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    記憶喪失

    eats_an_apple

    TRAININGお題は「記憶」です
    軽率にご都合記憶喪失ネタ。薄味。
    「……すみません、とんと記憶がなくて」

    そう言われた二人の表情は各々だった。
    まるであり得ないとでも言いたげに、しかし言葉を忘れたようにぱかんと口を開いたフィン。太い眉を顰めて精悍な顔立ちに疑念の表情を滲ませるディルムッド。
    そしてそんな二人を見て申し訳なさそうに眉を下げるディルムッドがもう一人。一見混乱を余儀無くされるこの絵はカルデアでは至って日常のものだったが、一つだけ常と違うものがこの片方のディルムッドの言葉だった。

    「…………記憶が、ない……?私の?」

    次に独り言のように口を開いたのは意外にも、他のすべての感情が抜け落ちたように驚愕の表情を浮かべていたフィンだった。

    「俺のこともわからないというのか?」

    続いて双剣の戦士の方のディルムッドが尋ねる。

    「その姿を見るに、何らかの形で現界している別の俺であろうことはわかる…しかしその経緯もおまえとの今までのやりとりも……すまない……」
    「そうか……」

    納得したかのように頷いたセイバーのディルムッドは眉間に寄せていたしわを伸ばし、隣に立ち尽くしたままふるふると震える男を見た。その視線をランサーのディルムッドも追って恐る恐 9754

    ちえさん

    DONEクル監
    夢小説鉄板記憶喪失ネタ
    #ツイステプラス
    #クル監
    『先生、心理戦はお得意ですか?』

    大鍋をかき混ぜながら言う彼女は、魔法が使えないにもかかわらず、群を抜いて魔法薬学の才能に秀でていた。その才能に感心して、自分の監督の下であれば空き時間に自由に魔法薬の調合をしていい、と許可したのはつい先日のこと。

    『心理戦?』

    パタン、と読んでいた本を閉じて大鍋に歩み寄って中身を覗き込み、ほう、と感心する。鍋の中は綺麗な水色に染まっていて、香り高いブランデーのような香りが漂っている。その色と香りは、難易度の高い魔法薬の調合が見事に成功していることを示していた。

    『そう、心理戦です。得意そうですよね、ポーカーとか。』

    『さぁな。』

    ふっ、と微笑んで、もう一度鍋を覗き込み、おや?と今度は首を傾げた。先ほどまで水色に染まっていた薬は、微かに紫色に変色していた。

    『…残念だったな仔犬、今回の調合は失敗だ。
    香りは変わらないから、ほぼ成功と言えるが。』

    『うーん、残念。』

    そう言う割には彼女はあまり残念そうではなく、スンスン、とまるで犬のように香りを嗅ぐ。提出用の試験管にそれを入れて、教室の薄暗い灯りにかざした。

    『これはこれで、綺麗な色です 8067

    Meow_Atom_No_17

    DOODLEこちらのびりりさんの素敵イラストからの作品です
    https://twitter.com/kandenbiriri630/status/1350475361604100097?s=20

    誰か似たお話を書いていらっしゃったらすみません……。割とすぐ記憶喪失してしまうので……。
    ダンデはその逞しい腕を組んで、眉を吊り上げていた。
    「いい加減、路上バトルはしないでくれって何度言ったらわかるんだ、チャンピオン」
     激しいバトルによってデコボコに土が見える芝生の上で、ホップとユウリは俯いていた。
     ユウリが無名の一般トレーナーとバトルを終え、握手をしているところに、迷子になっていたダンデが偶然現れた。ダンデは公園の惨状を目にすると、にこやかに一般トレーナーと野次馬を見送った後に、ユウリに向き直り、今に至る。
     一方のホップはたまたま居合わせて、観戦していただけだ。しかし、立ち去るタイミングを見失ってしまった。ダンデとユウリの間に立って、指を忙しなく組みかえることしかできない。すごく、居心地が悪い。
    「君はもう、チャンピオンだ。ただのトレーナーじゃない。強い君が誰かとバトルすると、こうなることくらいは理解できたと思っていた」
     ユウリは叱られてもかなり繰り返したようだ。いつも落ち着いて飄々としている兄がこんなに怒っているのを、ホップは久しぶりに見た。
    「バトルをしたい気持ちはわかる。だが、ここは公共の場で、コートですらないんだぜ。誰が整備するのか分かってるのか。君が代 1648

    Meow_Atom_No_17

    DOODLEこちらのyngさんの素敵イラストからの作品です
    https://twitter.com/yng_pkmn/status/1349280312606429185?s=20

