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    美人

    phchien

    MEMO実は、最初書いていた龍狐AU。
    力の源である尻尾を幾つも封印された魏嬰が座学に行って藍忘機と出会い、亀(…)を倒すために封印の一つを解く、と言う話でした。虞美人の言う封印は、母が子供を守るための、一度だけ蘇る力でした。それを温情のシフトし、もっとふわっとしたの書こうぜ、と書いたのがアレ…全然ふわっとしてないですね。
    もう一つの龍狐AU 古来より、賢君の世に顕れる九つの尾を持つ狐は邪気を退け、瑞獣と崇められていた。その一方で太平を乱すケダモノとして忌み嫌われた。神獣が犇めくこの修真界においてさえ、九尾狐は滅多に見ない。もともとの数が少ないうえに彼らは奔放に過ごすので群れることがない為だ。
     最も若い九尾狐は蔵敷散人と言った。抱山散人の弟子であると言う噂だが何故、かの仙人はあの厄禍を世に放ったのかとのちに多くの者が嘆いた。若く見目麗しい蔵色散人は五大世家を悉く袖に振って雲夢の家僕に嫁ぎ、姿を消した。
     そして子供をひとり残して、夫とともに果てたと言う。

     浮浪児となっていた子をようやく見つけ、蓮花塢に連れ帰った江楓眠は途方に暮れていた。数年間も独りで生き抜いてきた子は随分薄汚れて弱っていたけれど、健康状態には問題がない。ちゃんとした環境に置けば、遅れた分をすぐに取り戻して健やかに育つと思われた。
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    満ツ雪

    REHABILI教師になる前の澤さんと美人局とかやっちゃってる出くんの話の書きたいとこだけ書いちゃったやつ。モブ出がちょっと入りますし出くんは身体売ってます。
    手の平の上「やっぱりプロヒーローって儲かるのかな」

    先程拝借してきた黒い革の財布の中身を淡々と確認しながら僕は独り言ちた。
    現金は少ない。クレジットカードが二枚、免許証が三枚、それに保険証とキャッシュカード。ポイントカードなんて一枚もない。
    スマホ、手帳、パスケース、服、腕時計……もハイブランドのものではない。合理的な彼らしい至ってシンプルな所持品たち。後はキャッシュカードとクレジットカードからいくらくすねられるか、だ。だがそれは僕の仕事じゃないから稼ぎの一部しかもらえない。
    ちょっとわりに合わなかったかなあ、と僕は狭い押入に寝転がった。
    表沙汰には決して出せないようなものしか運ばれて来ない薄暗い倉庫の奥、かつて宿直室として使われていたらしい四畳半、の押入が今の僕の寝床だ。湿っぽいし酒臭いしヤニ臭いけど雨風が凌げて布団があるだけだいぶマシだろう。元宿直室に誰かがいる時は暖房もつく。ここに勝手に住み着いている僕を追い出さないでいてくれるばかりか、仕事をくれたりごはんを奢ってくれたりお金をくれる時もある。優良物件だ。
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