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    神経

    Satsuki

    DOODLE◎レトユリレト。戦争終了間近の二人。
    以前ぴり子さんと、「レト先生は無自覚に気をもたせる発言してそう。しかもそれを謝ってそう」「ユリはそれに振りまわされる。かわいそう」「自棄酒しちゃう」「そこに先生が来て、また無神経なこと言いそう」というようなお話をして楽しかったので短文にしてみました。ちょっとした妄想文のつもりだったので色々雑ですが書いたので投げます。レト先生、酒に強くても弱くても可愛いな。
    夢を煽る ダンッ、と派手な音を立てて、空っぽの杯が粗末な机に叩きつけられた。
    「だ~~っはっはっは!! 見たか! 俺様の勝ちだぜ、ざまあみな!!!」
     言葉の乱暴さとは裏腹に、どこか情の込められた笑い声を上げたのは、ここアビスの酒場にたむろしているごろつきどもの元締めである青年、ユーリス=ルクレールその人である。立ち上がり、自分の座っていた椅子が倒れるのも構わず、隣で潰れている人物の背中を叩いて喜んでいる様子は、年相応の若者が酒を飲んで騒ぐ姿に相違ない。周囲ではらはらとその姿を見守っているのは、彼の組織に所属しているチンピラたちだ。お頭、もうその辺で……と止めに入ろうとする者も先刻までは見られたが、酒場の端で同じように酒を嗜んでいた灰狼学級の面々に「やめとけ」「好きにさせたげたらいいんじゃん?」「わたくしには関係ありませんわ」等と言われて引き下がってしまった。その面々も、もう部屋に戻ったのだろう。酒場には数人の常連客とユーリスの部下数名が残っているだけだ。それに、ユーリス自本人と、その飲み比べの相手が机に突っ伏しているくらいである。
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    kawauso_gtgt

    REHABILIとある荘園で、来るかもしれない日のこと。
    (探占/匂わせ/解釈多様)

    古びた館の、とある一室。
    部屋の主の神経質すぎるくらいに几帳面な性格が滲み出た部屋の隅、屑籠の底。
    ぐしゃぐしゃに丸められた一枚の羊皮紙が捨てられていた。
    酷く強い力で握ったのだろう。手紙の差出人の名前は赤黒い染みが滲んでいて読むことはできなかった。
    x月x日、未明。拝啓 

    ノートン・キャンベル様

    正直なことを言うと、こうして人に手紙を書くだなんて久方ぶりなので何から書いたものかと迷っています。
    けれど、荘園(ここ)を脱出するにあたって、たった一人にだけ手紙を送ることができると言うことだったので。最後に君に何かを残せたらいいなと思い、今私はこの手紙を書いています。

    今更何を言おうっていうのかって、君は怒るかもしれない。いや、かもしれないじゃなくてきっと怒るだろうね。偽善も大概にしろ、なんて眉間に深い皺を寄せて、引き攣った笑みを浮かべてそう言うんだろう。
    私だってそれなりに君とは長い付き合いになる。それくらいはもう分かるさ。君って案外分かりやすいから。

    あっ、今手紙を握りすぎて皺ができたでしょう。最後までちゃんと読んでくれないと、困ってしまう。
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