    誰か似たお話を書いていらっしゃったらすみません……。割とすぐ記憶喪失してしまうので……。
    楽しい時間はあっという間で、お昼休みももう終わる。どこかへ行っていたクラスメイト達もほとんど教室に帰ってきていて、ずいぶんと騒がしい。
     ユウリの正面に座ったマリィが、ポッキーを袋から一本取り出しながら言った。
    「そういや知っとる?」
    「何をー?」
     ポッキーをパリポリとご相伴に与るユウリの暢気な表情は、マリィの「ホップに好きな人がいるらしいって話」という衝撃的な言葉で凍り付いた。
    「えっな、何?」
    「ホップに好きな人がいるらしいって話」
    「違う、聞こえた。そうじゃなくって」
     ユウリは、まって、と片手で眉間を抑え、マリィの目の前にもう片方の手を上げた。
     なんだって? ホップに。どのホップだ? 知ってるのは一人しかいないけど、あのホップに? 好きな人が。好きってどういう好き? 噂になるくらいだから、恋人の好きだよね? まさか。いや、本当に? らしい、だけど。
     ユウリはポッキーと共に、何とかその内容を飲み込んだ。彼女が「わかった、おーけー……」と返事を絞り出したのを、マリィは訝し気な顔でじっと見つめた後に、ゆっくりと口を開く。
    「ユウリ、先週の金曜にあたしと一緒に帰って、駅前のハート 1370

    Meow_Atom_No_17

    DOODLEこちらのこなまさんの素敵イラストからの作品です
    https://twitter.com/1228nama1228/status/1348257428102516736?s=20

    誰か似たお話を書いていらっしゃったらすみません……。割とすぐ記憶喪失してしまうので……。
    オレは頬杖をついて、窓際に揺れる葉っぱを見ながら口を開いた。
    「あの、今度研究者とか、博士が集まるパーティがあるんだ。あの、それでさ、誰かパートナーが必要みたいなんだ」
     それを聞いたユウリが、紅茶からを顔を上げた。
    「──あたしじゃダメ、かな?」
     振り向いたオレの視線の先で、ユウリはみるみるうちに頬を赤らめて、目をそらす。
    「ううん。オレ、ユウリを誘おうと思ってたんだ」
     オレは立ち上がると、ぎゅっとユウリをハグして、それで──。

    「……なんて、ただの妄想でしかなかったんだけど」
    「何ブツブツ言ってんの?」
     隣に立つ少年を見下ろして、着飾ったソニアがため息をつく。ホップは、ため息をつきたいのはこっちだと思った。
     現実は非情だ。
     ひと月前のティータイム、差し入れ片手にユウリが研究所にやってきた。これ幸いと話を振ったのに、彼女は一瞬顔をこわばらせた後、「は、博士のたまごって大変なんだね! いってらっしゃい」とひきつった笑顔を見せた。
     出鼻をくじかれたホップが何も言えずにいると、その場にいたソニアがトントン、と軽快にホップの肩を叩く。
    「頼りにしてるぞ我がパートナーよ! 虫よけ 1090

    orb_di_nero

    MOURNING記憶喪失話占視点。力尽きて急に終わる誰にも言ったことはないけれど、僕はこの荘園に来る前にとある人に飼われていたことがある。
    飼われていたと言っても、別に奴隷ような扱いを受けたりはしなかった。念の為に言っておくけれど、性的なアレソレもない。ただ、どこの馬の骨かも分からない僕に無償で寝る場所と食べ物をくれて、それから言葉を交わしたりした。それだけの、優しい関係だ。





    その人と出会った時、僕は一切の記憶を失っていた。
    天眼の力を失った僕を疎ましく思った彼女の家の者に殴られ、路地裏にまるでゴミのように捨てられていたのだ。
    何も持たない僕を自らの家へと持ち帰ったその人は、医者を呼び薬を貰い、そして寝床や食事まで用意してくれた。
    優しい人だと言うと怒ったような顔をするその人は、イーライ・クラークと名乗った。「似合わん名前だろう」と苦笑気味に言われてしまった時は、どんな顔をしたらいいか分からなかった。
    彼は良い人だ。記憶のない僕を拾い、こうして置いてくれている。
    彼は良い人だ。僕が彼の意に沿わないことをやっても、決して手を上げたりはしない。
    彼は良い人だ。僕が「ありがとう」と言うと、ほんの少しだけ笑ってくれる。
    けれど、彼は善 2167