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    王道

    いずみのかな

    DONE有栖川作家編。健全ホラー。
    『文が淵』と同じく、2004年、有栖川サイトの納涼企画ウェブアンソロに寄稿しましたものです。
    終盤のある箇所について、ウェブアンソロに掲載したときはタグで仕掛けを作ったのですが、pixivでは無理だったためそこのみ変更しております。
    ジャパニーズホラー、の王道目指して頑張りました。
    覗く目 太平洋上で台風が発生したらしい。
     しかし大阪上空は相変わらずの快晴で、気温は今日もうなぎ上りだ。私はだらしないと思いながらも首周りが伸びたTシャツを着て、昼前からソファの上でごろごろ寝そべっていた。日が高いうちに飲むビールは、ほんの少しの後ろめたさもスパイスとなって、また格別の味がする。何たる堕落、と咎めるなかれ。私はつい先程短編を脱稿したばかりなのだ。締め切り明けの作家のささやかな道楽としてここは見逃して欲しい。
     ビールを一本空けたらシャワーを浴びて、約三十時間ぶりにベッドに入るのが今日の予定である。明日のうんと遅くまで惰眠を貪り、それから週末で家にいるであろう京都の友人の所にでも出向くのもいいかもしれない。この二週間、会話を交わした相手は担当一人だけ、更に言うなら二度の電話の合計時間は十分に満たない。私は人に飢えている。
    20073

    kyk_kokage

    DOODLE遊+ロア。ボカロの炉心融解を久し振りに聴いて、勢いで書いた話。
    でもほとんど「君の首を絞める夢を見た」ぐらいしか拾ってないです。歌詞を掘り下げたり、深く考えるとか全然してない。思いついたとこだけ書き散らした短いやつです。

    遊我くんとロア様の、片や選ばれ、片や選ばれなかったという関係性(?)が好きです。
    今は友だちとして仲良くしてるけど、友だちとして好きになる前に、色々ありすぎたよね……
    夢を見る人遊我ちゃんの首を絞める夢を見たよ。

    そう告げたら、どんな顔をするだろうか。
    熱心にロードを製作する遊我をぼんやりと眺めながら、ロアはそんなことを考える。

    驚くだろうか。
    呆れるだろうか。
    笑うだろうか。
    困るだろうか。
    ……怖がって、引きつった表情を見せてくれないだろうか。

    ロード製作に夢中になってる今は、そんなことを言っても聞き流されてしまうのは想像に難くない。

    いっそ、正夢にしてやろうか。

    ロアがそんな物騒なことを考えていることなど何も知らない遊我は、ロードから目を離すことなく手を動かし続けている。

    器用に動く遊我の手元を目で追いながら、遊我があの時あの場所にいなければ、セブンスロード・マジシャンを受け取ったのは自分だったんだろうか、などと益体もないことを考える。
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