕は司くんが静止の声を上げていたにも関わらず、ついやりすぎてしまったのだ。僕の悪い癖。司くんへの好きが溢れすぎると止まれなくなってしまうのだ。今までも何回もこういうことはあった。そしてその度に優しい司くんに許してもらっていた。僕は優しい司くんに甘えてばかりじゃダメだったのに。さすがの司くんも今日は我慢ならなかったらしく、息も絶え絶えに僕を睨みながら「コンビニの1番高いアイスを買ってこないと許さないからな!」と怒られてしまった。ほっぺをぷくっと膨らませながら涙目で僕を睨む司くんがかわいくて、思わずキスをしようとしてしまったのも司くんの怒りに火を注いでしまったんだと思う。明確にキスを拒絶された。別になんてことはない恋人同士のよくある一場面だ。だけどそれが思いのほか僕の心につっかえてしまったらしく。後悔と罪悪感でいっぱいになりながらコートを羽織り、財布とスマホだけを持って外へ出た。司くんの顔は見れなかった。
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