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    NL

    dentyuyade

    DONE息抜きの短編。百合のつもりで書いたNL風味の何か。こういう関係が好きです。
    観覧車「観覧車、乗りませんか」
    「……なんで?」
    一つ下の後輩はさも当然のようにそんなことを提案した。園芸部として水やりに勤しんでいる最中のことだ。さっぱりとした小綺麗な顔を以てして、一瞬尤もらしく聞こえるのだから恐ろしいと思う。そこそこの付き合いがある自分ですらそうなのだから、他の人間ならもっとあっさり流されてしまうのかもしれない。問い返されたことが不服なのか、若干眉をひそめる仕草をしている。理由が必要なの、と尋ねられても、そうだろうとしか言えない。
    「っていうか、俺なのもおかしいやん。友達誘えや」
    「嫌なんですか」
    「いや別にそうでもないけど」
    「じゃあいいでしょう」
    やれやれと言わんばかりにため息をつかれる。それはこちらがすべき態度であってお前がするものではない、と言ってやりたかった。燦燦と日光が照っているのを黒々とした制服が吸収していくのを感じる。ついでに沈黙も集めているらしかった。静まり返った校庭に、鳥のさえずりと、人工的に降り注ぐ雨の音が響き渡る。のどかだ、と他人事みたく思った。少女は話が終わったと言わんばかりに、すでにこちらに興味をなくしてしゃがみこんでは花弁に触れている。春が来て咲いた菜の花は、触れられてくすぐったそうにその身をよじっていた。自分のものよりもずっと小づくりな掌が、黄色の中で白く映えている。
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    メモ帳

    DONEボのハロウィンネタ。嬬武器烈風刀(つまぶきれふと)君と学園初等部の皆様方他同級生数名。ほんのりNL風味。
    キャラが気になったら公式キャラ紹介ページ(https://p.eagate.573.jp/game/sdvx/ii/p/chara/index.html)見てください。ついでにゲーセン行ってゲームやってください。頼む。頼む。
    お菓子だ!いたずらだ!ハロウィンだ! カサ、と手にした紙袋が音をたてる。中に詰まった小さな袋、その中に詰まった菓子を見やり、烈風刀はふ、と息を吐いた。
     今日は十月三十一日、ハロウィンである。毎年子どもたちがお菓子といたずらを求めてやってくる日だ。
     もちろん、いたずらをされてはたまらない。子どもとはいえ、否、子どもだからこそ皆容赦のないいたずらを仕掛けてくるのだ。一人相手ならまだいい。しかし、何人もが相手となると正面から受け止めるのはかなり厳しいものである。連続でやってくることを考えると尚更だ。 それに、菓子をもらえず悲しい顔をする子どもたちの姿はできれば見たくはない。子どもたちはいつだって元気で笑顔であってほしいのだ。
     だからこそ、少年は毎年この日に菓子を用意していた。生徒の自由を尊重し、イベント事に全力を注ぐこの学園は、校則が他に比べて緩い。菓子の持ち込みは許されていた。今日のような日は尚更である。
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    nanndemo_monyo

    DONEディミアネ(NL)。昨晩から気が狂ったように書き続けている。多分蒼月√五年後クリア前くらいの時空。素数を数える描写を入れ損ねた。
    アネットに抱きつかれて素数を数える殿下(タイトルメモまま)「きゃあああっ!」
    「どうした!敵襲か!」
    蹴破る勢いで扉を開くと、どっと何かが飛び込んでくる。アネットだ。理解するより早く構えていた手槍を室外へと放る。敵影はない。侵入された形跡も不審な点もなく、ただ慌てる彼女だけが異常事態を知らせている。
    「ど、どうしたんだ」
    声が上滑りしそうだった。腹の上の方に柔らかい感触があたっていることから気を逸らした。心音が無闇にうるさい。彼女が落ち着くまでは、と平静を保とうとするが、アネット自身はそれどころではない。
    「く、蜘蛛、蜘蛛が……!」
    「……蜘蛛?」
    「さっき鏡見てたら、背中に、背中にくっついてて……!」
    頭越しに覗き込むと、確かに白い布地に虫が張り付くようにしていた。比較的小さな、確か毒のない種類だったと思う。大事ではなかったことに安堵しつつ、手を伸ばす。指を伸ばせば自然とそちらへ移動してきたので、窓の外へと逃してやった。その様を見届けて、ようやくアネットは俺から離れた。
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