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    さめしば

    TRAINING付き合ってる冬駿のSS
    お題「黙れバカップルが」で書いた、井浦と山田の話。冬居はこの場に不在です。
    お題をお借りした診断メーカー→ https://shindanmaker.com/392860
    「そういえば俺、小耳に挟んじゃったんだけどさ。付き合ってるらしいじゃん、霞君とお前」
     都内のとあるビル、日本カバディ協会が間借りする一室にて。井浦慶は、ソファに並んで座る隣の男——山田駿に向け、ひとつの質問を投げ掛けた。
    「……ああ? そうだけど。それがどーしたよ、慶」
     山田はいかにも面倒臭そうに顔を歪め、しかし井浦の予想に反して、素直に事実を認めてみせた。
    「へえ。否定しないんだ」
    「してもしゃーねえだろ。こないだお前と会った時に話しちゃったって、冬居に聞いたからな」
     なるほど、とっくに情報共有済みだったか。からかって楽しんでやろうという魂胆でいた井浦は、やや残念に思った。
     二週間ほど前のことだ、選抜時代の元後輩——霞冬居に、外出先でばったり出くわしたのは。霞の様子にどことなく変化を感じ取った井浦は、「霞君、なんか雰囲気変わったね。もしかして彼女でもできた?」と尋ねてみたのだった。井浦にとっては会話の糸口に過ぎず、なにか新しいネタが手に入るなら一石二鳥。その程度の考えで振った一言に返ってきたのは、まさしく号外級のビッグニュースだった。——聞かされた瞬間の俺、たぶん二秒くらい硬直してたよな。あの時は思わず素が出るとこだった、危ない危ない。井浦は当時を思い返し、改めてひやりとした。素直でかわいい後輩の前では良き先輩の顔を貫けるよう、日頃から心掛けているというのに。
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    takadanobabaaan

    PAST⚠️ルート未通過者が書いてます⚠️
    通過前の印象を書き残したくて書きました。
    見捨てた/見捨てられた話って本編で出ましたか?
    出てたらいいな

    フォロワーさんに向けて提出したものですが、書いていることすら黙ってタイトルを決めていただきました。
    帰る家(しきなな/ノベコン中退避)──海の音が聞こえる。
    死せる元素から蘇った土地たちは、黒い脈動の分だけ歪にずれていた。時に亀裂が入り、時に建物が不自然に積み上がっている。文字通りコンクリートジャングルの中を、足場を確保しながら進む人影がいた。

    「みなとみらいに来るのは任務以来だな。まだお前や栄都の家は残ってるのか?」
    「わかんねェ。栄都の家はもう少し西の方にあるっぽいから今日は行けないかもな。でも、浮石病院はこの先にあったんだ。」

    結倭ノ国をデッドマターから取り返した志献官たちは直ぐには任が解かれず、先遣的に各地にひっそりといる生存者を探しながら復興支援をしていた。
    数日前、友達以上恋人未満の関係である三宙から次のオフに横浜に帰省すると聞かされた四季は休暇を申請した。受理した仁武は突然の休暇に驚いたが、理由を聞かされた仁武は逆に「三宙を頼むぞ」と言っていた。普段しっかりしてる三宙でも浮石が関連する土地では気が休まらないことは志献官たちの共通認識だった。
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