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    DONE★水都史実二次。人を選ぶ要素含むので前書き確認PLZ
    ☆ENJ度4/5

    なお袁可立が本気出して魏忠賢に逆らい始めたのは本当は天啓6年の高攀龍の死がきっかけらしい 今回の彼の口ぶりは五幕の高攀龍と結構被らせてます。皮肉の意味で。
    弱いから中立でしかいられない徐光啓と強いから中立でも平気な袁可立の対比が好き
    歴史上でもこんな感じ
    橄欖之苑 第十一幕「元気がないな」
    そんな何気ない声かけに応じるのにも、今は気力が必要だった。
    「こんな時に、お前は元気でいられるか?」
    ようやく返事をすれば、今度は相手の方が口をつぐむ番だった。
    「中立のお前には関係のないことか」
    「嫌な言い方をするな。君だって、同じ立場じゃなかったのか?」
    交わす言葉に棘が混じる。
    朝廷の政変は恐れと焦燥を呼び起こし、俺たち二人も含め多くの者から心の余裕を奪ってしまっていた。

    目の前には、広い湖面が横たわっている。
    順天府の西門である阜城門を抜けて二、三里ほど行くと、玉淵潭という古くからの景勝地がある。玉淵潭はいわゆる大運河の水から生まれた湖で、湖畔には花木が生い茂って天然の園林となり、文人たちが霊感を求めて訪れるほか、清明節や上巳節の折には踏青に出かける市民たちで賑わう場所だ。城壁外と言っても街から遠すぎず、今は特に見頃の花もないため人出もない。「密談」には良い場所だろうと思ったのだった。
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    DONE★水都史実二次。人を選ぶ要素含むので前書き確認PLZ
    ☆この回は要素なし

    袁氏vs魏忠賢回。回数的にはここで折り返しです。
    こういう探り合いみたいなシーンって頭いい人が書けば本当にカッコよくなるんだろうけど自分には無理でした。
    魏忠賢が袁氏に目をつけて利用しようとしてたのは史実。わざわざ出向いてこないだろと思うけど、創作ゆえの単純化ということで。
    橄欖之苑 第七幕ある日のことだった。
    「万花楼で焦竑殿がお待ちになっている」。
    帰宅するなり、家人がそんなことを告げてきた。急な誘いに駆り出されるのは我々の間ではままあることだ。もっとも、それはどちらかといえば焦竑殿というより董其昌殿の得意技であったのだが。
    自分たちのことにはてっきりもう構わないのかと思っていたが、存外あの人もお節介なものだ。そんなことを考えながら官服を着替えると、馬を出し、指定された店へと向かった。

    万花楼は初めて訪れる酒店だった。繁華街の一角にあり、三階建ての立派な店構えをしている。
    馬を預けて足を踏み入れると、出迎えたのは音の洪水だった。広間は三階まで吹き抜けになっており、そのために宴席から聞こえる音曲や、酔客と妓女の交わすさざめきで常に騒がしい。中央の大階段や各階の欄干は灯篭や彩絹で飾られ、店名の通りいかにも華やかな趣だ。
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    DONE★水都史実二次 人を選ぶ要素含むので前書き確認PLZ
    ☆この回は要素なし。

    橄欖、ENJ要素はアレだけどこういう所は読んで欲しいジレンマがある
    直接皇帝に上奏するのが正しいんだろうけど、書きたかったのは会話内容なので仕方なくこうしました。
    袁可立が毛文龍絡みで弾劾されていたのは事実。海防強化を主張・防衛<攻撃だったのも。
    魏忠賢は和平派とも言うけど、毛文龍を支持していたとも聞くしよくわからん。
    橄欖之苑 第四幕「水軍の増設、沿海及び諸島における防壁と城砦の建設、烽火の連絡網の整備―」
    書類を読み上げる上官の声が、次第に唸るような調子に変わっていく。机を挟んで後ろ手に立ち、俺はもどかしい気持ちでそれを聞いていた。声の主は松葉のような髯に覆われた顎に手を当て、その太い眉の間には今や険しい溝が刻まれている。

    「……袁侍郎」
    ややあって、目の前の人物――兵部尚書・趙彦は顔を上げた。虎や豹に似て丸みを帯びた、しかし鋭い光を宿した双眸は難儀そうに細まっている。
    「貴殿の実績と才覚は、よく存じているし評価もしている。だが私の意見としては、優先すべきはやはり関寧方面の防備強化と軍の環境改善であると思う」
    言い終わると同時に、趙尚書は執務机の上に書類をぽんと投げ出した。
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